クリスタル・パラディン
くりすたるぱらでぃん
クリスタル・パラディン SR 水文明 (4)
進化−自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある「ブロッカー」を持つクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。
デュエル・マスターズのDM-02『進化獣降臨』で登場した進化クリーチャー。このパックの水文明のSR(スーパーレア)として選ばれた。
ちなみに、同期には、
が存在している。
敵味方関係なく、全てのブロッカーをバウンスする、強烈な効果を持っているのが特徴。
邪魔なブロッカーをまとめて手札に戻す効果を持っているため、こちらの戦力が整った状態で召喚することが出来れば、一気に勝負を決められる。
同じくDM-02で収録された、リキッド・ピープルの進化クリーチャーであるクリスタル・ランサーと共に双璧を成し、長らくリキッド・ピープルを使うビートダウンデッキで大活躍していた経験を持つ。
このカードの欠点は、敵だけではなく、味方のブロッカーも手札に戻してしまうという点だろう。当時から最軽量の進化元且つブロッカーを持っているということで活躍してきたアクア・ガードはもちろんのこと、最近のリキッド・ピープルでも、攻撃できるブロッカーであるクリスタル・ブレイダーやアクア・スーパーエメラルも手札に戻してしまう点には気を付けること。
また、次のターンになると出し直されることがあるのでその点にも注意が必要である。あと一撃で勝負を決めることが出来る時などを除いた場合、この進化クリーチャーを出した場合でも、次の相手のターンで相手がブロッカーを再度召喚する機会を与えてしまい効果が薄くなる場合もある。
以上の欠点が存在しているということもあるので、出すタイミングが非常に重要なカードである。
非常に派手な効果を持っていることから人気が高い進化クリーチャーということもあって、派生カードも次々と登場した。
- 《氷槍 パラディン・スピア》
クリスタル・パラディンの効果をクロスギアで再現したカードであり、このカードをクロスしたクリーチャーが攻撃すると、クリスタル・パラディンと同じ効果を使うことが出来る。
クリスタル・パラディンはバトルゾーンに出した時限定であるため、出すタイミングが非常に重要であることは前述した通りだが、このカードは攻撃した時に効果が使えるため、タイミングを気にせず、複数回効果を使用することが出来る。
但し、コスト3のクロスギアなので、ジェネレートしてからクロスする手間がある欠点がある。また、自分のブロッカーが手札に戻ってしまうという点も変わっていないので、その点にも注意したい。
ちなみに、スマートフォンアプリゲーム「パズル&ドラゴンズ」でコラボダンジョンに登場するクリーチャーとして出演した際のリーダースキル名はこのクロスギアの名前が用いられている。
クリスタル・パラディンを強化した進化クリーチャー。
コスト5に上昇したが、代わりにパワーが6000になり、W・ブレイカーを獲得した。さらに、前述のパラディン・スピア同様、攻撃した時に、元となったクリスタル・パラディンと同じ効果が使えるため、こちらも複数回効果を使用することが可能。
また、実はバトルゾーンにある相手のサイキック・クリーチャーを1体、超次元ゾーンに戻す効果も追加されている。実はこの『超次元ゾーンに戻す』が大きなポイントで、手札に戻すことが出来ないサイキック・クリーチャーである時空の喧嘩屋キルも除去することが出来るようになっている。
但し、閃光の神官ヴェルペットのようなタップインさせるクリーチャーがいた場合、このカードがタップされて攻撃できなくなってしまい、効果が使えなくなる欠点を持つ。また、コストが重くなっているということもあり、コストの軽さでは元のカードの方が上回っているため、デッキや戦い方に応じて使い分けることも重要である。むしろこのカードの登場で苦しくなったのは、元のカードではなく、スーパーパラディンよりも1コスト重いクリスタル・ランサーであった。
