概要
クワガタムシ亜科に分類される属の1つ。
おもに南アメリカに生息しており、同じ属に入れられることが多い2種はオーストラリアに生息している。
和名の通り、前翅に皺が寄っている種類が多い。
クワガタムシ亜科の中ではチリクワガタと同じ族であるChiasognathiniに分類されており、見た目も相まって近い関係にあることが分かる。
また、オーストラリアに生息している Australognathus という属は、シワバネクワガタ属の亜属として分類されることが多い。
シワバネクワガタの仲間が南アメリカとオーストラリアと海を挟んだ両地域に生息していることから、この仲間はゴンドワナ大陸を起源としていることがわかる。
種類
亜属Sphaenognathus
フェイスタメルシワバネクワガタ(S feisthamelii)
メイン画像の種。コロンビア、エクアドルに生息する大型種。詳細は当該項目を参照。
ギガンテウスシワバネクワガタ(S giganteus)
ペルー、ボリビアに生息。フェイスタメルシワバネクワガタに非常に似ており、オスは特によく似ている。
ガルレッピシワバネクワガタ(S garleppi)
ボリビアに生息している。長い大顎が特徴。同じ地域に生息している上、よく似ているギガンテウスシワバネクワガタと間違われることが多い。(事実、本種のシノニムであるS incaはギガンテウスシワバネクワガタのシノニムとされたこともある)
ヒギンズシワバネクワガタ(S higginsi)
ボリビアに生息している。メスばかりが知られており、オスは不明だが、原記載ではオスはチリクワガタ属の仲間のような形の大顎を持っていると言われている。
ベリコサスシワバネクワガタ(S bellicosus)
コロンビアに生息。体色は赤褐色。
ノビリスシワバネクワガタ(S nobilis)
ベネズエラに生息。強い光沢がある。また、亜種とされたssp colombiensisは別種のベリコサスシワバネクワガタのシノニムとされている。
ボードンシワバネクワガタ(S bordoni)
コロンビアに生息。頭部と胸部に白っぽい色の毛が生えている。
プリオノイデスシワバネクワガタ(S prionoides)
コロンビアに生息。本属の基準種。体色は赤褐色。
シワバネクワガタ(S albofuscus)
メスで記載された種。プリオノイデスシワバネクワガタのシノニムとする場合が多いが、独立種とされることもある。
シグナートゥスシワバネクワガタ(S signatus)
ロトゥンダトゥスシワバネクワガタ(S rotundatus)
コロンビアとベネズエラに生息。プリオノイデスシワバネクワガタに良く似る。
スピニフェールシワバネクワガタ(S spinifer)
コロンビアに生息。頭部と胸部には薄い毛が生えている。ラショームシワバネクワガタ(S lachaumei)はシノニムである。
タスチェンベルグシワバネクワガタ(S taschenbergi)
ベネズエラに生息。プリオノイデスシワバネクワガタに似ている。
アルマートゥスシワバネクワガタ(S armatus)
コロンビアに生息。光沢は鈍く、体色は茶色。頭部と胸部には薄い毛が生えている。
アルティコリスシワバネクワガタ(S alticollis)
エクアドル、ペルーに生息。体色は茶色っぽく、前翅の皺が濃い。
フルミシワバネクワガタ(S furumii)
ボリビアに生息している種。大顎が真っ直ぐに伸びている。
本種のホロタイプ標本はアルティコリスシワバネクワガタのものが使われている。
リンデンシワバネクワガタ(S lindenii)
エクアドルに生息。大顎は真っ直ぐに伸びている。
プベスケンスシワバネクワガタ(S pubescens)
クルビペスシワバネクワガタ(S curvipes)
ボリビアに生息。脛節が湾曲する特徴的な種。
ニセクルビペスシワバネクワガタ(S pseudocurvipes)
アルゼンチン北部のフフイ州に生息。属内で唯一アルゼンチンに生息している種で、胸部には白っぽい毛が生えている。非常に珍しい種類。
オベロンシワバネクワガタ(S oberon)
エクアドルに生息。体色は青くて光沢があり、胸部には黄色い毛が生えている。
メタリフェルシワバネクワガタ(S metallifer)
エクアドルに生息。オベロンシワバネクワガタに良く似るが、体型が細身である。
メタレッセンスシワバネクワガタ(S metallescens)
コロンビアに生息。前翅に黄色い毛束が生え揃った変わった見た目の種。
亜属Chiasognathinus
ガウジョンシワバネクワガタ(S gaujoni)
エクアドル、ペルーに生息。ペルビアヌスシワバネクワガタとは良く似ており、同じ亜属に分類される近縁種とされる。レオンシワバネクワガタ(S leoni)はシノニムとされる。
ペルビアヌスシワバネクワガタ(S peruvianus)
クセロフィルスシワバネクワガタ(S xerophilus)
ペルーに生息。胸部には黄色い毛が生えており、脛節は湾曲している。
亜属Sphaenognathinus
コルベシワバネクワガタ(S kolbei)
エクアドルに生息。
モンギロンシワバネクワガタ(S monguilloni)
亜属Chiasornithodus
マンディブラリスシワバネクワガタ(S mandibularis)
コロンビアに生息。非常に長く、真っ直ぐに伸びた大顎を持っている。
Australognathus
Australognathusは、オーストラリアに生息している生息している2種からなる亜属(属)で、独立した属として記載される場合と、シワバネクワガタ属の亜属として分類されることがある。
種類
ムンチョウシワバネクワガタ(A munchowae)
オーストラリアのクイーンズランド州に生息。胸部には白っぽい色の毛が生えている。また、もう1種ほどではないが、非常に珍しい種である。
クイーンズランドシワバネクワガタ(A queenslandicus)
こちらもオーストラリアのクイーンズランド州に生息。とても珍しい。