全てのものは我が手の中!ギラグ!
CV:高口公介
概要
第2期「ZEXALⅡ」からの新キャラクター。アストラル世界と敵対する、バリアン世界からの使者の一人である。
名前の由来は北斗七星のメグレズ。他の七皇と比べて一番原型から離れている。
人物像
バリアンの幹部の中でももっとも大柄で筋肉質であり、「勇敢なるバリアンの戦士」とドルベに呼ばれていた。
粗暴な性格だがかなり抜けた部分が多く、任務のために来ただけのはずの人間世界での生活にどんどん馴染んで行っている。アリトとは口喧嘩も多いが仲は良い様子。
洗脳などの卑劣な手も平気で使うが、遊戯王の幹部クラスのキャラとしては珍しい、ギャグ色の強い悪役。また、人間こそ見下しているが仲間想いで、特にアリトとは恋の相談に乗ったり一緒に修行に付き合ったり、真月にアリトが闇討ちを受けたと聞いて遊馬に仲間の為に挑んだ。そのため遊馬からも「イヤな奴だけどどこか憎めない」と言われている。
また後述の外見に反して、作戦を立てて相手を追い詰める頭脳派であり、まさに(使用するカード的な意味で)あの手この手で遊馬を追い詰めようとした。その際、自身に被害がなるべく及ばない方法を好み、アリトが闇討ちされるまで自身が動くことなくずっと他者を利用していた。
アニメでの活躍
バリアンの民は人間世界では本来のデュエルができないとのことであるため、魔法カード「RUM-バリアンズ・フォース」の力で人々を洗脳し、洗脳した人々を九十九遊馬に襲わせる事によってナンバーズを回収しようともくろんでいるが、何れも遊馬に敗北している。
一時期は生徒会長を洗脳することで生徒会室をアジトにしていたようだが、生徒会長が敗北して洗脳が解けたことで使えなくなり、以降は他の部室の部員を洗脳したりして、最終的には体育倉庫で寝泊まりしている。
体育館に持ち込んだテレビで放送されていたアイドル「さなぎちゃん」のファンになったようで、あの外見でテレビにかじりついて視聴していた。小鳥達の仲違いを作戦に利用しようとしてスポーツデュエル大会を開催した際は遊馬とチームを組むことになってしまったことで消滅の危機に陥り、無事に切り抜けた際には安堵のあまり号泣していた。
その後、ドルベによって派遣されたミザエルから「バリアンズスフィアキューブ」を手渡され、「これが最後のチャンス」と最後通告されている。
バリアンズスフィアキューブを使用したデュエルでは負ければ消滅してしまうことから、ギラグは今まで通り人々を洗脳し、これまでにない数で遊馬を倒そうと画策する。しかし、真っ向勝負を挑もうとするアリトに阻まれ、「お前のやってることはデュエルじゃねえ!」と叱責され、退散した。その後アリトが真月に闇討ちされたことを受け激昂し、仇を討つため遊馬と真月にデュエルを挑む。
序盤からバリアン本来の姿になり、鬼気迫る迫力とプレイング・強力なモンスター効果で二人を追い詰めていく。
しかし、真月が自身の正体はバリアン警察であると明かし、遊馬に渡した「RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース」によって「CNo.39希望皇ホープレイV」によって逆転され敗北。ボロボロになりバリアン世界へ撤退した。
その後はバリアン世界で眠りについていたが、ベクターの手によってアリトと共に復活する。
しかしナンバーズを回収する使命にやる気がないギラグはまたしても体育倉庫でアイドル番組を視聴。だがテレビに偶然映った自分そっくりの石像を見て決闘庵へと赴き、石像からナンバーズを回収する。しかしその瞬間石像に封印されていたナンバーズの精霊の魂に身体を乗っ取られ、ギラグの魂は石像に封印されてしまう。そこに同じくナンバーズを求めてやってきた遊馬達と遭遇し、何の躊躇もなく敵である遊馬に身体を取り返してくれと懇願する。
このような行動も含め、一緒に復活したアリトがドン・サウザンドによってまるで別人のような性格に改編されたのに対し、ギラグの性格は何一つ変わっていない。一応目的のためには手段を択ばない冷徹な部分もあるため、改変の必要はないと判断されたのだろうか。ここ最近は突然の裏切り、アストラルの葛藤、アリトの豹変、そしてバリアンの凄惨な過去など暗い展開が続いていただけに、そんな空気を微塵も読まないキャラのブレなさにはある意味安心した視聴者も多いことだろう。
