概要
カニグモ科(Thomisidae)に属する蜘蛛のこと。
極地以外の全ての大陸に分布する大規模なグループで、知られるものだけで2,000種以上、属の数でも170以上分かれている。日本では約60種が生息する。
ほとんどの蜘蛛と同様、基本的に人間に害はない。
特徴
性的二形でメスの方がオスよりずっと大きいが、メスでも体長1cm未満の小型種が多い。
基本的に前の2対の脚が大きく発達し、まるで相手を抱擁しようとしてるかのように構える。このポーズがカニに似ているからカニグモと名付けられた。カニみたいに左右に移動したり後退もできる。
8つの目は密着せず、甲羅の前上方に散在するように並んでいる。前側眼が少し大きいだけで、全てがほぼ同じ程度に小さい。
網は張らず、多くは花などで待ち伏せてやってくる昆虫などを強大な前脚で捕らえる。捕食方法は種類により様々で、花に合わせて鮮やかな体色になり、紫外線を体表から反射させ花を求める昆虫を誘き寄せるものもいれば、姿から臭いまで鳥の糞に似せ鳥に襲われるのを免れつつ糞食の虫を食べるものや、体が薄く日中は樹皮に隠れ夜に出て狩りをするもの、蟻に擬態して襲いかかるものもいる。
前述した特性から「ハナグモ」という名はこの科の中で多く使われており、学名 Ebrechtella tricuspidata のハナグモのように種に付けられたり、ヒメハナグモ属(Misumena)等のように属に付けられたりする。
関連タグ
アシダカグモ:巣を作らずに待ち伏せし近づく獲物を捕まえる点が似てる蜘蛛。
ハナカマキリ:花に擬態し昆虫を食べる狩人繋がり。