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概要
学名は「Leptobison hanaizumiensis」だが、下記の通りハナイズミモリウシの分類が今後どうなるのかは未知数であるため、学名が変更される可能性もある。
花泉市でみつかったことと、研究の功労者の佐々木盛輔氏の名前に由来して命名された(発見された遺跡も金森遺跡と呼ばれるが、実際には命名の由来にはなっていない)。そのため、あえて漢字表記をするならば「花泉盛牛」となる。
日本で発見されたバイソンでは最も有名であり、ナウマンゾウやヤベオオツノジカと共に後期更新世の日本の大型動物では最も発掘数が多い部類である。
昭和2年に金森地域の住民の沼倉清治氏が、日照りのために井戸を掘った際に発見し、昭和63年まで15回の調査が行われ、新種と判断された。
ステップバイソンに近縁だとされるが、そもそも別亜種または別種だったのか、それともステップバイソンの地方個体群だったのか、など厳密な分類は不明である。
- ステップバイソン自体が、複数の亜種を抱えており、複数のバイソン種の総称でもある。
狩りの痕跡があることから、他の多くの日本産の大型動物同様、気候変動の影響だけでなく、人間の影響で絶滅した可能性は否定できない(バイソン属は分布などから判断すると、氷河期だろうと間氷期だろうと日本列島には分布できたと思われる)。
余談
- 日本列島には複数のバイソン属が生息していたとされ、ハナイズミモリウシとステップバイソンと「Bison occidentalis」(和名未定)が確認されている他、栃木県から発見された大型種も含め、種が未定のバイソン属も複数発見されている。
- 岩手県は、日本で唯一のオーロックスの化石が発見されている地域でもある。ただし、後年では産出種のリストからオーロックスは除外されている。
- ハナイズミモリウシと岩手のオーロックスは、『銀河鉄道の夜』でも言及されている。
- 日本にいた大型のウシ科動物には他にはスイギュウもいたが、日本列島でバイソンやオーロックスと共存した時期があったのかは不明。