実は、DM-02『進化獣降臨』のSRの進化クリーチャーの中では、最も活躍の機会が多かった進化クリーチャーである。
クリスタル・パラディンは、前述した残りの4枚のSRの進化クリーチャーと共に、DM-02『進化獣降臨』で登場したのだが、
- 機神装甲ヴァルディオスは、機神装甲ヴァルボーグと比べて速さで欠けていたこともあり、トーナメントシーンでの活躍が乏しい状況になっていた。さらに後の時代で音速ガトリングが登場したことにより、完全にお役御免に。
- 守護聖天ラディア・バーレは、S・トリガーへの耐性を持つ守護聖天グレナ・ビューレや(進化クリーチャーではないが)陽炎の守護者ブルー・メルキスの登場で使用率が減少し、現在ではガーディアンデッキの大型フィニッシャーは、後に登場した守護聖天タース・ケルケルヨや前述のブルー・メルキスが存在しているため、採用率がかなり低い。
- 魔翼虫ジェノサイド・ワームは、進化元であるパラサイトワームが扱いにくかったこともあって、あまり使用されることがなかった。一応闘魂編中期までの【アクアンブラック】的に組まれたパラサイトワームデッキが存在していて、その際にフィニッシャーとして活躍した経験を持ち、魔光蟲ヴィルジニア卿が登場した時は、【ヴィルジニアリアニメイト】の候補の1つとして選ばれたが、後に上位互換である悪魔龍王キラー・ザ・キルが登場してしまった。
……ということもあり、環境で活躍したSRの進化クリーチャーは、実はクリスタル・パラディンと大勇者「二つ牙」だけだった。
また、その「二つ牙」に至っても、実は初期のビーストフォークデッキでは、軽量クリーチャーでビートダウンを仕掛けるデッキが多かったこともあって、使用率は大勇者「大地の猛攻」の方が高かった(後に聖拳編以降、環境を制してきた無双竜機ボルバルザーク系デッキが次第にコントロール色を強めていくにつれ、重量級カードの使用も増えたために、「二つ牙」の需要が上昇し、数多くのデッキで支える存在になった)こともあり、初登場当時から使用率が高かった進化クリーチャーは、実はクリスタル・パラディンだった。
その後、クリスタル・パラディンの強化版として、前述のクリスタル・スーパーパラディンが登場したのだが、前述したように、コストの軽さやタップインさせるクリーチャーがいた場合でも効果を使用できる点は、こちらの方が上であった。
一方、「二つ牙」は、何度も再録されたものの、ついに完全上位互換のスーパー大番長「四つ牙」が登場。これにより、「二つ牙」の立場は「四つ牙」に変わる形となり、これによって、環境でまだ活躍できるDM-02『進化獣降臨』のSRの進化クリーチャーは、クリスタル・パラディンのみになった。
コスト4であることから、1ターン目にアクア・ガードorアクア・ティーチャー、2ターン目にアクア・エボリューターor一撃奪取マイパッドに繋げれば、3ターン目にクリスタル・パラディンを出せる上に、邪魔なブロッカーをバウンスさせることが出来るため、そこからタイム3 シドの革命チェンジなどをブロッカーに邪魔されずに行うことが出来るという点も、クリスタル・スーパーパラディンにはない利点になっていた。
- ちなみに、同弾に登場し、共に活躍してきたクリスタル・ランサーは、前述のクリスタル・スーパーパラディンや手札進化を持つクリスタル・アックスの登場により、かなり苦しい立場になり、さらにコスト4になった大船長オクトパスカルや、侵略によってコスト踏み倒しが可能である侵略者バロンスペード等の登場により、もはや太刀打ちできない状況になってしまった。
このように、種族やコストのこともあって、まだ活躍の機会が残されていたクリスタル・パラディンであるが、2019年、ついにほぼ上位互換である叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライトが登場した。
NEO進化クリーチャーであるため、進化する必要がなくなった上に、進化する時の進化元も非常に緩くなった。
相変わらず自分のブロッカーも手札に戻してしまう欠点はそのままだが、バトルゾーンに出す条件も緩くなったこともあり、極仙龍バイオレンス・サンダーの相手プレイヤーにブロックされなかった時に効果が使えるクリーチャーのサポートとして使うことも簡単になった。
