注意
このキャラクターの記事はちいかわの長編エピソードのネタバレが含まれています。単行本派、またはまだご覧になっていない方はご注意ください。
概要
ナガノの漫画作品「ちいかわ」に登場するキャラクター。2023年3月14日よりX(旧Twitter)で連載されている「島編」に登場する。
ちいかわ達と敵対する立場にある存在(怪異、モンスター)であり、「人魚」と呼ばれるお供と行動を共にしている。
島編において最も重要なキャラクターの一人。
名前通りセイレーン(ギリシャ神話に登場する海の怪物)がモデルとなっているが、その姿は一般的なセイレーンとも、ギリシャ神話由来の翼のあるタイプのものとも違う独特な見た目となっている。スフィンクス等と同じく、神話をモチーフにしたキャラクター。
また「ちいかわ」においては非常に珍しく、本人が名前を自己申告しているのも特徴(本作では基本的には物語中でキャラクターに固有の名前が設定されておらず、ファンからの愛称がグッズやアニメ・単行本等における名称として採用されるケースが大半であり、また自分から名乗るパターンはほとんどない)。
ある理由により無差別に島民を襲っており、島民によって討伐依頼が出され、島外からちいかわ達討伐者が集められた。しかし、ちいかわ達はセイレーン側の事情を知ってしまい、複雑な心境のまま戦いに挑むこととなる。
キャラクター像
上半身は猫や犬など哺乳類、下半身は魚の姿をしており、両手は魚のヒレのような形状をしている。巨大な体格の持ち主で、これまで作中に登場したモンスターキャラの中でもトップクラスの大きさである。
困り眉に大きな目、猫口などの特徴から、読者の中でも「かわいい」という意見が多い。
言葉を話すことができ、実際に知能も高い。基本的には穏やかな性格であり、語り口も冷静である。そのため、怪異としては珍しく、ちいかわたちと会話による意志疎通が可能となっている。
一方、一度敵とみなした相手には容赦なく襲い掛かり痛めつける苛烈さや、弱いものを文字通り弄ぶ邪悪さを持つ。
相手の話をあまり真剣に聞こうとしないなど、自己中心的・利己的な面も強く見られ、強大な力を持つために自身の力がどれだけ周りに影響を及ぼすか、という点について意識が薄い様子がうかがえる。
歌が得意でありセイレーンがメインボーカル、人魚がコーラスという形で一緒に歌っている。
歌声によって植物を操ることができ、作物の成長を促進するという形で島に恩恵をもたらした一方、周囲のツタを伸ばして敵を捕らえるための攻撃手段としても用いられている。
戦闘能力については、作中時点での「討伐ランキング」1位であるラッコを簡単に返り討ちにして捕まえるなど、現在作中に登場した怪異の中でも特に強い。
しかし、小さなさすまたのトゲを痛がる、口蓋垂に飴を投げつけられ痛がり崖から転落するなど、痛みには弱い様子。
普段は人魚たちと共に海辺の洞窟に住んでいるが、陸上でも活動可能で、素早く動き回ることも出来る。
人魚
ちいかわ達と同じくらいの大きさの「人魚」(※上半身は過去に登場した「ギチギチ虫」や「アリジゴク」に似ている。下半身はセイレーンと同じく魚型)。 セイレーンと違い明確に言葉を発することはないが、歌は得意。「ギャリギャリ」という鳴き声を発する。
セイレーンとは共生関係にある様子で、セイレーンによればコーラスに加えて(体についた)虫を食べてくれるらしい。
初登場時点では2匹しかいないが、元々は3匹いた。
セイレーン同様に歌によって植物を操ることもできるが、セイレーンから離れたり、歌を邪魔されると操る力が弱まる模様(植物の蔓が伸びる速度が遅くなる描写がある)。
歯がかなり鋭いらしく、うさぎが放った武器(通称「びんよよ」)もあっさり噛み砕いている。
関連イラスト
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以下、ネタバレ
作中の動向
※漫画の掲載順と異なる為ネタバレ注意。
セイレーンは人魚3匹と一緒に「島」を訪れ、島民たちが振る舞う(あるいは献上された)濃い味の料理が気に入り住み着くことになった。
ある日、人魚と共に海で遊んでいたところ、たまたま近くにいた葉っぱの島民2人に気づかず、2人が乗っていた船にぶつかってしまう。これにより双葉は重傷を負ってしまう(セイレーンはぶつかった後も、二人の存在に気付いていなかった)。
その後洞窟で昼寝中に、人魚の1匹がしるこサンドでおびき出され、一葉に捕らえられてしまい…。
目覚めたあと人魚の1匹が行方不明になった事に気付き、島民の集落の途中まで鱗が落ちていたことから「島民が捕まえて食べた」と考え、犯人探しのために島民を無差別に襲い始める。
