演:岡本喜八(※岡本氏はすでに故人のため、写真のみの登場)。
概要
生物学者でありながらエネルギーに関する研究にも携わっていたと言われている。
放射線病で最愛の妻を失っており、妻を殺した放射能と放射能を生み出した人類、そして妻を見殺しにした日本という国家を憎んでいたとされ、やがて学会から半ば追放される形で日本を離れ単身渡米した。
その後、米国の“DOE(アメリカ合衆国エネルギー省)”に移るが、そこで海に投棄された放射性廃棄物による超高濃度の放射線環境下で生息する新種の海洋生物が発見されたとして彼がその生態調査を担当する事となり、その生物の放射性物質を摂取して己のエネルギーとする特異な生態を知った彼は故郷の大戸島に伝わる神の化身「呉爾羅」の名から「ゴジラ/GODZILLA」と命名した。
これ以降長年に渡ってゴジラの研究を進めていくが、ある日突然ゴジラのデータの一部を暗号化して一枚の用紙にまとめると、それを持ってゴジラが出現する7日前に日本に戻り、プレジャーボート「グローリー丸」で東京湾に出るや、その暗号資料と「私は好きにした、君らも好きにしろ」という遺書のような文章を残し、海上の「グローリー丸」から忽然と姿を消した(現場の状況から、恐らく船上から投身自殺したものと推測される)。
この牧の存在は彼を追う形で来日したカヨコ・アン・パタースンによって巨災対の矢口蘭堂に伝えられ、彼の残した上記の遺留物も海保が回収しており、そのまま巨災対にゴジラ対策の資料として提供された。
暗号資料に関しては解読に当たった間准教授曰く「観念的な文様、曼荼羅にも近い」と言われるほど極めて難解なものだったが、実はこの暗号は書かれている用紙を折り紙のように特定のパターンで折り曲げることで読めるようになるというトリックになっていることが判明し、遂に暗号の解読に成功する。それによって得られた情報は国内外のスパコンを使って解析され、その結果資料に記されていたのはゴジラの細胞膜の働きを抑制する極限環境微生物の分子構造であることが判明、それを応用すればゴジラの元素変換機能を無力化できるとし、矢口達の進めていたゴジラの血液凝固による凍結計画矢口プランは完全なものとなった。
また、以前はもっと小型だったというゴジラが短期間で巨大怪獣へと姿を変えたこと、ゴジラの最初の出現地点が彼が乗っていたグローリー丸のすぐ近くだったことから、彼がただゴジラが来るのを待って海に身を投げたのではなく、ゴジラに遺伝子操作など何かしらの手を加えてゴジラが巨大化するよう仕向けたという可能性もあり、その上で日本という国が、しいては人類全体がゴジラに対してどう出るのかを試すという意味で、ゴジラに関する資料と上記の「私は好きにした。君たちも好きにしろ」という言葉を残したのではないかと矢口は推測している。
後に出版された「ゴジラ幻論」にて、やはり第0形態のゴジラに遺伝子操作を施したことを記述する、彼が手記したメモが劇中の政府の調査によって発見されたことが記されている。
余談
本作の監督である庵野秀明は彼の近影写真として使われた岡本喜八の大ファンであり、本作においても岡本監督の映画に近い演出が多用されていると言われている。
ゴジラシリーズでは「まき ごろう」という名のキャラクターは過去に『ゴジラの息子』の真城伍郎、『84ゴジラ』の牧吾郎と2度登場しているが、どういった意図で3度目の登場をさせたのかは不明。
上記の2人には報道屋という共通点がある。