概要をポン!
テレビアニメ『トリコ』のおもちゃ。正式名称は「トリコ 菓子粉砕器グルメスパイザー」。2011年7月30日にバンダイより発売、税込2200円。
巨大な赤い腕の形をしており、お菓子を入れて潰してふりかけにするというもの。"サ"に濁点があるので注意。
- お菓子をグルメスパイザーにポン!と入れる。
- レバーをピストン運動させて、お菓子をクラッシュ!クラッシュ!する。
- 粉砕したお菓子をパッパッパ!とパスタ、サラダ、ご飯などに振りかける。
- これだけ!みんなもグルメスパイザーで料理をアレンジしよう!
おもちゃは問題点だらけだったが、販促のためかアニメで重要な調理器具として登場するくらいにはゴリ押……プッシュされていた。
アニメでは掌部分が開いてそこから光と一緒にスパイスが散らばるが、玩具では握り拳部分が蓋になっててこれを外して振りかける。
なお、アニメでの活躍を文章に起こすととても多いので最後に記す。
散々な評判をクラッシュ!クラッシュ!
このおもちゃ……発表当時から無茶苦茶に評価が悪い。
以下に理由を列挙する。
- スナック菓子という脂っこい食品を扱う性質上、一度使うたびに分解と丸洗いが必要。しかしこの玩具、なぜか異常に部品数が多く分解するとなんと19パーツ。 そのため、子供がするたびにいちいち19パーツに分解・洗浄し、再度組み上げなくてはならない。この有様なのにバンダイ公式サイトでは「簡単丸洗いOK!」と紹介されている。
- 意外と強度がなく、粉砕できる菓子は限られる。せんべいなどの乾物、カンパン、「堅あげポテト」といった堅さを売りにしたものを入れればグルメスパイザーの方がクラッシュ!する。
- よしんばスナック菓子を使用したとしても、菓子を沢山入れすぎるorクラッシュに力を入れすぎると先端部分が外れて砕かれた菓子がぶちまけられることになる。また真面目に規定量をクラッシュしても、隙間から粉末状になった菓子がボロボロと溢れてくる。
- 菓子は単品で食べることを想定して作られた以上ふりかけとしては薄味であり、砕くことにより菓子の食感も失われる。そのくせカロリーはアホみたいに高く、フリカケとは名ばかりの微妙な食感の割にやたらカロリーの高い食べ物のような何かが出来上がるだけである。
- この玩具はかなり大きく、操作にピストン運動を伴い、もう片方の手で本体を掴まなきゃいけないので遊んでいるとかなり疲れてくる。また粉砕した菓子がそのまま出てくるのではなく、わざわざ蓋を開けて振りかけるという手順を踏むため、作業感が強くなり遊んでいて(調理していて)楽しくない。
- 後述のアニメ版では2種類の食材を合わせて新たなスパイスを調合しているが、対して現実は先に書いた通り、ただ単にピストン運動を行うため材料が混ざらない。
- ふりかける際にはグルメスパイザーをつかんでそのまま撒き散らす。そのためうまく料理に降りかからず、撹拌ではなくピストン運動を行う構造上均一にフリカケにできるとも言いがたいため、「フリカケを作る」という最大の目的すら果たせていない。
このように、気軽にポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!できないわけである。袋に入れたまま砕けばいいじゃん!……なんてツッコまれても擁護不可能。ひどいときには素手の下位互換とすら言われる始末。
他社製品との比較
ライバル企業のタカラトミーが全く同じコンセプトの商品「おかしなフリカケ」をグルメスパイザーよりもっと前に発売している。パクリでは?