その後、島にちいかわたちが渡来した際に浜辺にあった立入禁止の看板をモモンガが倒してしまい、知らずにセイレーンの住処の洞窟に入ったちいかわトリオの前に現れる。
「人魚を食べた犯人が名乗り出てきた」と思ってちいかわトリオを襲うが、島民(=犯人?)ではないと気づき、3人を人魚2匹と一緒に介抱する。
そして目を覚ましたちいかわトリオに襲ったことを謝罪し、仲間の人魚を食べた犯人を探していることを明かす。また、そのために島民を食べている事を示唆し、ちいかわたちが人魚を食べた犯人を見つけて連れてくることを約束した所で解放する。
翌日、島民を襲っているところに島民達にセイレーンの討伐を依頼されたラッコとちいかわトリオが遭遇し戦闘になる。
討伐依頼を拒否したモモンガが放ったびんよよが絡まり転倒したラッコの剣を奪うが、同時に彼の抵抗によって、捕まえていた島民を逃がしてしまう。島民の味方をしたので、そのままラッコを洞窟へ連れ去り、昆布で縛り吊るす。
ラッコの体に人魚を食べた者の体に表れるらしい「証拠」がないことを念のため確認する。彼に、「もし人魚を食べた犯人を見つけたら、犯人を狭い檻に閉じ込めて海の底に沈め、未来永劫『永遠の命』を味わってもらう」と語る。また、他の島民2人を壺で味噌漬けにしていた。
ラッコの救出に来たちいかわトリオ、モモンガ、古本屋、葉っぱの島民2人の計7人と出会う。「ちいかわたちが犯人を連れてきた」と早合点し上機嫌になるもすぐに否定され、加えて「永遠の命」伝説を知ったモモンガが目の前で人魚を食べようとしたことで、完全にちいかわたちと敵対。
逃げるちいかわたちを、歌で植物の蔓を操りながら追いかける。ちいかわ・モモンガ・葉っぱの島民2人をセイレーンが古い吊り橋に追い詰めるも、ちいかわのさすまたが手に刺さった事で、葉っぱの島民2人を崖下の川に落としてしまう。そのままちいかわを襲おうとするが、ちいかわが投げた飴玉が口蓋垂に直撃し、咽せた弾みで自身も川に転落。
人魚2匹は、ハチワレ・うさぎ・古本屋を蔦を使って追いかける。うさぎが放ったびんよよの先端の球体を噛み砕いて破壊するも、ハチワレがラッコの剣で蔓を切り落としたため、足場の岩とともに川に転落した。
セイレーンと人魚は合流し、同じく合流したちいかわたちを再度強襲。再びちいかわが飴玉を投げてきたが、今度は舌でガード。飴をなめて喉の調子が良くなったセイレーンは歌で蔦を操る力を強め、ハチワレ、うさぎ、モモンガ、古本屋の4人を捕まえ、洞窟に連れ去る。
新たに捕まえた4人は「味が染みたら味噌漬け」にするため、昆布で縛り吊るした。
夜、寝静まった折、ちいかわが島二郎、無事だった葉っぱの島民2人と一緒に洞窟に潜入。あわや起きかける寸前、島二郎が耳元で波の音を囁く偽装工作をしたため気付かず、4人(と味噌漬けにされていた島民たち)の救出を許してしまう。
全員に逃げられたことに気付き慌てて追いかけるが、再び潜ってきた島二郎が立ちはだかる。島二郎はセイレーンの説得を試みるも水中なので言っていることが聞き取れず、人魚を食べた犯人だと疑い攻撃を仕掛けるが、島二郎からの反撃を受けて足止めを喰らう。
その後島二郎を振り切ることに成功し、再び陸に上がり、ちいかわ達と対峙。
対抗手段として激辛カレーを作っていたちいかわや島民達と戦うことになる。
最初の激辛カレーでは余裕を見せるも、島二郎が入れたキャロライナ・リーパーで強化されたカレーには流石に勝てず、顔を真っ赤にしながら悶絶。その際、偶然尻尾がハチワレに直撃しそうになり、とっさに庇った双葉に直撃してしまう。涙ながらに「これ以上みんなを襲わないで」と訴えるちいかわ達に「わかった」と繰り返すも、あまりの辛さに耐えられず、その場から一目散に撤退した。
その後出番はなかったが、エピローグにてセイレーンの笑い声が海に響いている様子や、人魚たちと一緒にとある「島」を目指し泳いでいる姿が描かれた。
余談
- セイレーンの顔は伝統的な玩具の犬張子に似ている。犬張子はお宮参りに用いられるが、これの発祥が愛知県の熱田神宮とされている。また、作中に「濃い味付けの料理」「貝(汁)」「味噌漬け」「しるこサンド」などが登場するが、これらも全て愛知県と関連が強い品々である。このため、愛知県春日井市の「八百比丘尼伝説」をモチーフにしているのでは?と、ファンの間で考察がされている(※八百比丘尼伝説は全国に存在するため、愛知県に限った話でない)
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