概要
グレートピレニーズ(Great Pyrenees)は犬種の一つ。
日本とアメリカ合衆国での名称で、それ以外の英語圏ではピレニアン・マウンテン・ドッグと呼ばれる。
フランス・スペイン国境のピレネー山脈原産。山岳地帯で羊や山羊を飼う牧場において、家畜を狙う狼や熊などの外敵から、家畜と人間を守る護衛任務用に発達してきた犬種である。
オスの成犬ならば体高80cm、体重60kg、後ろ足で立って伸び上がれば人間の成人男性ほどの高さにもなる超大型犬。
凶暴な野生の肉食獣を追い払う任務の中で発達した犬種だけに、外敵を威圧する大きな身体と、山岳地帯を駆け回るがっしりした強い四肢を持つ。自分と主人のテリトリーを守ろうとする警戒心・防衛意識も強い。広い放牧地において、主人の目の届かない場所でも独自に外敵を警戒し、時に主人の命令を待たず自らの判断で追い払う必要もあったことから、思考力・自己判断力も高い。
体毛は真っ白が基本で、褐色や灰色が入る場合もある。耳は垂れ耳。
現在では、雄大な体格を持ちつつも愛嬌のある顔つきや、白く長いモフモフの毛が好まれ、家庭犬として飼育される。正しく育成されれば落ち着きがあって穏やかであり、小さく弱い存在を守ろうとする性質から人間の子どももよく面倒をみて、遊び相手になってくれる。
ただし、巨大な体格に見合った食事量に加え、広い放牧地を駆け回ってきた犬種だけに豊富な運動量も必要。さらに寒い山岳地の犬だけに日本の暑さにはめっぽう弱く、夏以外でも室内で冷房が必要なほど。耐寒のために発達した長く密生した毛は、ブラッシングもまめに必要で抜け毛もすごい。大型犬ならではのパワーも備えているため事故が起こらないよう注意が必要だが、高い判断力や自我をもった犬種のため、しつけには犬の自尊心を損ねないようなバランス感覚も求められる。
総じて、十分な環境と犬に対する経験知識を持った飼い主向きの犬種である。
グレートピレニーズのキャラクター
- ジョリィ(『名犬ジョリィ』)
雄。元の飼い主の虐待から逃げ出し、人間に害をなしたために「魔犬」と忌み嫌われる野犬になっていたが、主人公の孤児セバスチャンと出会い、大切なパートナーとなる。
雄(と思われる)。ちよちゃん(美浜ちよ)の飼い犬。飼い主曰く「人間ができている」おとなしい犬で、猫との相性が良くない榊さんにも優しい。ちよちゃんを背中に乗せて歩けるほどのパワーがあるが、飼い主が小柄なこともあって勢い余り吹き飛ばしてしまうことも。
- マリリン(『動物のおしゃべり』)
雌。主人公ミカちゃん(ふじの美伽)のお兄ちゃんの彼女・田崎の飼い犬。ふじの家の飼い犬タロー(秋田犬)に想いを寄せ猛アタックをかけているが、タローよりも体格で勝るため勢い余ってしょっちゅう吹っ飛ばしたり押しつぶしたりしてしまう。
雄。正確には作中では犬種の設定はされていないが、グレートピレニーズをモデルとしたことを作者が認めている。老犬だが、実は動物実験により未来予知の能力を得た超能力犬。読心術の能力を持つアーニャにその力を知られて興味を持たれ、フォージャー家に物語途中から飼い犬として迎えられた。