こちらも丸洗い可能だが、こちらは3種の替刃含めてもパーツ数5つなので簡単に分解洗浄できる。そこは真似しろよ。
グルメスパイザーが「ピストンを前後して菓子を粉砕する」のに対し、おかしなフリカケは「プラスチック製の刃を用いて胡椒挽き機のように回してすりつぶす」仕組みであり、この点が部品数に致命的な差を生じさせたようだ。
対象年齢が大きく違うこともあるが、仮にも版権キャラグッズで万一にも事故が起きてはまずいので刃を付けなかった可能性がある。
…と思われていたが、後述のふりかけメーカーはグルメスパイザーと同じく対象年齢8歳以上である。
グルメスパイザーは8歳以上対象、おかしなフリカケは15歳以上対象。しかし、おかしなフリカケはせんべいもアーモンドも、果ては氷も砕ける。
「複数の菓子をミックスしてスパイス(?)にする」という面白調理アイテムとしての機能もおかしなフリカケに負けている。
さらにおかしなフリカケは定価1260円、大きさも高さ半径共に約90mm前後と片手でも持てるサイズであり、全長約260mmのグルメスパイザーとは比べるまでもなく扱いやすい。
そしてダイソーでは、2パーツで粉砕しながら振りかけられるふりふりチップスという商品が登場。粉砕能力もグルメスパイザーよりもはるかに上である。
あれ?じゃあグルメスパイザーの存在意義って…
発想の是非
「お菓子を使って子供が新しい料理を開発する」というコンセプトは、かつてボンボンで連載されアニメ化もした漫画『OH!MY!コンブ』に近く、子供と料理を結びつける上でド定番である。
また、『トリコ』放映とほぼ同時期にはおはスタ内でお菓子をふりかけにするというコーナーが放送されていたほか(このコーナーでは「ふりかけマシーン」という架空の機械が登場するが、コーナーの最後には実践する際に袋を使うことを推奨している)『トリコ』放送終了から数年後、バンダイは『ポチっと発明 ピカちんキット』の関連商品としてほぼ同じコンセプトの「ふりかけメーカー」を販売しており、グルメスパイザーのコンセプトは決して悪いものではなかったことが窺える。
原作付きアニメでやるにはあまりに販促が浮いていた事(と、やたらテンションが高くて耳に残るCM)が、ネタアイテムとなってしまった主因であろう。
『トリコ』は主人公はじめほとんどのキャラクターが徒手空拳で戦う漫画であり、劇中のバトルと絡めた玩具が非常に出しづらい。
スポンサーがバンダイである以上玩具を売らなければならないので、このようなアイテムを出すことはある程度やむを得なかった面はある。山本正之氏の言葉を借りればアニメは30分のコマーシャルというのも一理あるうえ、実際同じ集英社原作作品には原作に商品化できるアイテムがないためアニメ版で原作にはない変身ヒロイン要素を入れた作品という前例もあるわけだし…
ちなみに『ピカちんキット』の「ふりかけメーカー」は結構売れたようで、『クレヨンしんちゃん』とタイアップしたチョコビカラーが存在する他、同形状ながら中の部品を取り換えた事でグミを作れる「グミグミメーカー」などバリエーションも多い。
また部品数は10点未満とグルメスパイザーの19パーツから大幅に簡略化された。
グルメスパイザーの反省が生かされたのだろうか?
菓子粉砕機業界はバンダイ・タカラトミーの2社寡占かと思いきや、亀田製菓がオトナ向け商品を販売している。
その名も柿の種専用ふりかけマシンFURIKAKIXフリカキックス。グルメスパイザー以上に用途が狭い謎アイテムである。
余談をパッパッパ!
- グルメスパイザーという名称に関してだが、後述するアニメ版のセリフからポータブルスパイス調理器全般をグルメスパイザーと呼んでおり、その中でも特別な形状のものがこの腕型グルメスパイザーである様子。
- 作者の島袋光年の皮肉なのか、「入れるだけでなんでもフリカケにする」というグルメスパイザーの存在意義をクラッシュするマシン「ポケットフードプロセッサー」が原作に登場している。小型ながら刃のついた電動の本格的なものだが、どう見てもミルミキサーである。なお、アニメではこのシーンでも引き続きグルメスパイザーが使用された。
- 発売日と同年の9月16日、テレビ東京の「サキよみ ジャンBANG!」でこのグルメスパイザーを使用した料理バトルの模様が放送されたが、あろうことか他局の番組である「ヒルナンデス」に話題の商品として紹介されてしまった。
- ふりかけメーカーが登場する『ポチっと発明ピカちんキット』の漫画版の作者のおごしゆうがツイッターでグルメスパイザーのパロディイラストを投稿した。
空前のグルメスパイザー!ブーム
いつしかグルメスパイザーは歴史の闇に葬り去られる・・・はずだった。そう、時は流れて2020年の秋、そいつは突如としてブームを巻き起こした!
