ソニック3Dブラスト
にほんはそにっくすりーでぃーふりっきーあいらんど
1996年11月にジェネシス(北米版メガドライブ)・欧州版メガドライブ用ソフトとして発売された日本未発売タイトル。日本ではセガサターン用ソフト『ソニック3Dフリッキーアイランド』として1999年に発売された(後述)。
開発はソニックチームに加え、イギリスのTraveller's Talesが共同で担当している。
本作のシステムはそれまでの作品とは打って変わってクォータービューの見下ろし視点の3Dアクションとなっており、その名の通り3Dゲームである。
スーパーファミコンの『スーパードンキーコングシリーズ』と同じく、プリレンダリングによって3Dグラフィックを表現しているのが特徴。また、同時発色数の関係で色数こそ少ないものの、ジェネシスの処理能力やソフトに搭載されている機能の限界を超えたオープニングムービーは見どころの1つである。
ゲームシステムはアーケード作品『フリッキー』をベースにしており、各ゾーンのアクトにいるロボットを破壊してフリッキーを5匹救出して、エリアのどこかにある巨大なリングへ運ぶとそのエリアは完了になり、これを何度か繰り返してアクト内にいるフリッキーを全て救出するとクリアになる。アクト3はエッグマンとの対決で、彼を倒すとゾーンクリアになり、次のゾーンへ移行する。
本作の仕様上、落下死・圧死・溺死の概念はなく、リングさえ確保しておけばクリアすることが出来る。
バリアは従来のバリアに加えて「ゴールドバリア」と「レッドバリア」が新登場し、前者はジャンプ中に真下へ攻撃する他に近くの敵をホーミングする「ブラストアタック」の使用が可能となり、後者は『ソニック3』『&ナックルズ』に登場する「フレイムバリア」同様、炎系ダメージを無効化可能。
ある日、ソニックはテイルス、ナックルズと共にカオスエメラルドが眠っている島「フリッキーアイランド」を訪れる。初めに手がかりとなる鳥のフリッキーを探すことにしたソニック達だが、その様子をスパイ衛星を通じてみている影が…。言うまでもなくDr.エッグマンのことであり、彼もやはりカオスエメラルドを狙っていた。そのことに気づいたソニックは捕まってしまったフリッキー達を助けつつ、いつものようにエッグマンの悪だくみを阻止しに行くのであった。
毎度おなじみ音速ハリネズミ。今回はフリッキーアイランドで大活躍。
ソニックにあこがれる天才子ギツネ。
今回はスペシャルステージに行くためのサブキャラとしての登場なので出番は少なめ。
ソニックのケンカ友達でよきライバル。テイルス同様サブキャラとして登場。
ちっとも懲りないIQ300を誇る悪の天才科学者。
カオスエメラルドを手に入れるべく、島のフリッキー達をロボットに改造する。
ジェネガジェットゾーン
工場地帯が舞台となる第6ゾーン。ポンプによる移動やベルトコンベアなどの様々な仕掛けがあり、間違えて移動するとスタート地点まで戻されることもあるので注意。
ここからはテイルスとナックルズが登場しなくなり、スペシャルステージに入れなくなる。
スペシャルステージ
各アクトのどこかにいるテイルスかナックルズにリングを合計50個以上渡すと、スペシャルステージにワープする。
このステージは上から見下ろした強制縦スクロールステージで、自動で進むソニックを左右かジャンプ操作してリングを集めながら、エメラルドを目指す。ステージ中のトゲに当たるとリングが減ってしまうので注意。
各チェックポイントごとに50枚・100枚・150枚の3つのノルマがあり、最後のチェックポイントを通過出来たらクリアで、カオスエメラルドを入手出来る。逆に各チェックポイントで規定のリングを集めていなかったり、リングを持っていない状態でトゲに当たったりすると即終了(リタイア)になる。
1999年10月14日にセガから日本で最後に発売されたセガサターンソフト。一方、北米ではジェネシス版発売から間もない同年11月20日にこのサターン版が発売され、欧州でも翌1997年2月13日に発売されている。
ジェネシス版との主な違いは…、
- 全体的なグラフィックの強化。それに伴ってか、最終ゾーンの背景が黒一色から要塞内部の雰囲気へと変更されている
- BGMが全て刷新
- スペシャルステージが本物の3DCGを使った、『ソニック2』のそれと似た、ハーフパイプを進む新規のものに変更。挑戦回数は1アクトにつきに1回までとなっている(例えばテイルス側で獲得した場合、同アクトのナックルズのスペシャルステージに入ってもエメラルドは手に入らない)
- OPやEDムービーが全て新規のものに刷新
etc…
他にも細かい変更点があるが、ここでは割愛する。
1997年9月には、このサターン版準拠のWindows版が北米・欧州でのみ発売されている。
ただし、スペシャルステージの内容はサターン版とは異なる。
実は本作は元々発売される予定のあるタイトルではなかった。
当時のセガは『ソニックエクストリーム』と呼ばれるサターン向けソニック本編作品を開発しており、1996年に発売する予定だった。しかし紆余曲折あった結果、開発が中止されてしまう。
その結果1996年クリスマスに発売するタイトルがなくなってしまい、このままではまずいと判断された結果、急遽本作が開発され、『エクストリーム』に代わって発売されることとなった。
- クラシック時代のソニックシリーズ作品にて用いられるセガのサウンドロゴは「♪セーガー」という音声がほとんどだが、本作ジェネシス版のみ「セガァ!」とシャウトする独自のものが用いられている(「関連動画」ジェネシス版プレイ動画の冒頭でも流れる)。この音声は、当時海外で放送されていたセガ製品CMの締めで使われていた、セガの社名を叫ぶものが元ネタと思われる。サターン版はサウンドロゴ無し。
- 本作ではセーブ機能がなく、カオスエメラルドをそろえてもスーパーソニックに変身出来ないと『ソニック1』に似た仕様となっている(サターン版も同様)。後にSteam版にてMODが作成され、ファンメイドではあるが変身可能となった。
- ジェネシス版のゾーンアクト1にて用いられた楽曲の一部は、後に発売された『ソニックアドベンチャー』にてアレンジされ、以下のステージの曲として使われている。原曲版、アレンジ版いずれも瀬上純氏が手掛けている。
- グリーングローブ→ウィンディバレー(曲名:The Air)
- パニックパペット→トゥインクルパーク(曲名:Twinkle Cart)
- 『ソニック4 EPISODE1』にて流れるボス前半戦BGMは、本作で没になったボス戦用BGMをアレンジしたものである。
- 先述の通り日本版の3Dフリッキーアイランドはこの時、セガサターンの後継ハードであるドリームキャスト発売直後(1998年発売)ということもあり、セガから日本国内で最後に発売されたセガサターンのゲームソフトとなった。ちなみに全世界共通で最後に発売されたセガサターンのソフトは2000年12月7日発売の『悠久幻想曲』シリーズのソフトをまとめた『悠久幻想曲 保存版 Perpetual Collection』(発売元:メディアワークス)である。
ソニック・ザ・ヘッジホッグ3:本作より2年前に発売されたソフト。当初は『ソニック3D』として開発されていたが挫折した過去があるため、ある意味本作はソニック3Dのリベンジを果たしたと言える。
ソニックメガコレクション:『3Dブラスト』を収録したコレクションタイトル。
ソニックオリジンズ:本編は収録されていないが、DLC購入により追加されるサウンドトラックに本作ジェネシス版の楽曲が収録されている(『プラス』には予め収録)。