敵ノ殲滅ヲ最優先トスル
概要
第7次宇宙大戦末期において、地球連邦(便宜上、旧連邦と呼称する)・宇宙革命軍共にニュータイプ能力を持ったパイロットと、そのパイロットの能力を十二分に発揮しうるモビルスーツの存在は戦局を覆しうる存在となっていた。
特にその存在が一般兵へ与える心理的影響は並々ならぬもので、上層部としても無視しきれない存在となっており、それに対する策を必要としていた。
そこで考案されたのが「対ニュータイプ戦用MS」であり、そのコンセプトに沿って生み出されたのがこの「GB-9700 ガンダムベルフェゴール」である。
その特殊性からMSとしての生産コストは度外視された超高性能機として開発されている。
NT能力に対応したフラッシュシステムを搭載し、ビットMSの制御ではなく機体や武装の制御に用いた事で従来のMSを遥かに凌駕する高性能を実現している。
当然だが、フラッシュシステムの使用にはニュータイプの能力を要する。これは毒を持って毒を制すというスタンスだからなのだろうか。
武装は格闘戦用の腕部のストライククローおよび脚部のアトミックシザース、腕部クローの大出力ビーム・サーベルとビーム砲、砲撃戦用の(ダブル)ソニック・スマッシュ砲、敵機の機動力を削ぐ攻撃用途としての機能に加え、敵NTの使用するファンネル・ビット兵器を絡めとり無力化する対ビット用ヒートワイヤーなどあらゆる局面で高い戦闘能力を発揮する武装を装備し、正にニュータイプを抹殺する為のニュータイプ専用MSというコンセプトを如実に体現している。外伝漫画版では能力強化・ニュータイプ能力を付与するマスク型のNシステムもパイロットのカイと共に搭載され、更に圧倒的な性能を得た。
その反面、パイロットへの負担が全く考慮されておらず、本機の超絶的な機動性からくる激烈なGによる負荷等、一度起動すればパイロットへ肉体・精神の両面に甚大なダメージを負わせる事となり、旧連邦がパイロットそのものを使い捨てのパーツとしてしか見なしていない設計も見られた。
なお、本機を起動させる為のニュータイプまで居なくなれば本機はただの鉄屑と化す。(後述のUTMの描写では機体の武装の殆どを使用しない、またはリミッターを施して封印することで非NTでも普通のMSと同程度に扱うことは可能な模様)
もっともそうなれば本機が成す目的(NTの殲滅)は達成されている為、その時点でお役御免になってしまうだろう。
後年、この機体を元にガンダムヴァサーゴおよびガンダムアシュタロンが開発されているが、パイロットを使い捨てにするようなシステム・機能は廃されている。
詳細な出撃記録は残されていない為、第7次宇宙大戦中に出撃したと言う記録は確認されていない。
名前の由来は、キリスト教における七つの大罪に比肩する悪魔の一柱「ベルフェゴール」。
白基調でありながらストレートに悪魔を彷彿させる凶々しいその外観は、後のガンダムフレームにも通ずるデザインといえよう。
外伝作品『UNDER THE MOONLIGHT』において
A.W.0024年にはNT研究所の廃墟からカイによって発見され、そのまま彼の搭乗機となった。
機体自体のスペックとパイロットの技量、人体強化・洗脳システムであるNシステムも相まって、開発から四半世紀近いA.W.0024年においても有数の戦闘能力を誇った。
リックの駆るガンダムXからサテライトキャノンを奪おうとしたが、搭載できるかは不明。
テロ組織「宇宙の眼」に雇われていた際に仲の良かったマルコのセプテムの遺品であるバスターソードを使用するようになった。
後にNシステムは破損・放棄したために使用できなくなったが、これが原因かは不明だが物語後半ではリミッターを解除したベルフェゴールの操縦にカイの身体が耐え切れないような描写があった。
宇宙の眼の一件で中破して放棄されていたベルフェゴールはバスターソードと共にブラック・ホーネット基地に回収されたが、際にBH隊員のヴァラルラン・ドーの個人的な趣味により修復され、ソニック・スマッシュ砲やクローの使用制限などリミッターが施されてパイロットへの負荷の軽減が行われると共に何らかの改良が成されたが、改修の詳細は塗装の変更以外は不明のままである。(ガンダムX同様に老朽化した部品などが最新のものに交換されたと思われるが、不明)
リミッターはカイによって解除されるも、ディクセン・モードエックスと交戦し大破する。
その後修復されたかは不明。
機体データ
型式番号:GB-9700
所属:旧地球連邦軍→宇宙の眼→フリー
生産形態:ワンオフ機
装甲材質:ルナ・チタニウム合金
頭頂高:20m
重量:10.5t
武装:
大出力ビームサーベル
対ビット用ヒートワイヤー
ストライククローx2
クロービーム砲×2
アトミックシザースx2
(ダブル)ソニック・スマッシュ砲
バスターソード(UTMのみ)
ゲームでの扱い
Fから登場。ガンダムXらX前半に登場したガンダム達を超えるスペックを持つ。
ソニックスマッシュ砲がMAP兵器で通常武装が大出力ビームサーベルとヒートワイヤーのみの為、凡そ純格闘機の扱いとなる。
しかし、一部の武装は威力が高めで攻撃範囲(射程)が3マスまで届く為、格闘機としては使いやすく、加えてヒートワイヤーの燃費も良好の為、同期のアクエリアスよりは使い勝手が良い。ついでに大気圏内の飛行も可能。
NEOでも引き続き登場。相変わらずX前半に登場したガンダム達よりも攻撃力と防御力が高い。
ソニックスマッシュ砲はMAP兵器で、大出力ビームサーベルとヒートワイヤーが通常武装という構成は相変わらず。ついでに本作でも飛行可能。
しかし、ヒートワイヤーが中距離扱いの為、攻撃範囲は広くビルゴキラーとしての活躍は充分期待できる。MAP兵器も削りとして使いやすい。
ただし、スペシャルアタックは覚醒値が必要。忘れられがちだが、本機はニュータイプ専用MSである。
ウォーズ以降は武装の構成が変更。
ソニックスマッシュ砲は通常武装としても使える様になった為遠距離の砲撃戦も行える万能機に。
加えて「リミッター解除」という必殺技属性の強力な武装も追加。
ただし、大出力ビームサーベルとヒートワイヤーが削除(代わりにストライククローが追加)。
一見、ビーサーベルこそ無くなったものの強力な武装が追加され遠距離でも戦える様になって強化された。必殺技を軽減するPS装甲持ちのガンダム相手にもソニックスマッシュ砲で対抗できる為基本的には問題ない。
ワールド~OWではマルチロック有りの為、旧作では格闘面で優秀だったが今度は射撃の方で高い評価を得た。
関連項目
ガンダム・フレーム・・・悪魔の名を冠したガンダム達