そしてナッシュとメラグがバリアン世界に帰還し、七皇全員で遊馬とアストラルらを倒しナンバーズを回収するべく人間世界に侵攻する。
Mr.ハートランドとのデュエルを終えた遊馬らを奇襲するも撤退される。
彼らを捜索するが六十郎と闇川らに阻まれデュエルとなり撃破する。
その後突如ベクターとドン・サウザンドによりアリト共に洗脳され、ナッシュを連れてバリアン世界に帰還するよう命じられる。
それを実行し、その最中突然触手のようなものに襲われた様に見せかけ助けを求め、助けようとしたナッシュを捕縛。(その後ナッシュはベクターによりドルベ・メラグ戦の「ドン・サウザンドの玉座」のエネルギー源として拘束され、体力を奪われる事となる。)
そして洗脳が解けたアリトと共にドン・サウザンドを倒さんとバリアン世界へ向かう遊馬らを奇襲する。
遊馬らに「ドン・サウザンドにより騙され利用されている」と言われるがこれを一蹴。
洗脳の影響か逆に彼を崇拝し、洗脳を解くべくアリトにデュエルを挑まれる。
アリトと激闘を繰り広げ、当初はアリトを追い込むもアリトが遊馬に託されたギラグの遺跡のNo.「No.64古狸三太夫」(とそれによりギラグの中から蘇ったポン太)で「CNo.106溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド」を倒したことによりギラグの洗脳と呪いが解け、前世の本当の記憶を取り戻す。
正気と記憶を取り戻してくれたアリトに喜び駆け寄るも彼の使用したカウンター罠「ラスト・カウンター」の効果によりアリトはデュエルに敗北し消滅してしまう。
親友の死に悲しみ、ドン・サウザンドの怒りに燃えていた中ドルベとメラグを吸収したベクターの奇襲を受ける。
だが親友であるアリトの意志を尊重し身を挺して遊馬を守り、彼に希望を託して消滅する。
そしてアリト、ポン太の魂と共にベクターに吸収された。
最終回にてヌメロン・コードの力により人間に転生し、ポン太と共に復活する。
遊馬らと共に新たな敵に挑んでいった。
外見
人間世界では緑色のギザギザのモヒカンが特徴のイカツくもコミカルな顔立ちの巨漢(メイン画像左)となって活動している。
服装は遊馬達の学校の制服だが、背中には何故か天使の羽のようなものが付いており、デカさもあいまってやたらと目立つ。にも拘らず何故か学校に自然と溶け込んでいる。
バリアンとしての本来の姿は騎士風の鉄仮面(素顔?)をつけた全身黒色の筋肉質の大男の姿をしている。
デュエル関連
使用デッキは手をモチーフとしたモンスターや魔法・罠で構成された「ハンド」デッキ。相手の行動を妨害するカードが多く、知略を駆使する彼の性格が垣間見える。
切り札は「オーバーハンドレッドナンバーズ」である「No.106巨岩掌ジャイアント・ハンド」とカオスナンバーズ「CNo.106溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド」。
エクシーズ以外のモンスターは召喚されると何故かギラグの体にくっつく。エースカードも含め、ギラグの使用するモンスターは召喚するとプレイヤーの肉体に負担がかかるらしい。(カオスエクシーズに至っては扱う代償として自分の命を削る代物)
カードゲームなのに?と思うかもしれないが遊戯王ではよくあることである。なるべく自分が動かずにすむ戦略をとっていたのはこのためなのかもしれない。
効果こそ強力だが、攻撃力は決して高くないため、効果ダメージとその防御で攻防一体の展開を実行する。
OCG化されたカードもなかなか実用性が高く、ファンデッキとしてだけでなく環境上位デッキの一員として活用されたカードも少なくない。海外でも(実用性的な意味も含め)愛用されていたようで、このカード群を要素を組み入れた名前のデッキなどが活用された。
だが、「No.106巨岩掌ジャイアント・ハンド」などのエクシーズが登場してから、メインデッキに投入可能なファイヤー・ハンドなどが登場するまで約1年かかったため、登場するまでの間、一部のファンをやきもきさせていた。