さらに、ツインパクトなので、呪文面が追加されている。それも、長らく基本カードとして活躍していたエナジー・ライトであり、クリーチャー比率を高めながらドローソースを増やすことも可能(※)。
※現在では実質G・ストライクを持つエナジー・ライトとして使えるツインパクト「合体」の頂 アクア・TITAAANS/「必殺!ジェット・カスケード・アタック!!」(あちらの呪文面の効果は「このゲームに参加しているプレイヤー1人につき、カードを1枚引く」だが、デュエマは基本的に1対1、つまり2人なので、2枚ドロー=エナジー・ライトと同じ効果になる)が登場。ただ、クリーチャー面の効果は全く違うので、当然使い分けが可能である。
もちろん、1ターン目に適当な水文明のクリーチャー、2ターン目にコスト軽減を持つクリーチャーを出せば、3ターン目にスクアーロを出すことも可能。特に、1ターン目にアクア・ガード、2ターン目に一撃奪取マイパッドを出した後に、3ターン目に出す方法を行った場合、クリスタル・パラディンの場合はアクア・ガードを除去された時点で出せなくなってしまうのに対して、スクアーロの場合はアクア・ガードを除去されても、3ターン目にスクアーロを出すことが可能という点があり、その点はスクアーロがクリスタル・パラディンよりも性能が上回っている点である(流石に相手はアクア・ガードよりもマイパッドを除去する可能性が高いのだが)。
これにより、今後はクリスタル・パラディンの代わりにスクアーロの出番が多くなる可能性が高いだろう。
但し、
- 呪文面を持つツインパクトであることが原因で拷問ロスト・マインドやマインド・リセット、戯具 ドゥモグラで墓地に落とされる可能性があるスクアーロに対して、クリスタル・パラディンはそのカードによってハンデスされない。
- リキッド・ピープルには、水文明以外のリキッド・ピープルが存在しているため、そちらを進化元に扱う場合なら使い分けが可能。
……という点があり、クリスタル・パラディンの厳密な上位互換ではない。ただ、前者の理由は兎も角、後者はアクア・ホーリーやアクア・ハンプティやアクア・ダンプティのように性能が低いリキッド・ピープルや、隕襲電融 メテオスナイパーや蟲偵電融 ゼノジェントのように、コストが重いリキッド・ピープルしかいないのが現状であるため、スクアーロを優先して採用する理由が見つからないということが現状である。
加えて、2008年発売の『コロコロ・ドリーム・パック3』以降、未だに絶版が続いている状態であり、その一方でスクアーロは、『夢の最&強!!ツインパクト超No.1パック』での封入率(スクアーロが入っているセットは、1箱に1パックずつ確定封入+5パック中4種被り封入という確率だった)の関係上、クリスタル・パラディンよりも(最低2箱で)簡単に4枚も集まりやすい利点があったため、封入率に対しても負けてしまっている状況である(現在『夢の最&強!!ツインパクト超No.1パック』は絶版になっているが、封入率が高かったこともあり、スクアーロのシングルカードのレートは低レアの一つであるC(コモン)と同じ程度の安さであり、古いカードということもあって高騰しているクリスタル・パラディンよりも入手しやすい)。
そのため、長らく環境で活躍してきたクリスタル・パラディンも、スクアーロの登場で活躍の機会がほぼなくなってしまった。
なお、スクアーロは、クリスタル・パラディンが環境から消えた現在も活躍していて、特に【絶望神サガループ】では、ガル・ラガンザーク対策として採用されたことがある
(あちらが殿堂入りした後は【白青赤鬼羅.Star】を仮想敵として採用されることがある)。
スクアーロの登場で採用率が減ってしまったクリスタル・パラディンの活躍の場は、スマートフォン用ゲームアプリであるデュエプレに移ることになった。
デュエプレではDMPP-01『超獣の始動 -MASTER OF DUEL-』に収録。水文明を代表する看板クリーチャーとして登場し、シークレットカードも収録された。
