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大河内清次

おおこうちきよつぐ

『シン・ゴジラ』に登場する内閣総理大臣。周りの意見に流されるが、危機を前にして徐々に指導者として頭角を見せ始める。メイン画像右の人物
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「今より、武器の無制限使用を…許可します!」

俳優:大杉漣


概要編集

シン・ゴジラ』に登場する日本の内閣総理大臣。秋田県出身という設定。


物語序盤から中盤にかけて政権運用並びにゴジラ対策に迫られた。


決断力に欠けるきらいがあり、度々周囲の閣僚や御用学者らに意見を聞き、同時に周りの閣僚に流されやすい面もある(あくまで、ゴジラという巨大不明生物の対処に限定した場合とも言える)。


だがその一方で、国民の事を大事に思うのは政治家として変わらず、前例のない巨大不明生物ことゴジラを前にして、徐々にだが指導者としての頭角を表し始める。



※以下、「シン・ゴジラ」のネタバレを含みます。







































本編での活躍編集

ゴジラ初上陸まで編集

当初は一国の首相としては決断力に欠ける面があり、同時に閣僚たちの意見に流されてしまう所も多くみられるなど、有能政治家とは程遠い所が散見された。


ゴジラという現実的には有り得ない生物を前にして対応を迫られるものの、有識者(御用学者)の意見は参考にならず、さらには尾頭ヒロミ「上陸する可能性があります」という忠告をしたにもかかわらず、政府の信頼する側の情報“自重で潰れて死ぬ”を信じて記者会見を行う。


しかし、ヒロミの忠告通りにゴジラが上陸してしまい、その報告をいち早く耳にした彼も思わず「え、蒲田に!?」とテレビ報道の前で素で驚いてしまう。会見時はスタッフ側で作成された文書があったものの、「それでは国民が安心出来んではないか」と彼なりに思っての発表だっただけにそれが裏目に出てしまった。


尤も、自重で潰れて死ぬというのは極めて常識的な理論であり、むしろヒロミの自重を支えている・上陸する可能性がある、と言う推測の方がどう考えてもあり得ない為、致し方のない処ではある。


※例えば、浜に打ち上げられた大型のクジラは自重に耐えられず短時間しか生きられない。


初上陸後編集

東京を目指すゴジラを迎撃すべく、防衛大臣などから自衛隊を出動させるべしとの具申を受ける。


戦後初の防衛出動とだけあり、相当に悩む(官僚からも総理は渋ると見透かされている)が、ようやく許可する。都内での実弾射撃に難色を示していたものの、被害を抑えるためにも致し方なく武器使用許可を下す……が、逃げ遅れた老夫婦が射程内に居る事が発覚し、大河内首相は自衛隊の弾を、国民に向けることは出来ない!」と作戦中止を言い渡した。この辺りから彼の印象が変わり始める。


……ただ、万が一にも自衛隊の攻撃で自国民に被害が出れば、内閣どころか自衛隊の存続にする関わる重大な問題に発展しかねない為、保身・政治的判断と言えなくもない。


ゴジラ東京来襲編集

2回目の上陸にも自衛隊に対して迎撃することを命じる。前回の経験から、避難完了の報告時にも「今度は本当だろうな?」とついつい念を押してしまうが、およそ倍の体格に巨大化したゴジラを前に理想を飲み込み、攻撃を許可する。

ところが作戦実行を決断し、ついには武器の無制限使用まで許可したものの、進化して強化されたゴジラの圧倒的な生命力により、結局は迎撃失敗に終わる。その後も東京へと進撃を続けるゴジラに対して米軍による爆撃が提案される。大使館防衛のために既に出撃していた3機のステルス機B-2の爆撃範囲は極めて広くそれに驚愕してしまうが、止む無く都民の緊急避難を指示。


