概要
先住民族であるアステカ族やマヤ族の料理と、コンキスタドール(スペインからの征服者、およびその子孫である移住者)のもたらしたスペイン料理がベースとなっている。
特徴としては、土着の作物であるトウモロコシやいんげん豆、トマト、アボカドなどの野菜、鶏肉などを用い、ライムや「チレ(チリ)」と呼ばれる多種多様な唐辛子のペーストで味付けされる。
トウモロコシや小麦粉で作るトルティーヤが主食であり、細かくした野菜と唐辛子で作るサルサ、アボカドのペーストワカモレ(ワカモーレ)などを挟んだタコスは日本でもよく知られている。
近接するアメリカでは「テクス・メクス料理※1」や「カル・メクス料理※2」、「ニューメキシコ料理※3」として「アメリカナイズされたメキシコ料理」が親しまれている。完全にメキシコの食材・調理法というわけではなく、カナリア諸島から来たベルベル人、スペイン人とインディアンの子孫らの料理からも影響を受けており、幅広いバックグラウンドを持っている。
中には先住民族のアカディア族による「ケイジャン料理」、フランスやスペインなどの南ヨーロッパや、アフリカ料理の影響を受けた「クレオール料理」などと同じく、完全なる「アメリカ料理」として本来のメキシコ料理からはかけ離れた姿で食べられている料理も存在する。
例として、先述のタコスは本来柔らかいパンのような生地のトルティーヤが用いられるが、アメリカではチップスのように揚げたパリパリのトルティーヤで食べられることが多い。また、チーズや大量の肉を用いるのはテクス・メクス料理の特徴といえる。
現代における(メキシコ以外での)メキシコ料理は、このテクス・メクス料理および「メキシコ風の」アメリカ料理も含まれる。また、pixivにおいては、「メキシコ料理」やそのメニューのタグが利用されていても「テクス・メクス料理」が描かれていることも多い。
- ※1:そもそも「テクス・メクス」とはテキサス・メキシカン鉄道のニックネームとして生み出された言葉であり、テキサス州で生まれたメキシコ系の人たちを指す言葉でもあった。
- ※2:「カリフォルニア・メキシカン料理」のこと。テクス・メクス料理に比べ果物や野菜を多く用いるのが特徴。
- ※3:ニューメキシコ州で食べられている伝統料理。メキシコ料理のほか、スペインやインディアンの食生活に影響を受けており、テクス・メクスと類似する特徴を持つ。
関連タグ
特に知られている料理