意外にも、クリーチャーを手札に戻す効果を持つクリーチャー、例えばアクア・サーファーなどの効果が、相手のクリーチャーのみ限定になるという弱体化を食らう中、このクリーチャーだけはまさかの据え置きとなった(水文明を代表する看板クリーチャーということもあるからだろうか。しかし、看板クリーチャーの中には、光文明を代表する看板クリーチャーとして登場したのに、何故かパワーが減少してしまった聖霊王アルカディアスがいるのだが……)。
ちなみに、後にキング・アトランティスが登場するまで、貴重な味方クリーチャーを手札に戻す手段を持っていたクリーチャーだった。
DMPP-01当時の環境では、青単【リキッド・ピープル】デッキでクリスタル・ランサーと共に活躍していた。
だが、次の弾で全体除去のサウザンド・スピア、軽量クリーチャー対策の傀儡将ボルギーズが台頭したこと、そして、青単でなくとも大量ドローの出来る【アストラル・リーフ】の流行により、一時的に【リキッド・ピープル】は環境から姿を消した。
そして、DMPP-06で、再び【リキッド・ピープル】は復活を遂げるが、この頃はカードゲーム版よりもG・ゼロの追加で一気に強化され過ぎたクリスタル・ツヴァイランサーを主体にしたデッキが活躍することになり、さらに後の弾では超神星マーキュリー・ギガブリザードのような別のフィニッシャーも登場したこともあって、クリスタル・パラディンの採用率は残念ながら上昇しなかった。長い間環境で活躍の機会が残っていることも多かったカードゲーム版とは真逆で、デュエプレでの活躍は、結局DMPP-01のみになってしまった。
- 効果が発動した際の演出は、このクリーチャーが持つ正六角形が並ぶ盾のようなエフェクトが各ブロッカーに現れるという特有のものであり、非常にカッコいい演出になっている。
- デュエプレのシークレット版のフレーバーテキストでは、味方の《アクア・ガード》からも頼りにされていることが分かる。同時に、このクリーチャーがゲームの決着をつけるフィニッシャーであり、全てのブロッカーを手札に戻す効果で味方のブロッカーも手札に戻っていくという実際のカードの動きも現している秀逸な文章となっている。実際に、後に登場したアクア・スーパーエメラルと併用する場合なら、もう一度アクア・スーパーエメラルの効果を使うことが出来るし、アクア・ガードを手札に戻してしまった場合でも、余った1マナから出し直すこともできるので、返しのターンの反撃に警戒する場合も非常に役立つだろう。よって自分のブロッカーも手札に戻してしまうことがデメリットに働くことはほとんどない。
- 但し、ブロッカーを主体にしたデッキでは、上記のブロッカーを全て手札に戻す効果との相性が非常に悪いので、その点には気を付けること。幸いこのカードの居場所はビートダウンデッキが殆どであり、ブロッカーを多用するデッキの代表格であるヘブンズ・ゲートをメインにしたデッキでは完全に採用されないことが多い(というか、リキッド・ピープルがあまり採用されない)のが救いになるか(逆に前述したスクアーロの場合は、ブロッカーを全て手札に戻す効果が足を引っ張ることがあり、ヘブンズ・ゲートをメインにしたデッキでは、スクアーロよりもエナジー・Re:ライトの方を優先して採用されることが多い)。
- 上記のフレーバーテキストに関連することだが、アクア・ガードらは祝杯をあげようとしているが、このような「勝利を確信して安心しきった行いをする」というのは、失敗を予感させる典型的な描写、俗にいう死亡フラグともいえる。見る者によっては滑稽な様子にも映るだろうが、実戦では適切なタイミングで出せば、ブロッカーを全て手札に戻した後の総攻撃で、多くの場合は勝利できる。前述でも説明したが、適切なタイミングを出せば、勝利をつかむことが出来るのだ。
- アニメ版第1作では、神谷透が切札勝舞とのデュエルにて使用。アニメで最初に登場した進化クリーチャーであり、召喚酔いせず攻撃出来る事に周囲が驚いていた。
- アニメ版第2作「チャージ」では黒柳とのデュエルで三国がデッキに入れている事が示唆されていた。黒柳の展開するブロッカーを一掃するために引き当てようとするも叶わず、聖天使カイザル・バジキューラでトドメを刺された。