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概要

フルネームはシドルファス・オルランドゥ

ゴルターナ公が擁するゼルテニアの騎士団「南天騎士団」の団長で、伯爵の爵位を持つ。イヴァリース国内において他の追随を許さぬほどの強力無比な剣腕の持ち主で、“雷神シド”の通り名で知られる。主人公ラムザの父バルバネス・ベオルブとは親友同士であり、また占星術士オーラン・デュライの養父でもある。

生前の“天騎士”バルバネスとは、共に五十年戦争において無双の武働きで活躍し、その強さは、戦略的には完全に勝利していた鴎国に「雷神や天騎士と総力戦になったらどんな被害が出るか判らん」と躊躇わせ、形式上とは言え降伏ではなく和平を結ばせるに至ったほどで、その雷名はイヴァリースに収まらず他国にまで浸透している。

しかしその本質は、無益な血が流れることを嫌う平和的な思想の持ち主で、獅子戦争が勃発せんとする当時においても、最後まで粘り強く和平の道を模索し続けていた。こうした気質は生前の盟友バルバネスに通じるものがあり、彼が黒死病で両親を亡くしたディリータティータを保護したように、オルランドゥもまた、先の戦争の折に死去した戦友デュライの子であるオーランを引き取っている。オーランとは、貴族として多少の作法は含むものの屈託のない親子の会話を交わすほど打ち解けている。

物語本編では、主君であるゴルターナ公に敵対するラーグ公との和睦を説き続けていたが、グレバドス教会の計略によってゴルターナ陣営の裏切り者に仕立て上げられ、捕縛の末に処刑が決定付けられてしまうが、ラムザ一団に救出され、その後は彼の一団に加えることが出来る(この判断はプレイヤーに委ねられる)。

ユニットとしての性能

専用ジョブは『剣聖』。

固有アクションコマンドである「全剣技」は、その名の通りホーリーナイト(もしくはホワイトナイト)の「聖剣技」、ダークナイトの「暗黒剣」、ディバインナイトの「剛剣」のすべての技が使用可能となる。当然ながら、このアクションを使用するには剣もしくは騎士剣を装備している必要がある(刀や忍者刀では不可)。加えてステータス補正もかなり高く設定されている。

おまけに作中の全武器の中でも屈指の性能を誇るエクスカリバー(聖属性強化+吸収・永久ヘイスト)を初期装備とする。こんな強い人がいきなり倍速で動けてしまう。その強さを下げようにも、基礎能力が高いために市販装備に変えてもほとんど弱体化せず、成長率も高いために出撃を重ねればさらに強化される。

まさに問答無用のバランスブレイカーであり、FFシリーズファンの間でも歴代で登場する「シド」の中でも“最強のシド”とあだ名されている。

(もっとも、本作発売時点で戦えるシドは他に『FF4』のシド・ポレンディーナ、『FF7』のシド・ハイウインドと極小数であったが。)

上述の五十年戦争での活躍から設定上でも最強クラスのキャラなので当然かもしれない。

ただし、混乱魅了といった状態異常の対策をしていないとその有り余る力を味方に向けてしまい、一転して地獄絵図と化す。

その他

実はラムザのことは古くから知っており、まだ彼が3~4歳ほどだった頃にバルバネスに連れられた彼に出会っていたという。いたずらにオルランドゥの携えていた剣を取ろうとして怪我をし、バルバネスに叱られてわんわん泣いていたと大笑いしながら語っている(ラムザ自身は覚えていなかったが)。

FF14』では、本作をモチーフとしたアライアンスレイド「リターン・トゥ・イヴァリース」第三弾「楽欲の僧院オーボンヌ」にて、3番目のボス「雷神シド」として登場。

聖石の力を得て、三振の剣を三本腕に持つ、竜人めいた外見となっている。デザインは雨宮慶太。

待っていたぞ、イヴァリース、いやハイデリンの使徒よ……

我が名はシドルファス・オルランドゥ……お相手いたすッ!

本作はFFTのシナリオ・脚本の松野泰己が制作に携わっており、FFTとは似て非なる獅子戦争の物語が展開。

封印された聖天使アルテマが外部から干渉されるのを阻止する為、その魂を聖石に託し、アルテマを討滅するにふさわしい勇者を待ち続けていた。

戦闘フェーズでは多数のギミックをもって襲い掛かってくる為、実装当時は初見殺しとして大いに恐れられた。なんせ履行技が「衡平壊変(バランスブレイク)」である。ほんとバランスブレイカーだな!

パッチ5.21でようやく緩和されたものの、いまだ脅威である事には変わりない。ぶっちゃけラスボスより強いというプレイヤーも多い。

彼に勝利すると、強者と戦って満足したとして消滅する。

しかし終盤の聖天使アルテマとの戦いでは人の姿でムスタディオ、アグリアスと共に登場。結界を張って光の戦士達を守り続けた。

14世界における「デュライ白書」には「老いてもなおその剣技にかけては誰ひとりとして敵わず、対峙する者すべてを屍にするその様はまさに戦神なり」と記されている。

表向きの歴史上ではディリータによって斬首された事にされているが、真相は守護者となった事情を隠蔽する為の虚偽であったと考えられている。

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    火の番をするシド伯とベイオウーフさんによる20年前の思い出話。 2017年に発行されたアンソロジーに寄稿させていただいた作品を再録しました。

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