ゴジラが迫り、米軍機の爆撃時間も迫る中、日本政府首脳陣も避難して別の場所で指揮することとなる。なおこの時、大河内首相は「都民を見捨てて避難など出来るか!」と反発したり、「私には、この作戦の成否を見守る義務がある!」と指導者としての責務を果たさんとしていた。結局は「今後も日本を守らねばならない」と他の閣僚からの強い説得を受けて止む無くヘリで避難することを決意する。


地獄絵図編集

米軍による爆撃が敢行される所を首相官邸からちょうど見守る形となった大河内首相は、バンカーバスターの投下でゴジラにダメージを与える事に成功したのを見るや、勝利の可能性を見出した。が、ゴジラにここぞとばかりに本作初の放射線流を放たれる事となる。


最初は紫色に発光する様に「何をする気だ!?」と戸惑いを見せつつも、早急にヘリへ搭乗した。直後、先ずゴジラの口から黒煙が吐き出され辺り一帯を蒸し焼きにし、その後に紅蓮の火炎放射を放って焼き払った。


さらには、超高熱からか紫色のビーム状に変化したそれは、遥か上空のB-2を撃墜してしまうだけでなく、背後から襲い掛かろうとした残り2機も爆弾ごと背鰭からの放射で全弾・全機撃墜してしまったのである。そして、悲劇はこれに止まらない。


むらさきの息吹

首相らも危険を感じ急ぎヘリによって避難を開始したが、ここで唐突に放射線流がヘリコプターを直撃、首脳陣も纏めて葬り去ってしまった。それはあまりにも唐突過ぎる死であり、多くの観客が「息を呑んだ」と呟くほどの名場面となっている。文字通り、誰もが死ぬ瞬間の阿鼻叫喚を上げる間もなく即死したのである。


余談編集

倒せた可能性編集

札幌で行われた発声可能上映での島本和彦氏の話によると、ゴジラ第3形態の時(ヘリからの攻撃を中止した時)に攻撃していれば、まだ皮膚が柔らかかったので通常兵器で倒せたと庵野秀明監督が食事で言っていたとのこと。


未使用シーン編集

ちなみに劇中では、徐々にだが指導者としての自覚と責務を新たにし始めていた大河内首相だったが、実は特典映像中には本編の彼からは想像もつかない場面も収録されていた。それはタバ作戦が失敗に終わった時の事である。劇中では、失敗したことを防衛大臣から告げられ、「作戦を終了する」と閣僚一同に呟いたところで場面が作戦前方指揮所に移るのだが、未使用シーンではこのような流れがあった。

「考えてくれ…皆で…力合わせて!考えろよぉ!」

「生きたいんだよぉ…生きたいんだよ!」

「生きようぜおい、生きようぜおい!!生きようよなぁおい…何やってんだよぉ!」

と、本編の彼の印象から真逆のギャップを放つ取り乱し振りを見せていたのである。


もっとも彼の反応も当然とは言えば当然のことで、頼りにしていた自衛隊でさえどうにもならず、もはやゴジラに蹂躙されるだけの恐怖の結末を突き付けられれば、誰しも取り乱してしまっても無理はないわけだが。


結局、放映時間も相まって未使用とされたが、その後の政府機能を移行する際の残留の決意を矛盾させてしまいかねない恐れがあったため、この場面をカットしたのはある意味で正解だったとも言える。



紅白歌合戦編集

2016年12月31日のNHK紅白歌合戦において、シン・ゴジラとのコラボ企画が放映された。この時、彼も見事に復活を果たした。


無論、映画本編とはパラレルな世界観だが、本編で凄惨な最期を遂げた大河内総理の復活にはファンから喜びの声が上がった。


関連タグ編集

シン・ゴジラ 大杉漣

蒲田のあいつ 内閣総辞職ビーム

内閣総理大臣

菅直人:大河内のモデルとなった人物。

菅義偉:現実の日本において、秋田県出身の人物としては初めて内閣総理大臣に就任した(2020年9月16日〜2021年10月4日)。

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