グレムリン「これで僕は人間になれる!」
概要
『仮面ライダーウィザード』に登場する武器の1つ。
白い魔法使い(仮面ライダーワイズマン)が所有するキーアイテム。
見た目は足部管に槍頭か両刃の剣を取り付け、キイの代わりに6つの指輪をはめ込んだピッコロやフルートの様な横笛(この指輪はワイズマンの胸部にある「ラングチェイン」というホルダーにある物によくにている)。
その外見通り剣としても笛としても使う事ができる変則的な多機能武器である。ベースは黒。指輪とヘッドキャップ、リッププレートが銀。刃とナックルガードのような配管が金色。
ウィザーソードガンと同様必要に応じて「コネクト」の魔法で手元に召喚する。
なお、白い魔法使い(ワイズマン)の初登場は第2話(回想)だが、ハーメルケインの初登場は第41話と非常に遅い(因みにビーストハイパー登場は第29話、インフィニティースタイル登場は第31話。ウィザード本編は全51話)。当初はプロップが製作されていなかったと思われる。
能力
詳細な素材や構造は明らかになっていないが、笛のように吹き鳴らす事で、相手の魔法を無力化する能力がある様で、魔力に依存したウィザード系ライダーやファントムに対して圧倒的アドバンテージを発揮する。
作中ではビーストの「セイバーストライク」や強化版「ハイパーセイバーストライク」といった必殺技であっても無効化・消滅させてしまった(前者は6の目を出したビースト・基本形態の最大火力、後者は4の目×4=16発もの動物型魔力弾を放った大技である)。
武器としても強力で、剣として斬りつければ空間を引き裂く斬撃を物ともせず、逆に武器を破損させてしまう程の強度を誇るウィザード・インフィニティースタイルの装甲でさえも切り裂く威力を持つ。
器と融合している内部の物体を切り離す事もできるようで、魔力で動く人形から「賢者の石」を無傷で取り出したり、他にも日蝕の儀式「サバト」を行使したりと多彩な効果が有り、単なる武器には留まらない重大な役割を担っている。
終盤ではサバトを食い止める為とは言え、ビーストドライバーを破壊して中に封印されていたファントムを解放するという無茶な使われ方もされた。
封印されていたファントムは「そんな事お前には不可能だ」と断じていた事から基本的に不可能な事象らしく、ハーメルケインの特殊性を物語っている(しかし、ファントムはその後「それに我を解放したらお前の身体になにが起こるか分からんぞ」と続けて発言していた為、本当に解放は不可能だと言うよりも仁藤の身を案じての忠告だったとも取れる)。
一方でウィザードの武器にある「ハンドオーサー」やビーストの武器にある「リングスロット」のような指輪を読み込むパーツは配置されておらず、実際これを用いた必殺技は登場していない(ドライバー経由など別の方法で発動できる可能性はある)。
なお使用者のワイズマンはインフィニティースタイルでなれけばロクに対抗できない程魔法や格闘能力に秀でており、ハーメルケインが有っても無くても「作中最強の実力者」である。
使用者
- 白い魔法使い/笛木奏:メイン所有者。笛としても剣としても最も使いこなしていたが肝心な用途には使えず、最終的にはこれで止めを刺される皮肉な最期を遂げる。
- 仮面ライダービースト/仁藤攻介:奪い取る形で一時的に使用。自らビーストドライバーを破壊しファントムを開放。サバトの魔力を喰わせる事で東京を救った。笛木に挑んではその都度何度となく斬りつけられた最大の被害者でもある。ドライバー破壊後は笛木の手に戻っている。
- グレムリン/ソラ:自分の体を串刺しにさせるという奇策を用いて奪取。その後インフィニティースタイルとの戦闘で疲弊していた笛木を襲撃し彼を始末。直後に「お人形」から「賢者の石」を取り出して…。それまでは「ラプチャー」という自前の双剣を持っていたが、ハーメルケインを手にしてからは使わなくなった。
※後日談『天下分け目の戦国MOVIE大合戦』のネタバレ注意
- 白い魔法使い(2代目)/???:『天下分け目の戦国MOVIE大合戦』に登場。グレムリンを撃破して以降所在不明だったが、新たな白い魔法使いはハーメルケインを所持していた。上記の使用者と比べると戦闘能力は低く、近接武器であるハーメルケインの扱いには向いていない。
商品化
先述の通り、ハーメルケインは登場が遅いためなりきり玩具は商品化されておらずフィギュアにも付属していない場合が多い。なりきり玩具にしてもフィギュアにしても商品化に恵まれていない。
「S.H.Figuarts 白い魔法使い」は番組中盤に発売されたため付属していない。
2022年11月14日発売の食玩・SHODO-Oシリーズ仮面ライダー10でラインナップされた白い魔法使いにオプションパーツとして付属している(無塗装)。
初登場から約9年5ヵ月経過してようやくの初の商品化となった。
余談
- 名前の由来は「ハーメルンの笛吹き男+ケイン」。主な使用者が「笛木奏」なので間違いないだろう。
- ハーメルンの笛吹き(男)は要約すると「町のネズミ退治を笛吹きに依頼し、笛吹きは見事ネズミを退治するが町民は約束を反故にし報酬を渡さなかったので、笛吹きは町中の子供たちを連れて何処かにいってしまった」というある種因果応報のお話である。だが笛木の行った所業は「失った娘を取り戻すため笛吹き(仮面ライダー)になり、大勢を巻き込んだマッチポンプを繰り広げる」というほぼ真逆の内容。笛吹き男にはいい迷惑である。
- なお、ハーメルン=Hamelnとはドイツの地名(町名)。ケイン=Caneは「(羊飼いの)杖」もしくは「短鞭・乗馬鞭」を意味する言葉なので、実はこの武器の名前に笛の要素も剣の要素も槍の要素も無い。というか、舞台が日本で見た目と機能は笛+剣。そして名前はハーメルン(ドイツ)+ケイン(杖)…まるで意味がわからんぞ!
- 笛型の刃が付いた魔杖と考えれば意味は通じる…はず。多分。
関連タグ
リボルケイン:ケインの名を持つライダーウェポン。ハーメルケイン以上に殺傷能力抜群。
ジャコーダー:怪人のトップで人外が変身する白いダークライダーの笛型の剣。
音銃剣錫音:音属性の聖剣。必殺技でキャンディケイン型の弾を撃つ。