ダングス
だんぐす
宇宙海賊バルバンの4軍団のうち、バットバス魔人部隊に属する魔人の一人。
物語最終盤にて再編された「バットバス特殊部隊」の一員でもあり、両肩に備わった巨大な履帯などが目を引く、重厚なフォルムを有している。その重量級の体躯を活かした体当たりや、胸部に備わった大砲から放つ砲弾など、攻撃の手段も一つ一つが強力そのものである。
初出である第二章では、魔獣ダイタニクス復活のための作戦実行を巡って4軍団が一触即発の状態となる中で、バットバス配下の代表格として他の軍団の魔人達とぶつかり合う姿が描かれている。
その後、バットバス魔人部隊がダイタニクス復活に向けて本格的な作戦実行に動き出す中、前述の第二章に登場した魔人達が一番手を務めた他の軍団とは異なり、ダングスは登場の機会がないまま暫しの間温存されていたが、やがて魔人部隊が特殊部隊として再編されるに至り、そちらの一番手として起用されるという、些か変則的な形での再登場を果たした。
ダングス「俺達は!」
ヤートット「バットバス特殊部隊!」
ダングス「飯食ってんのか!?」
ヤートット「ギンガマン!」
ダングス「綽々余裕の!」
ヤートット「俺達だ!」
ダングスの出撃に当たり、ビズネラが提示した作戦は、「荒くれ無敵城から西へ85870歩、北へ32260歩程離れた地点にボーリング装置で穴を開け、そこから地中弾道ミサイルを撃ち込む」というものであった。
かくして指定された地点にて、ダングス率いる部隊はボーリング装置を設置し掘削作業に当たることとなるが、折しもその近辺では謎の地震が発生しており、ただならぬものを感じ急行したリョウマ達4人と出くわす格好となったダングスは、彼等を砲撃にて一蹴すると、掘削作業の完了と共に遂行中の作戦に秘められた、真の目的を意気揚々とリョウマ達に明かしてみせた。
その真の目的とは、「地球魔獣の幼体を急成長させる」というもの。先のダイタニクスとの戦いでギンガマンが爆散させたその破片は、地球に染み込み星の中心を汚染、人知れず新たな魔獣を生み出していた。バルバンの新たな狙いは、その地球魔獣を自分達の新たな船として確保することにあり、ダングス達の撃ち込もうとしていた弾道ミサイルにも、地球魔獣の成長を促進させる「急成長エキス」が積載されていたのである。
この見過ごし難い事態を前に、装置を破壊すべく挑みかかるギンガマンであったが、ただでさえ激烈なダングスの砲撃だけでなく、装置そのものも妨害を見越して特殊なバリアで守られており、破壊はおろかまともに近付くことすら叶わない状態へと追い込まれてしまう。そんな彼等に止めを刺そうと迫るダングスであったが、そこに遅れてギンガブルーが現れ、バリアを破壊すべく高所より獣撃破での砲撃を敢行する。
とはいえその一撃で破れるほどバリアはやわではなく、加えてブルーもこの場に駆けつける直前、崩落するトンネルから人々を助けようとした際に肩を痛めており、獣撃破を構えることすらままならなくなるのだが・・・そんな彼に手を貸したのは、ゴウキ(=ブルー)を越えようと「弟子入り」していた岸本俊介であった。岸本の肩を借りる形で態勢を立て直したブルーは、獣撃破にアースを限界まで込めることで砲撃の威力増強を図り、その狙い通り強化された砲撃はバリアを粉砕して装置の破壊に成功、その直下に潜んでいた地球魔獣も逃亡しまずは事なきを得た。
その間、他の4人によって動きを封じられていたダングスは、作戦失敗に逆上してギンガマンと一戦交えようとするも、5人揃って獣装光を遂げたギンガマンの連続攻撃によろめかされ、さらに彼等をまとめて吹き飛ばそうとした砲撃も、寸前に変化した機動馬ガレオパルサーの装甲には通じず、そのまま繰り出された獅子の装光で吹き飛ばされてしまう。
それでも巨大戦では超装光ギンガイオーを強力な体当たりで苦戦させるものの、召喚されたギガライノスの鋼の装甲を活かした体当たりはそれを遥かに上回る威力であり、これによってダメージを負ったところに銀河大獣王斬りで止めを刺されたのであった。
ダングスの撃破によって、バットバス特殊部隊による作戦行動も出鼻を挫かれる格好となったものの、一方ではダイタニクスに代わる新たな脅威が未だ地底の奥深くに潜んだままであり、その事実はギンガマンに一抹の不安を覚えさせる格好となったのである・・・。
デザインは野崎明が担当。まだ軍団のコンセプトが固まっていない時期に、「とりあえずタンク(戦車)の要素を散らして重厚な雰囲気のものを」との制作サイドからの依頼を受ける形で、詳細も分からない状態で描かれたものであるという。戦車と言えばまず思い浮かぶ要素である、大砲を身体の各所に配しつつ、もう一つの象徴的なパーツであるキャタピラを両肩に配することでモチーフを強調したものとなっている。
実際に製作されたスーツではその履帯が若干簡略化された造形となっている他、カラーリングもメイン画像にある迷彩柄から、黒鉄色を基調としたものへと改められた。また、デザイン画稿には得物として金色のバズーカ砲も合わせて描かれているが、こちらは造形の段階でオミットされている。