定義および概要
「ヴィジュアル系のファンである事」以外にこれといって明確な定義はないが、ジャンル的に非常にライブを重視する傾向が強いためニュアンス的には「ヴィジュアル系のライブに足しげく通う子」の意味がやや強めである。
略して「バンギャ」「ギャ」ということも多い。
ただし必ずしもバンドマンのプライベートまで追っかけるタイプの「追っかけ」とは同義ではなく、遠くのライブは行くが出待ちなども全くしないような人、バンドマンの裏事情やプライベートに興味が無くライブや作品を楽しめれば満足するタイプの人も含んでいる言葉である。
元々バンドマン側も非常に狭い世界であり、特に駆け出しインディーズのうちはワンマンライブがそう頻繁に行えず対バンライブが中心であるためジャンル中の他のバンドなどにも必然詳しくなることになる。
またバンドの所属レーベルや定番ライブイベントの傾向、地域によってなんとなくではあるがファンの方も一定の傾向や文化が出来上がったりもする。
このため、通っているバンド周辺やそのバンギャの推しを指して「(レーベル名)ギャ」「(バンド名もしくはバンドマンの名前)ギャ」などと呼んだりもする。
またヴィジュアル系といえど時代によって雰囲気が大きく移り変わり黎明期の頃はヤンキー文化が強かったが、やがてそうした雰囲気は薄れて行った。
ゴスロリ、ロリータファッションなどもおなじみのバンギャル文化にあるが、服装も最近は多様化している。
男性は「ギャ男」と呼ばれる。
年齢的な定義はないが、ある程度歳をくってくると「オバンギャ」「ババンギャ」などと呼ばれる。
昔は20代半ばくらいになるとオバンギャ自称もしていたが、ヴィジュアル系の歴史が伸びるにつれバンドマンやファンも上は高齢化が進んでおり、30代どころか40代オーバーも珍しくなくなってるのでこの辺りの定義も常に変化していくものである。
バンギャの生活
バンギャといえどもだいたいが普通の一般人であり、多くのアニメ・漫画系のオタクや他ジャンルの芸能系ファンと同じく、時にファン心理が暴走して後で赤っ恥をかいたりごく一部ハマりすぎて身を持ち崩す者もいるが、大半は普通の学生・社会人として過ごしている。
たまにびっくりするような高学歴・インテリ職業の方もいたり、子持ちの主婦も珍しくなくバンギャとギャ男の夫婦や親子二代のバンギャも既に結構居る。
比較的潰しが効き収入の水準が安定している資格職であることから医療系では看護師のバンギャも多い。コロナ禍以降はテレワーク率も上がっている。
また、「ギャ男」からバンドマンになる者もそれなりに多くいるため、2010年台以降はギャ男上がりの作詞者やコンセプトリーダーがいるバンドの中でも知名度が高くなるところが増え、「バンギャルあるある」系のメタな歌詞を作品化してリリースすることも増えつつある。
オタク文化と親和性が高めのジャンルのせいか、漫画家・イラストレーターにもちらほらバンギャがいる。
上述のように「ライブ重視」の思考が根強いため、遠くまでライブを見に行く(遠征)が当たり前のようになっている人も結構多い。
インディーズのバンドのファンだと特に「一般的知名度の薄いバンドにハマっている」ことにある種複雑な感情を抱いてる人も多いので、そのあたりでちょっと自虐コミのあるあるネタの作品を作る人もいる。
そういう心理はゴールデンボンバーの「ザ・V系っぽい曲 」という歌詞にもかなり詰め込まれている。
バンギャルであることを公にしている著名人
- 梱枝りこ(ゲーム原画家、イラストレーター)
かつて推しメンが蜉蝣の大佑だった。
- 雨宮処凛(作家、左翼活動家)
「バンギャル ア ゴーゴー」という自身の体験に基づいた作品を書いている。
V系界隈を題材にしたエッセイ漫画を出している。
- 竹内佐千子(漫画家)
- 榎本由美(漫画家)
- 牧村朝子(作家、タレント)
- 成瀬瑛美(声優、タレント。元でんぱ組.inc)
- 松田ゆう姫(タレント、歌手。松田優作と松田美由紀の娘)
- 狗神煌(イラストレーター、ゲーム原画家)
- 小谷杏子(アニメーター)
pixivにおいて
pixivでは、バンギャの「あるあるネタ」の漫画やイメレス素材等の作品が時々アップされている。