本項目はテレビアニメ『ゴジラS.P』に関する重大なネタバレを取り扱っております。
アニメ鑑賞前の閲覧は初見の楽しみを大きく削ぐ可能性があります。
以上を踏まえ、閲覧は十分注意して行ってください。
概要
太平洋の深海から現れた超巨大生命体で、後に「ゴジラ」と名付けられる存在の第0形態に当たる。
赤い表皮のクジラのような巨大な胴体に、進化途上のような鰭状の四肢など全体的にはモササウルスやティロサウルスをはじめとする太古の海生爬虫類を彷彿とさせる外観をしており、背中には1列の植物の葉のような背鰭を備えている。だが、何よりその触角状の角と鰭のあるワニみたいな頭部や長大な尾の先にある水かきのある指のような尾鰭は過去のゴジラシリーズに登場した赤い海棲恐龍と酷似したものとなっているのが特徴。
劇中での活躍
後に"紅塵"と呼ばれる赤い粒子を纏いながら深度900mの海中を50ノット(約26m/s)で潜水艦の後を追うように出現、その後その潜水艦は行方不明となったとされる。
その後東京湾に進撃してきた海棲怪獣マンダの群れを追跡するように海面に浮上。マンダを迎撃していた松原美保の乗るイージス艦を軽々と飛び越えていった。
そのまま隅田川を遡りながらマンダの1体を追い込む形で遂に東京に上陸し、尾びれをビルに叩きつけたりしながら打ち上げられたマンダを喰い千切り、その直後に紅塵の中で全く別の怪獣の姿へと変化した。
余談
名称にある「アクアティリス(aquatilis)」とはラテン語で「水生の」という意味。
アニメ放送後に公式サイトにて名前も隠された状態のシルエットが公開され、別々に映っていた事から別の怪獣と考えられていたのだが、時を同じくして公開されたムービーモンスターシリーズのソフビ情報にてこの名称が発表された。
ゴジラアクアティリスがマンダの群れを追うようにして出現したのは『三大怪獣地球最大の決戦』にてゴジラがクジラの群れを追って出現したことのオマージュだと思われる。
また、初登場時にて潜水艦を襲ったのも『ゴジラvsキングギドラ』や『GMK』、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ東京SOS』のオマージュとも考えられるほか、7話にて通過した橋は『初代ゴジラ』が上陸時に通過した橋と同じである。またチタノザウルスも『メカゴジラの逆襲』の冒頭で潜水艦を一隻沈めている。
「超巨大」と表記されているが、これは先に登場した他の怪獣たちがたいして大きくないというだけではなく、実際に劇中で海上自衛隊の戦艦(イージス艦)を飛び越えたシーンからのサイズ比推定で全長300m以上はある模様。
その後「宇宙船Vol.173」にて掲載された監督の高橋敦史氏のインタビューによると、鰭状の足は「最初は海から来る」ため自然と水中で過ごしやすい海の生き物っぽい形のデザインになったことが語られている(チタノザウルスの意匠は怪獣デザインを担当した山村氏によるもの)。
また、初期案では「クラゲのような生態の生物が起源となりベニクラゲのように若返りを続けていく際に何十年~何百年ごとに刺激が与えられると突然変異して巨大化していく」案や、「シラスみたいなものから魚のような形になり進化を辿る」案もあったが、シラスだと迫力がないためクラゲ形態を考えたもののそれも結局は没になり、その名残として「葦原道幸が研究していた紅塵を含んだクラゲのような生物」の設定が登場したほか、この時にドゴラを出す案もあったという。
関連タグ
蒲田のあいつ:水棲の前形態(?)繋がり。
同じシークレット要素だが、あちらが徹底的な情報統制で隠し通したのに対し、アクアティリスは1怪獣として登場させ、ゴジラとは無関係の怪獣を装わせるミスリードと、その隠し方は対照的と言える。