余談だが2020年4月には新OCGオリジナルモンスター「サンダー・ハンド」が登場した。
アリト戦では呪縛の強化としてドン・サウザンドが与えた自らの力を秘めたナンバーズ、No.53炎圧鬼バーナー・バイサーを使用した。
アリトのNo.80狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク同様、装備効果を有しており、直接攻撃を可能にする効果と手札をコストに効果ダメージを与える効果をもつ。
自身の前世の記憶が宿る遺跡のNo.は「No.64古狸三太夫」。
なおRUM-七皇の剣は劇中使用した描写は見られなかった。
(六十郎・闇川戦、アリト戦は省略されている為使用した可能性はある。)
正体
その正体は、かつて伝説の名君と呼ばれた武将喜楽壮八(きらくそうはち)。
戦で得た富は全て民に与え、自分は徹底した節制した生活を送るなど心優しい性格であったとされる。
ある戦の最中、喜楽は戦場に迷い込んだ狸「ポン太」を引き取る。
ポン太はその恩返しとして喜楽に変化し、喜楽の影武者として戦場で働いた。
しかしある戦を前にして突然喜楽はポン太をクビにして追い出し、その後喜楽は戦に負けて死亡。ポン太も程なくして息絶えるがその魂は喜楽の石像に宿ってしまい、
「捨てられた上に死んでもなお喜楽の影武者にされた」とポン太から恨みを買われる。
しかし、実は民ばかりを重んじて、
自分たちに見返りを与えようとしない家臣たちの謀反によるもので、
最初から勝ち目がないとわかっていたため、
せめてポン太だけでも逃がそうと考えてのことだった。
ギラグ自身も遊馬とポン太のデュエルの中でその記憶を取り戻し、
ポン太に真実を話して和解。ポン太は無事に天へと召されていった…。
…かと思った瞬間、「んなわけねえだろ!」とポン太の魂を捕えて飲み込み、
「今の話は全て作り話だ」と高笑いする。そして「次は貴様を倒す」と遊馬に宣言して退却した。
しかしその後「何で俺はあんな話を・・・」とぼやいていたことから、
自分がかつて人間であったという事実に混乱しての行動だったと思われる。
アリトに洗脳から解放され、復活した記憶にはドン・サウザンドによって洗脳された家臣たちの謀反に遭い、討ち死にした前世の記憶を思い出した。
それにより仲間に裏切られ無残な最期を遂げ、怒りと悲しみを抱いた故バリアン世界に転生した模様。
余談
ネタが多い彼だが、策は意外にまともであり、遊馬を倒してナンバーズを回収できていた可能性が非常に高いものもある上に、失態に終わった要因は、なんと仲間が原因であるものばかりだったりする。
- 一見すると苦し紛れに見える「喧嘩していたナンバーズクラブの仲間たちの和解の為のスポーツデュエル大会」だが、遊馬をはじめナンバーズクラブの誰もこれを疑っていなかった。遊馬に「女性陣に勝利を譲るためにわざと負けろ」と入れ知恵することも、その対戦相手である小鳥とキャッシーを洗脳することも無事成功。だが遊馬とタッグを組むはずだったシャークが勝手に帰宅。ギラグ自身が代理となり、逆に自分が消える危険に身を晒されることになってしまった。なお、この時点でナッシュの「ナ」の字も出てない上、シャークにはバリアンの作戦を妨害する意図もなかったので、本当にしょうがない。
- 最終通告を受けた後の、大勢の洗脳による物量作戦も、真月に羽交い絞めにされ集中攻撃をされたことで遊馬は敗北必至な状態だった。遊馬が助かったのは、遊馬とデュエルで決着をつけることを望むアリトが割って入ったためである。
- 遊馬・真月と1対2でのデュエルも、遊馬の相棒たるアストラルがバリアンズスフィアキューブの効果で不調であることから、ギラグにとって有利な状況だった。が、遊馬を利用するためにまずは信用を勝ち取ろうとする真月=ベクターの謀略のせいで、デュエルは終始真月の思惑通りに展開し、最後は真月から託されたカードの力で遊馬が勝利するという「友情ごっこ」の犠牲になってしまった。
と、特に鉄板の勝利をひっくり返されたケース全てが、バリアンの仲間の行為と言うのが非常に皮肉である。