始まりはこのツイートから。それを皮切りに空前のグルメスパイザーブームが巻き起こった。
グルメスパイザーを小馬鹿にするツイートや、ネタなのか本気なのか大絶賛するツイートがここぞとばかりに大量に投稿され、 メルカリで不良在庫と化していたグルメスパイザーは飛ぶように売れ、 挙げ句の果てには「あの頃買っておけばよかった」とまで言われる始末。
Twitterはグルメスパイザーの宣伝写真やCMのキャプを使ったコラ画像で溢れ返り、
9年前にYouTubeに投稿されたはずのCM動画は1日に視聴回数が数万…酷い時には10万以上も増える異常事態となり遂には100万再生を記録*3、 ニコニコ動画では「グルメスパイザー」と検索すると2020年投稿のグルメスパイザーのCMをフリー素材としたコラMADがこれでもかと並び、 どいつもこいつもポン!クラッシュ!クラッシュ!パッパッパ!するというおぞましい凄まじい事態となった。
まさかの9年越しでグルメスパイザーは再評価された……のか?
2023年7月7日、ムービックよりグルメスパイザーのお昼寝クッションが8月9日まで受注販売開始され、11月17日に発送された。
更にユニオンアリーナにてアニメのスクショはもちろん、実写パッケージまでカード化され、グルメスパイザーのアクリルキーホルダーがXにて抽選5名にプレゼントされた。
なお、グルメスパイザーMADのコメントには「ちなみにトリコは最終回で暴走したトリコを小松が泣きながら調理して連載終了」という謎のコピペが書かれるのが一種のテンプレネタになっている。
ちなみに、このブーム以前にも、他の玩具がネットミームになる現象が起こっている。
2019年には『あたしンち』の玩具「あたしンちグラグラゲーム」を当時の日本の国債である1103兆3543億円というとんでもない売却価格にしたコラ画像が出回ったことがあり、翌20年4月にグラグラゲームのcmを使った音madが多数作られるなど、グルメスパイザーと似たような広まりを見せた。
ブームに近い時期の20年8月には『鬼滅の刃』を元にする玩具「鬼滅の刃 DX日輪刀」が発表され、そのニチアサ感あふれるデザインからこちらもネタにされることに。グルメスパイザーと違い原作のアイテムがモチーフだが、原作の雰囲気に合わない玩具を無理矢理押し進める点は似てるものがある。
グルメスパイザーのブームの発端もこれら別のミームに触発されたものだと言われることがあるが、憶測の域を出ないため実際の原因は不明である。
敢えて挙げるとするならば、かつて『トリコ』のテレビアニメを放送していたフジテレビ系列が同年10月に『鬼滅の刃』の放映権の獲得したことが話題となり、作中におけるグルメスパイザーのゴリ押しに含め『アナと雪の女王』、『約束のネバーランド』等の放送において炎上を引き起こした程の改変が行われてきたことから、「鬼滅の刃におけるグルメスパイザーの再来」というニュアンスの不安の声がブームの一因と考えられる。
どちらもジャンプ作品であるのは偶然だろうか…
開発者インタビュー
2024年2月21日、アニメイトタイムズにて当時バンダイのボーイズトイ事業部にて当製品の開発に携わった野口勉氏、そしてユニオンアリーナの『トリコ』の商品担当である坂口太一氏へのインタビュー記事が投稿された。
野口は企画途中から事業部に異動し、既に設計が固まり金型の制作段階を引き継いだ(開発経緯も把握済み)。
そもそものグルメスパイザー登場のきっかけは当時の東映アニメーションのプロデューサーからグッズと番組連動の企画の話をされた事で、仮面ライダー&スーパー戦隊シリーズなどの成功体験もあってトリコの商品企画がスタート。
最初からグルメスパイザーありきではなく、番組との連動企画の一つだったという。
そして試作品の調整、WEB媒体での説明、パッケージ&取説の制作、CMとTV番組への打ち込みを担当し、後のグッズも当時のメンバーと企画・開発を進めてきた。
コンセプトは「食材やグルメに関わる要素を取り入れ、子供が夢中になってやる事」で、調味料・ふりかけをお菓子の組み合わせで作るグッズとしてこの仕組みとなり、トリコという作品自体の強い個性に負けないようあのデザインになり、それを東映のプロデューサーに気に入られた。
