概要
原作者である石川賢逝去後に別作者が執筆した初のゲッターロボ漫画で、漫画版『ゲッターロボ號』の続編にあたる。神隼人や敷島博士などお馴染みのキャラクターも登場するが、サーガ最終作『ゲッターロボアーク』との時系列的な前後関係は不明(番外編などでパラレルワールドという可能性も示唆されている)。
『アーク』と同様、連載誌の休刊という形で完結を迎えてしまったが、単行本描きおろしの最終回でラスボスとの最終決戦は最後まで描かれている。
ストーリー
世界各地がプロフェッサージャコフの操る「植物獣」の侵略に晒されている時代。
植物獣に家族を殺された元一般人の少年・竜牙剣、ジャコフとその息子との因縁を持つ少年・天草弾、植物獣に操られた師を殺して死刑判決を受けた少年・鋼轟鬼の三人は、神隼人率いる早乙女研究所が開発したゲッターロボに乗り込み、植物たちと戦っていく。
登場人物
ゲッターチーム
ゲッターロボに搭乗する、本作の主人公達。メンバー全員が、ジャコフの手によって大切な人を奪われたという共通点を持つ。
竜牙 剣
ゲッター1のメインパイロット。目の前で父親と友人達を植物獣に取り込まれたことで、植物獣の生みの親であるジャコフのことを「ヒヒジジイ」と呼び憎んでいる。メカの扱いに長けており、火炎放射器を自作したり、マニュアルに一度だけ目を通しただけでゲッターの操縦法をマスターするほど。植物獣に侵食されたD市に1ヶ月もの間、自作の火炎放射器で植物を焼き払うことで生き延びていた。マニュアルに目を通しただけでゲットマシン1号機を操縦し、父親達の仇を討つことで初陣を飾った。その後、敷島博士の下で一週間の訓練を受け、正式にゲッターチームの一員となった。
天草 弾
ゲッター2のメインパイロット。白髪が特徴の美少年。元科学者であり、同じく科学者である父の助手をしていた。余命間もない母親を助けるための鍵となる緩和細胞パリアティブの研究をジャコフとマニウスの援助で進めていたが、ジャコフの陰謀によって目の前で両親を殺されてしまう(そのショックで元々は黒かった髪が白くなってしまった)。その後、駆け付けた隼人に救われたことで早乙女研究所に身を寄せ、ゲッターのパイロットとなった。
鋼 豪鬼
ゲッター3のメインパイロット。小太りの体型と辮髪が特徴の拳法家。今では穏やかな性格だが、かつては生まれてすぐに教会の前に捨てられていたという生い立ちから力のみを求める、獣のような性格だった。「鬼」と呼ばれる最強の拳法家の元へ道場破りをした際に師匠との勝負に敗れ、弟子入りし、修行の日々を送っていたが、ジャコフの手によって植物獣となったしまった師匠が道場の仲間達を皆殺しにしてしまい、止むを得ず師匠を倒してしまう。その後は植物獣のことを信じて貰えず、道場を全滅させた犯人として死刑を言い渡されてしまうが、隼人からスカウトされたことで死刑を免れ、ゲッターのパイロットとなった。
早乙女研究所
神隼人
初代ゲッターチームの生き残りにして、早乙女研究所の現所長。剣からは「神さん」と呼ばれている。パイロットととしては引退しているが、緊急時には初代ゲッターロボに搭乗する。
敷島博士
研究所の武器担当のマッドサイエンティスト。ゲッターロボアークと同様、全身を武器の塊であるサイボーグへと改造している。本作では、ゲッターの武器を必要に応じて研究所から射出する役割も担っている。剣の訓練の教官も担当していたが、剣曰く「訓練よりも美しい敵の殺し方講座しかしなかった」らしい。
その他
ロザリオ
アメリカ軍所属のエースロボット「エクスカリバー」及び「エクスカリバーⅡ」のパイロット。剣からはヤンキー呼ばわりされている。当初は植物獣に吸収され、それを殺したゲッターチームを仇として憎み狙っていたが、後に彼らの過去を知り、和解した。
植物
プロッフェッサージャコフ
本作の悪役にして、植物獣による惨劇を起こした黒幕。本人が言うには、「世界征服を目論んでいるわけではなく、進化した植物達の意思の下で行動しているに過ぎない」とのこと。剣から「ヒヒジジイ」と呼ばれるほど、皺だらけの醜いサル顔が特徴。息子でもあるマニウスのことを単なる道具と見下しているが、最終決戦ではマニウスの裏切りによってナイトメア諸共、ゲッターガイアの心臓にされた。
マニウス・ジャコフ
ジャコフの息子で、幹部を務める。しかし、父であるジャコフからは道具と見下されており、自身も父のことをあまり良くは思っていない。眉毛が無く、剣からは「マユ無し」と呼ばれている。異常なまでのマザーコンプレックスで、病死した母ローズを生首の状態から蘇生させようとしていただけでなく、近身相姦の関係もあった。かつては弾と共に、緩和細胞パリアティブの研究を進めており、母を救いたいという同じ志から弾とは仲が良かった。最終決戦ではジャコフを殺し、ゲッターガイアを起動させる。その際、全裸で空中を浮遊し、ゲッター2のドリルを受け止めるなど、超人的な能力を発揮する。ゲッターロボ飛焔へと進化したゲッターとも互角の戦いを繰り広げるが、母であるはずのガイアから「ゴミ」と邪魔者扱いされ、ガイアの放ったゲッタービームを浴び、消滅してしまった。
