概要
ハワイは、独立国家・ハワイ王国、アメリカ合衆国による侵略・併合、移民など、複雑な歴史から多様な文化が育まれてきた。料理もその一つ。
ハワイ先住民文化を由来とする料理から、移民を発祥とする料理まで、多様な料理がある。そんなハワイ料理は大きく2つに分けられる。
ひとつは「ハワイアン料理」。先住ハワイ人の伝統的な料理である。2つは「ロコフード」。近代以降、移民により育まれてきた料理。
本項では、この2つに分けて解説する。無論、ハワイアン料理が元になったロコフードもあり、厳密に区分することは出来ない。そのボーダーレス性もハワイの多様性を象徴しているといえる。
ハワイアン料理
古代からハワイ先住民の間で食べられてきた伝統料理。紀元前15世紀に渡来した、ポリネシア系の祖先が持ち込んできた植物や文化がもと。ハワイ独自に発展してきたが、他のポリネシア系料理と共通するものも多い。
蒸し料理が多く、素材を生かす点に特徴がある。祖先のポリネシア人が持ち込んできたタロイモをベースにした料理や、豚肉をベースにした料理がある。
例
- ポイ
タロイモの球茎を蒸し、すりつぶした食べ物。ポリネシア人や先住ハワイ人の主食。ハワイ人の間では神聖な食べ物とされてきた。独特の酸味と粘り気があり、肉や魚、塩辛いものと食べる。
新鮮なものは甘味があるが、数日経つと発酵され、酸味が生じる。
リンク先参照。
- ラウラウ
タロイモの葉で豚肉や魚を包み、さらにティーリーフの葉で包み、蒸し焼きしたもの。中身は豚肉や鶏肉、銀鱈が一般的。
タロイモの葉は柔らかくなり、肉や魚と一緒に食べる。塩気を効かせた肉や脂の乗った魚は、タロイモの葉の独特な風味と合い、癖になる美味しさ。
「ラウ」はハワイ語で「葉」を意味し、「ラウラウ」は「包む」を意味する。調理法がそのまま料理名となっている。
- カルアピッグ
豚の丸焼き。熱した石の上に、バナナやティーリーフの葉に包んだ豚肉を乗せて調理したもの。
作るかまどは地面を掘って作った、イムと言うもの。先住ハワイ人の蒸し料理として重宝されてきた。
- チキン・ロング・ライス
伝統的なスープ料理。ロング・ライスは太めの春雨のこと。生姜やニンニクを効かせたスープに、鶏肉やロング・ライスを入れたもの。
ロコフード
近代以降、移民が持ち込んできた比較的新しい、ハワイの多民族文化から出来た料理。ハワイには世界中から移民が集まり、民族色豊かな食文化が育まれている。
日本や琉球、中国、韓国、ポルトガル、フィリピン、アメリカ合衆国の料理が伝わり、ハワイに合うよう工夫されてきた。
伝統的なハワイアン料理を現代風にアレンジしたものや、和風味アメリカンフードなど多種多様。
リンク先参照。
リンク先参照。
- フリフリチキン
鶏をまるごと回転させ、炭火でじっくり焼いたもの。皮はカリカリで、中はジューシーが魅力のB級グルメ。「フリ」とはハワイ語で「回る」の意。
リンク先参照。
もとはポルトガル料理。リンク先参照。
リンク先参照
リンク先参照。
- サイミン
ハワイ風のラーメン。中華料理とハワイ料理が融合したもの。干しエビをベースにしたさっぱりしたスープが特徴。トッピングにはチャーシューや青ネギがよく使われる。
リンク先参照。
- ミックスプレート
一つの皿に、ご飯と2つ以上の料理を盛ったもの。スクープ(アイスクリームをよそう、ご飯一杯分の分量)二杯分のライスと、スクープ二杯分のマカロニサラダは、伝統的なミックスプレートに欠かせない。そこにカルアピッグや牛肉の照り焼き、韓国風焼肉、マヒマヒ(シイラ)など、味の濃いおかずを乗せる。多様な民族が住むハワイを象徴するような料理。
リンク先参照。
リンク先参照