手が開くというギミックも、遊びの中にストーリーを入れたかった為とのことで、実製品がクリアカラーなのはお菓子が粉砕されてる様子を見えるようにする為である。
パッケージ裏の組み合わせ一覧を作るため、野口は300通り以上の組み合わせを昼食で1ヶ月間も試し、東映や集英社からは料理研究科みたいと称された。
いよいよ販売段階に入り、野口は自身も店頭で実演販売した所、野口の実演がウケたのか売上は好調。だが野口が立った店では売れすぎてデータが狂うため、やがて店に呼ばれなくなってしまった。
CMに関しては広告代理店とのやり取りで誕生。グルメスパイザーの遊び方を定期的にやりたいと思ってもらうため、アニメOP「ガツガツ!!」のノリでストレートに作ったとのこと。
ちなみにグルメスパイザーと並行して腕の力こぶでおにぎりを作る玩具の試作品も制作しており、それで作ったおにぎりにグルメスパイザーを組み合わせる事も考えていたが、思ったほどおにぎりが小さかったという。
一方の坂口は『トリコ』の大ファンであり、アニオリシーンを原作とは違う新鮮なストーリー展開を楽しんでいたと回想している。
坂口が入社した時には『トリコ』の玩具展開は終了しており、ユニオンアリーナの話がきた時に我先にと名乗りを挙げた。グルメスパイザーのカードを入れたのも、サプライズ及びグルメスパイザー話題にされがちな事が理由であるとのこと。
関連タグだ!「うまそぉ~~!」
ポチっと発明ピカちんキット:事実上の後継商品である「ふりかけメーカー」が登場
フリカキックス:こちらは一応おもちゃではなく調理器具として売られている
全自動卵割り機:ネット上でネタになった「手で材料を割った方が早い調理アイテム」つながり。こちらは商品化されていない。
ブックらこい〜た:『まじめにふまじめかいけつゾロリ』に登場するアニメオリジナルアイテム、こちらも商品化された。
外部リンク
『トリコ』にグルメスパイザーが登場した理由。開発者が語る誕生秘話【インタビュー】
劇中での(シャカシャカ)活躍(シャカシャカ)
- 10話「無敵の領域を持つ男!その名はサニー!」
「宝石の肉ジュエルミート」編の開幕と同時にグルメスパイザーの歴史も始まる。
黒草にココアマヨネーズ(ココマヨ)をかけて食っていたトリコが更にもう一味足そうとリュックから唐突に取り出したのが初登場。
小松が見たことないポータブルスパイス調理器に戸惑っている間にトリコはまた唐突に取り出した食材スナックくるみをポン!クラッシュ!クラッシュ!してココマヨをかけた黒草にパッパッパ!する。 まず視聴者はポータブルスパイス調理器の原型をしらねぇよ。
するとトリコが「欲しいならやるぞ」「料理人のお前が持ってる方がいい」と小松に渡し、小松は礼と共に「これでトリコさんに美味しい料理を作っちゃいます」と受け取る。
小松が出所を尋ねるとトリコは「知らないけど研究室に置いてあった」と答え、リンが「多分研究中の試作機だし」と補足、ティナが「勝手に持ってきていいの?」と疑問を投げかけたとこでこの回の出番は終了。トリコ、質問に答えろよ。
- 12話「魔のゲーム!デビルアスレチックをクリアしろ!」
いにしえの沼地を越えたサニー&小松組がこれまた唐突に菓子の樹 (「幼児の欲しいものランキング」で5年連続一位になっており、「多くの菓子を付けることから“オークの木”」と呼ばれているという。言うまでもなく、これは「樫の木」の英語名”Oak”とかけた救いようのないオヤジギャグである)というグルメスパイザーの販促のために作られたとしか思えない樹を見つける。ちなみにこの菓子の木、捕獲レベルが8もある。
「たった8じゃないの?」と思われる方もいるかもしれないが、 「殺さない限り死なない」とまで言わしめるほどの生命力を持ち、筋力は直径76mmの鉄筋を割箸のようにへし折るとされ、野放しにしておくとたちまち生態系を破壊するとまで言われているガララワニの中でも特に長寿=強力な個体と全く同じ数値である。
ちなみに捕獲レベル1の目安は「一般的な猟銃を持ったハンターが10人掛かりで仕留められるか分からない」、捕獲レベル5の一般的なガララワニの場合「戦車を出しても仕留められるかどうか」と評される。
