※この記事には、『仮面ライダーリバイス』のネタバレがあります。未視聴者は、ネタバレ注意。
「俺は自分が誰よりも嫌いだった。鏡を見る度に、割りたくなった。とにかく自分を捨てたかったのさ」
演:ザブングル加藤
概要
『仮面ライダーリバイス』に登場する敵対組織・デッドマンズの準幹部・カメレオン・デッドマンの変身者であり、ギフの生贄たるギフテクスと化した男(本名は最後まで明かされなかった為に不明。超全集でも「謎の男」と表記されている)。
そして、フェニックス司令官若林優次郎を殺害し、彼に成り代わっていた人物でもある。
擬態時は若林の姿で黒いロングコートとズボンで纏めた、シックでオシャレな装いをしていたが、本来の姿はシャツにジーンズと至って普通の出で立ちに、やや印象に残る顔立ちをした地味な男性。
本人もそれを自覚しており、上記の台詞の通り自分の素顔に異常なまでの劣等感を抱えている。デッドマンを生み出した理由も、「『醜いと思っている自分の姿』を変えたい」思考を起因とする、強く歪んだ変身願望からだと思われる。
その為、他人を消して成り済ます行為に躊躇いがなく、むしろ歓喜する狂気を持つ悪魔のような精神性の持ち主。
第16話で五十嵐三兄妹の変身する仮面ライダーによって敗北。最期は擬態した若林の姿から本来の姿に戻ってしまい、『今までの所業に対する後悔』や『死への恐怖』以上に『自分の素顔が知られてしまった事実』に絶望し消滅した。
他人に成り代わってまでも自分自身から逃げ続けてきた普通の人間は、誰にも理解されず孤独のまま消えてしまった。
「残念……だなぁ〜……ぁあああ~……悔しいなぁぁ~……」
余談
- 以前からSNS上ではカメレオン・デッドマンの正体についての考察が飛び交っており、最後に登場した16話の主題歌のクレジットですら、どこにも演者の加藤の名前はなく、彼が消滅する最期の最後まで誰1人として彼が正体だとは思っていなかった。なので正体が判明するや否や、Twitterでザブングル加藤がトレンド入りするほどに視聴者は騒然となった。
- 尚、発覚するまではカメレオン・デッドマンの正体候補として専らこれまでの登場人物が挙げられており、ぶーさんや牛島さん達しあわせ湯の常連客達、果ては『第1話冒頭に登場した死刑囚』まで挙がっていた。ただ、前者は第1話の就任式の中継に居合わせた点から、後者は公式サイトにて殺害された事実が示唆されている点から、可能性は低いと見なしていた視聴者も多く「レギュラー・ゲストの誰でもないのではないか」と予測する意見も少なからずあった。
- 実際、意図して制作されていたかは不明だが、本当に何でもないような人物が凄まじいコンプレックスと狂気を持っていた=本作の「人間誰しも悪魔を内に秘めている」触れ込みを見事に体現した存在と評価できるかも知れない。
- 第16話の放送日は12月26日。平成ライダーでは「クリスマスシーズンのエピソードでレギュラーの誰かが退場(死去)する」ジンクスがファンの間で語られており(本作では門田ヒロミか五十嵐幸実と思われてきた)、ネタ混じりで彼がその該当者ともされている。一応、第16話は一輝達が「ギフテクスは倒せば死んでしまうかも知れない」事実を知り覚悟を決めるエピソードであり、この死が軽いわけではないのだが……。
- 最期に嘆いたセリフは演者の持ちネタの「悔しいです!」からだと思われる(後に公式ホームページの人物相関図で、バイスもそのネタを用いている)。
- 更に、加藤は外見コンプレックスを多用したネタの芸人の為、一部の視聴者から「この外見なら(コンプレックスも)分かる」と納得されている。
- 実は彼の本質を仄めかす発言は序盤の時点で存在しており、第2話の「才能のないものの戯言は聞くに堪えんな」のセリフが該当。一見すると失態を犯したヒロミへの叱責・痛罵のように思えるが、容姿へのコンプレックスでカメレオン・デッドマンに変じた彼の境遇を思うと、一種の自己投影のようにも受け取れる。
- 正体が判明して以降、カメレオン・デッドマンがオルテカと行動を共にしていた様子が、極一部の視聴者から「元相方の松尾陽介の面影を求めていたからでは?」とネタにされているとか。
関連タグ
ムーア、ブガ:前々作の劇場版に登場した同じく「擬態した姿」と「本来の姿」のギャップが激しい悪役。
安藤仁一:本来の自分を嫌って他人に成り済ます悪役繋がり。
アーロニーロ・アルルエリ:擬態能力でイケメンに成り済ます悪役繋がり。