CV.井上和彦
CV.井上和彦
概要
千葉県逃尾市の電波観測所「旧嗣野地区管理局」、通称・ミサキオクを創設した初代所長。
作品発表時のキャラ達が並ぶビジュアルの中で唯一、後ろ姿の人物がおり、それが葦原とされる。
物語本編では数十年以上前の人間で消息不明なため、作中では名前や写真などでしかほぼ登場せず、最終回の過去の描写で、研究に勤しんでいる描写で僅かに登場。その際に、ほぼ一言か二言のみ発言した。
第1話で有川ユンたちが怪奇現象が起こる洋館を調べたが、そこが葦原の家とされ、その洋館に描かれたレリーフが後に神野銘が関わる合弁会社シヴァ共同事業体のマークと似ている。
後の同施設の職員となった佐藤隼也の調査によると「表向きは新種のクラゲの研究を行っていたが、同時に施設の地下に眠る恐竜のような巨大生物の骨も研究していた」、「ミサキオクと同時期に後にシヴァ共同事業体の原型となる組織を設立していた」ことが判明している(洋館の家紋とシヴァのマークが似ていたのはこれが理由と思われる)。
かつてミサキオクにあった漁村で生まれ育ったが、今から80年前に紅く染まった海から現れた巨大生物によって村が壊滅され、戦後の混乱によってその記録や記憶が忘れられてなおその生物の骨を探し続け、軍が討伐し管理していた骨を封印していた施設ごと買い取ったのち、電波を放つ骨の研究・監視を行う電波観測所を創設したとされる。
実は彼こそが李桂英およびベイラ・バーンが現在研究している「アーキタイプ」の最初の発見者であり、かつて体内に未知の元素を含んだ新種のクラゲを発見し、そのクラゲが内包していた元素こそ後に紅塵と名付けられるもので、そこからアーキタイプの存在に行き着いた。
それからミサキオクの創設および何かアーキタイプ研究に纏わる企業の設立に携わるも、その企業はしばらくしてシヴァ共同事業体に買収され、その後はイギリスのロンドンに移り住んだが、劇中から50年前にインドの子守唄「ALAPU UPALA」に導かれるようにしてウパラの地底湖で特異点「シヴァ」を発見。それを用いた超時間計算器を発明するが、その起動テストで未来に起こる「破局」を先取りしてしまい膨大な情報量による計算爆発に巻き込まれて以降、行方不明となっている。
海外にはかつて彼が執筆した「葦原論文」なるものが残されており、その内容は極めて観念的で理解不能だったことから多くの研究者がその解読に何年も費やしたとされる。アーキタイプの研究に関しては李やBBよりも遥かに先を進んでいたようで、アーキタイプの持つ性質とその作用もだいたいのことは彼が既に確認、立証済みであるといい、アーキタイプが引き起こす物理現象は彼の名を取って「葦原カスケード」と名付けられている。
イギリスに移住した後も引き続きアーキタイプの研究に携わり、さらに自身がインドで発見した「特異点」の性質を応用した超高次元演算機なるものを作り上げ、その計算機を用いての高度かつ多角的な未来予測を実現していたようだが、この未来予測は試行を繰り返す度に別の結果を算出していたことから、それらの事象を「破局」と定義してその原因の解明も進めていた。やがてその破局の事象が単純な計算式の破綻というだけなく、何時の日か実際に巻き起こるであろう現実的な未曾有の大災害にも繋がるものと推測していたという。
また、アーキタイプの研究の一つの到達点として、13まであるという紅塵の状態の中でその最終段階に当たる“フェーズ13”の性質を利用したアーキタイプの完全制御ないし無力化を可能にする究極の技術「オーソゴナル・ダイアゴナライザー」にも行き着いていた。
加えて数十年前には将来的に紅塵から全く新しい生物(=怪獣)が誕生し、それらによる災害も予期していたようなことが示唆されている。
余談
※ネタバレ注意!
以降にはゴジラS.Pの重大なネタバレが記されています。
最終回で生存が判明。
謎の建造施設にてマイケル・スティーブン、海建宏とともに想像を絶するものが建造されていく様子を共に見上げ、彼が狂気的な微笑みを浮かべたところで物語は幕を下ろす。
先述のように80年以上前の人間であり、2030年代辺りなら老衰あるいは天寿を全うしてもおかしくないのだが、その姿は不気味なほどに当時とほぼ変わっていない。
これは特異点と接触し続けた影響か、または何らかの要因なのかは不明。
また生存していながらアーキタイプの研究・実用化が全く捗っていなかったなど、記録の残されていない間の動向や意図にも不明な点がある(超時間計算器の起動テスト時の事故で未来=作中の時代に時間転移した可能性もある。作中では時間転移で過去にデータを送る事は実現出来ていた)。
しかし、後に発売されたDVDのオーディオコメンタリーの中で、「その男は葦原ではない」という旨の説明があり、結局この人物は何者だったのかはいまだに謎のままである。