ただし「生息地の環境が過酷すぎる」「特定の手順を踏まないと腐る」等、食材への到達、対象との遭遇頻度、及びその収穫を行うこと自体が困難という意味で設定されることも多々あるため、捕獲レベル=強さでは無い。
実際捕獲レベル5の沼蛇は「沼の中に限っては」ガララワニでも迂闊に手が出せないとされているが、強さだけで無く「沼中での発見の困難さ」という戦術的強さが考慮されており、フグ鯨は少しふれるだけで体内の毒袋が割れ食べられなくなってしまう為、捕獲には高度な技術が必須であり、10年に一度の産卵期にしか会えないため希少、産卵に使用される洞窟は捕獲レベル10クラスの猛獣がウヨウヨしていて危険なため、その捕獲レベルはなんと29にものぼるが、毒化しても構わないなら1未満となる。
小松はここでマッシュルームフォレストで採取したフカヒレタケ(ちなみにこちらの捕獲レベルは7)を皿に盛ると、
「腕のパーツを外して、菓子の実を入れます。再び腕のパーツを取り付けたら、レバーをしっかり持って、二種類の実を潰し……(劇中のセリフ原文ママ)」
とやたら丁寧にグルメスパイザーの使い方を呟きながらフカヒレタケに菓子の実のスパイスをかける。
皿を持たされていたサニーが小松に勧められるままこのフカヒレタケを一口食すや否や諸手を上げて「ウメェーーーー!!」「プルプル食感キノコに、二種類の味のオリジナルスパイス!二つの味がより調和してるっ↑!ヤバすぎっ↑!キノコの栄養も豊富だし、いい食材だ!これいい!グルメスパイザー、スバラシー!」と絶賛する。(原作のサーロインキノコのリアクションに近い)
その様子に小松は少し引いていた。お前が食わせたんだろ。
余談だが、この回はあまりに唐突なグルメスパイザーのねじ込みもさることながら、デビルアスレチックでリンがスーパーリラクゼーションやサンダーペパーミントを充填するシーンが妙に美少女戦士モノっぽいところもポイント。
- 15話「強靭なる美学! サニー、男の闘い!」
サニーを残しリーガルマンモスの体内のさらに奥へ進むトリコ一行。
トリコがしばらく何も食べていないことに気付いた小松は、体内に自生していたオレン塩とツクシナモンをグルメスパイザーでスパイス化して何か食材に使ってトリコに食べさせようと考えるが、トリコとリンに急かされそのままに。
少し間を置いての登場だが、出てきただけで何もクラッシュ!クラッシュ!していない。
ここで何か食わせたらスタージュンロボ戦でオートファジー発生しないしね……だがここで登場した食材は17話に再登場する。
- 16話「リン、最期の願い! 覚醒せよ、超トリコ!!」
スタージュンロボの攻撃の前にリンが倒れ、トリコも吹っ飛ばされ、ティナも行方知れずとなり、腰を抜かしてしまう小松。
散らばった小松の荷物の中にグルメスパイザーを見つけたスタージュンは小松が料理人だということに気付き、グルメスパイザーを放り投げる。
その後は原作通りに小松の命である包丁の素晴らしさに興味を惹かれ、それを持ち去ろうとするスタージュンロボに小松が必死の抵抗で覚悟を見せる。
原作ではこの直後に覚醒トリコがスタージュンロボを初の10連釘パンチで破壊するところまで含めてジュエルミート編屈指の名シーンであり、この場面に販促をねじ込んだことは多くの原作ファンの批判を浴びている。
なお、「小松の包丁が存在抹消されグルメスパイザーに取って代わられている」と誤解している視聴者も少なくないが、実際はグルメスパイザーはポイ捨てされてるし、その後の包丁をめぐってのやり取りはしっかり描かれている。
この誤解が広まったのは、グルメスパイザーを捨てられた時に小松がトリコにこれを託された時のサニーの触覚並にうっすい回想シーンが挟まれたせいで、まるで包丁以上の重要アイテム感が出てしまったせいだろう。
しかし、後述するブームの中で、販促をねじ込んだことへの批判より、そんなもの知ったことかと言わんばかりにグルメスパイザーを投げ捨てたスタージュンが悪役なのに良心的に見えるという風潮が広まっている。(料理人的には「物をぶち込めば誰でも同じものが作れる機材=グルメスパイザー」より「物の良し悪し以上に本人の技量が写し出される器具=包丁」のほうが重要なのは当然なのだが)
