概要
『呪術廻戦』に登場する呪術の一つ。凶悪な呪霊・呪詛師が蔓延る呪術全盛の平安時代において、強力な結界術である領域展開に対抗するための弱者の領域「シン・陰流 簡易領域」を作った蘆屋貞綱が創始者。
しかし、長い時間をかけ組織は腐敗。時間をかけて少しずつ規模を拡大していき最終的には呪術界御三家を上回る規模となり総監部の乗っ取りを画策していた。しかし冥冥によってそれを画策していた当主は殺されることになる。
簡易領域の技術は一門相伝であり、故意に外部へ教えることは縛りにより禁じられている。元は呪詛師への技術流出を防ぐ為だったが、現在では門下生は当主の出動命令を断れない等、門下生を駒のように扱う縛りも付け加えられ、挙げ句の果てには総監部乗っ取りの野心を達成するために門下生の寿命を当主に捧げる縛りまで存在していた。
これらの縛りは当主でなければ解除出来ないとの事。
しかも当主は基本的に非公開で老齢の門下生も多数いるため判別する手段は難しい。
この中でも日下部は物語の終盤で新当主に就任している。これによって寿命の縛りは無くなり、冥冥は将来的に憂憂に当主を継がせて門下生から月謝を搾り取ろうと画策している。
技
簡易領域
シン・陰流の門弟が領域展開から自衛できるように開発された結界術。自身の半径数メートルほどに展開し相手の領域などから受ける必中効果を中和することで必殺の術式から身を防ぐ簡易的な領域として使われ、シン・陰流の門下生の場合はそのまま居合の攻撃に移る。発動の際は腰を落とし刀を抜刀する直前のようなポーズをとり、そのあとは前述した居合に移るか、剣術を行わない場合は普通に動くことができる。術式を付与していないため生得術式を持たない者、扱えない者でも「帷」などの結界術同様習得することは可能であり、呪術戦の極致である領域展開への対抗策として多く使われ、「弱者の領域」と呼ばれている。
また、簡易領域の原型となる技として平安時代に考案された「彌虚葛籠(いやこつづら)」というものがある。こちらは高度な技術を必要としていたため、誰でも使いやすいようにしたのが簡易領域なのではないかと思われる。
ただしあくまで簡易的な領域であり、相手の術式を中和しているわけではないこと、領域展開との領域の綱引きでは負ける可能性(簡易領域が引き剥がされる)があること、といった、デメリットというよりは弱い部分も多く存在する。
また使用者が初心者である場合やそもそもそこまで呪術に秀でていないことがほとんであり、「発動中は地面から足を離さない」などといった縛りを多くつけることでなんとか結界として成立させていることが多いらしい。逆に才があったり鍛錬をした者は簡易領域に様々なオプションをつけたりすることも可能である模様。
与幸吉が使用した時は真人の体内で展開することで領域展開同様の術式の中和効果が濃く現れ魂ごと、というより術式ごとダメージを与えた。
一応門外不出の技術ではあるはずだが、門弟でない術師が簡易領域の使用者から見て盗んでいるケースが後をたたない。冥冥は「シン・陰流が独占しなければこの術で死なずに済んだ術師は多かった」と発言している。
門下生以外で何らかの方法で習得した使用者が与幸吉、東堂葵、九十九由基、五条悟、虎杖悠仁、脹相、猪野琢真である。
派生技
- 抜刀
簡易領域内に侵入したものを自動で斬撃する技。対象には術式による攻撃(宿儺の 御廚子など)も含まれる。その際刀身を呪力で覆い鞘の中で加速させる、加速させることにより威力を倍増させるシン・陰流最速の技。また日下部は動きながら使用できる。
使用者は三輪霞、日下部篤也。
- 居合「夕月」
カウンターメインのシン・陰流では珍しい攻性の技。膝立ちの状態から発動する。展開した簡易領域には領域内に侵入したものをフルオートで迎撃する、正に領域展開の必中効果と同じ仕組みが組み込まれており、この領域の範囲を拡張させていくことで遠くの敵を領域に入れた瞬間術者の元に瞬時に跳び斬りつける。
使用者は日下部。
- 朧月
折れて欠損した刀の刀身を呪力で形作り突く技。
使用者は日下部。