ゲッターロボ
プロトタイプ・ゲッターロボ
3機のゲットマシンが合体して完成する戦闘ロボット。真ゲッターロボの汎用機として開発されたため、真ゲッターに似た外見となっている。作中では単に「ゲッターロボ」あるいは「ゲッター」と呼ばれる。ゲッター炉とプラズマ炉の二つによるハイブリッドパワー駆動だが、7話まではゲッター炉の調整が難航していた為、プラズマ炉のみで稼動していた。最終決戦でゲッターガイアのゲッタービームを相殺するためゲッタービームを連射し、その反動で半壊するが、ゲッター線の意思で進化しゲッターロボ飛焔になる。なお、本稿では単行本1巻の設定資料集にしたがって、プロトタイプ・ゲッターロボと表記するが、2巻目の設定資料集ではゲッターロボと表記されていた。
ゲッター1
1号機がメインとなる形態。飛行能力を有する。戦闘では腕に仕込まれたガトリング砲や鉤爪、真ゲッターのゲッターサイトに似ているが、両刃になっているゲッタートマホーク、オプションとして大型ガトリング砲などを使用。ブースターと巨大なゲッタートマホーク、巨大ビーム砲や各種重火器が一体化した武装コンテナを装備した事もある。必殺武器は両肩アーマーに内蔵された砲からプラズマエネルギーを発射する「プラズマノヴァ」だが、一度使用すると1分間のエネルギーチャージが必要になる。ゲッター炉心の稼働後は右肩の砲がゲッタービームに換装されており、ゲッタービームとプラズマノヴァの同時撃ちも幾度か描写されている。
ゲッター2
2号機がメインとなる形態。高速戦闘を得意とし、飛行も可能。戦闘では右腕のドリルを武器として使用する。9話からドリルの形状が変わり、ドリルに付いているビットを展開して回転することで大規模なドリルアタックが可能となった。その威力は全長数kmのゲッター線採取アンテナである「棘」を内側から貫き破壊するほどである。
ゲッター3
3号機がメインとなる形態。全身にミサイルを装備しており、これを一斉に放つ「ナパームレイン」を必殺技とする。また、この他にも2話の描写から、背中にはキャノン砲とバルカン砲が一体化した砲や指にも火器が内蔵されており、他のゲッター3系の機体に比べ、水中戦よりも砲撃戦に特化している傾向がある。9話にて「天地轟壊」と言うアームを使った必殺技を使用した。劇中でゲットマシン単体での変形を行った唯一の機体でもある。
ゲッターロボ飛焔
ゲッター線の導きによりプロトゲッターが進化した姿。左右が非対称で顔も凶悪になっている。ガイアのゲッタービームをストナーサンシャインに似たビーム球で相殺するなど、戦闘能力も桁違いである。この状態で分離合体が可能かどうかは不明。
また、戦闘時にはゲート(『アーク』に登場した亜空間固定装置ゾルド、あるいは時空間超越機スターボーダに酷似した物体)が出現することがあり、その影響で別の宇宙へ飛ばされる事もある。
最終決戦時ではゲッターガイアとの死闘の末、出現したゲートの崩壊により行方不明になるが、剣たちと共に別の宇宙に飛ばされ、そこで戦い続けていると思われる場面が描かれている。
「終着点」でもゲッター炉心の起動に伴い一時的に進化したが、戦闘終了後は元の姿に戻っていた。
初代ゲッターロボ
かつて恐竜帝国との戦いに使用された、初代ゲッターロボ。通常は研究所内に保管されているが、緊急時には隼人の操縦で出撃する。本作では隼人が乗っているゲットマシン以外は自動操縦。プロフェッサージャコフが操る植物獣・ナイトメアから放たれたビームをゲッタービームで相殺した隙をつかれ、ゲッター炉を奪われてしまう。ゲッター3形態は未登場。
ゲッター1
イーグル号(1号機)がメインとなる形態。本来はゲッターの基本形態だが、本作ではメインパイロット不在のため、ゲッタービームを放つ時のみ使用される。デザインは漫画版よりもアニメ版に近い。
ゲッター2
ジャガー号(2号機)がメインとなる形態。本作では唯一のパイロットである隼人がもともとメインパイロットとして使用していた形態のため、本作ではこちらが基本形態として使用される。こちらは漫画版に近いデザイン。
ゲッターエンペラー
「終着点」に登場。惑星より遥かに巨大な謎のゲッターロボ。そのパイロットの言葉によると、エンペラーが存在する時間は「人類がたどりつく一つの終着点」らしい。剣をして「宇宙を食いつぶしている」と言わしめるほどの凄まじいパワーを持つ。
関連項目
バグ(ゲッターロボ) - 番外編に登場。
偽書ゲッターロボダークネス ゲッターロボDEVOLUTION - 別作者によるゲッターロボ漫画