- 17話「超トリコ、怒りの拳! これが最強の釘パンチ!」
グルメスパイザー発売翌日に放送の回。
ジュエルミートを無事研究所に持ち帰った一行が実食していると、小松がリーガルマンモスの体内から持ち出したオレン塩とツクシナモンをグルメスパイザーでクラッシュ!クラッシュ!する。
このスパイスをかけたジュエルミートを食したトリコは「カーニバルをさらに盛り上げるサンバのリズムのようだ」と評し、その体はさらに強く発光した。
- 18話「DNAに刻まれた味! トリコ、BBコーンを探せ!」
BBコーン編は原作ではトリコとテリーのウージャングル二人旅が描かれていたが、アニメではグルメサミットに出席のロト共和国ドヘム大統領(グルメコロシアムでベイのGTロボに成り代わられてた人)をホテルグルメで接待すべく食材を探しに小松がウール大陸に向かうサブストーリーが追加されている。なんやかんやでココにサニーにティナにゾンゲも出てくる。
そして既に玩具が発売されてるグルメスパイザーも怒涛の販促を見せる。
冒頭、ホテルグルメでのシーンに登場。トリコからもらった特別なものと聞かされた小松の部下は驚き、ツクシナモンとパルメ山椒のスパイスをかけた霜降りの豚肉、霜降り和ブーのソテーにウーメン梅田もイャンパクトが増したと喜んだ。 それってトリコが勝手に持ってきたんじゃないの?それに関して何の言及もしなくていいわけ?
さらにココとの別れ際の回想で「きっとそれが役に立つだろう」と助言されたことで重要アイテム化する。んなわけねーだろ。
というか小松の力量的にこんなもん無くても素で同じことができるので…
- 20話「テリーの為に! 灼熱で弾けろ、BBコーン!」
ティナと共にIGOのヘリでウージャングルに来て、たまたま先に来てたゾンゲとその手下たちと合流した小松。
採取した明太小麦を持参したパルメ山椒とクラッシュ!クラッシュ!してみたが、味見したゾンゲが悶絶するほどに辛い失敗作になってしまった。
しかし猛獣アロエリマキトカゲに襲われた際に口の中でこのスパイスをパッパッパ!したことでアロエリマキトカゲは小松を吐き出し九死に一生を得る。
ついに戦闘面にも出しゃばってきた。
この時のクラッシュ!クラッシュ!しながら「特製旨辛スパイスー!」と必殺技のように叫ぶ小松はややシュール。
- 22話「狂気の圧力! グリンパーチ対トリコ!」
ドヘム大統領の好物バブリートロにかけるスパイスとして、ウージャングルで採取したウールスターソースの実と、トリコが持ち帰ったウール火山灰をクラッシュ!クラッシュ!
この一品により接待は成功、法案が無事に可決したことで、グルメスパイザー主役回とも言えるアニメ版BBコーン編は幕を閉じる。
- 23話「食事の遊園地! 満腹都市グルメタウン!」
トリコがグルメタウンの屋台で串ごと買った怪鳥ゲロルドのケバブに、小松がウールスターソースの実をパッパッパ!したことで、トリコは屋台と同じくらいのサイズという原作よりはるかに巨大なケバブ串をあっという間に完食してしまった。
大きさから考えたら絶対スパイスの量足りてない。
また、同話でようやくグルメスパイザーが世間に流通したらしく、グルメタウン内に存在するグルメデパートでは大量のグルメスパイザーが商品として山積みとなっていた。誰も買わないのか…
また、美食人間国宝であるセツ婆がメルクの星屑を砕く際にグルメスパイザーを使用している。
これによりグルメスパイザーは美食の頂点に位置する料理人すら認める調理器具であることが証明された。スタージュンは投げ捨てていたって?知らんよ。少なくとも彼の主人はこんなもんで作ったモノは食い飽きているだろうし…
そしてこの後25話「出会いの酒場! 群雄割拠の美食屋達!」から新アイテム「グルメスティックセンサー」の販促期間に入りグルメスパイザーは姿を消した。
一応、71話など忘れた頃にちょっと出てきてはいるが……
これもまた批判の対象であり「あんだけ捩じ込んだなら最後まで一貫させろ」「重要そうにしといて見向きもしてないじゃないか」「仮にも調理器具なのに小松たちが急に興味を無くしたように使わなくなるのはキャラ的におかしい」など散々言われている。