概要
3機建造されたヒュッケバインのうち、ブラックホールエンジンではなく従来型のプラズマジェネレーターを搭載したパーソナルトルーパー。2機のヒュッケバイン008に、動力炉としてブラックホールエンジンが搭載されたのには政治的事情が絡んでおり、ある意味で本機はヒュッケバイン開発陣が当初に想定していた本来あるべきだった姿とも言える。
正式な機体名称は他の2機と同じ「ヒュッケバイン」であるが、形式番号のみ「RTX-009」と異なっており、RTX-008L/Rと区別するために「ヒュッケバイン009」という便宜上の名前で呼ばれている。
他のヒュッケバイン2機と区別するため機体色は緑色に塗装されているが、このためか「緑色の金属→青銅」という連想からか「カッパバイン」呼ばわりされる事も。だがこの場合、「カッパー=銅」ではなく「青銅=ブロンズ」が正しいのだが……。水地形にも適応があるため、海での戦闘が多いOG1リュウセイ編では水を得た河童の如く活躍できるかも……という意味にもかかっているかもしれない。ちなみにこのカラーリングはヒュッケバインが初めて登場した「第4次スーパーロボット大戦」にてヒュッケバインに設定できるカラーリングの1つである。
メカニックデザインはカトキハジメ。
後にRTX-008Rが暴走・消滅事故を起こし、同じブラックホールエンジン搭載型のRTX-008Lも封印されて以降、しばらくこの機体だけが新機種開発のためのデータ収集用機体として細々と運用されていた(後のヒュッケバインMk-Ⅱの他、この機体とビルトラプターのデータを元にしてR-1が作られた経緯がある)が、戦局の激化に伴い実戦にも投入された。
流石にブラックホールエンジンを搭載したRTX-008L/Rと比べると出力面では見劣りし、重力制御兵器を使うこともできない。とはいえ基本的な性能は高い。
数あるヒュッケバイン系列機の中でも比較的地味な存在であり、次々と高性能機が開発・配備される鋼龍戦隊においては忘れられた過去の遺物と化しつつあったのだが、後に(大人の事情も絡んで)数奇な運命を辿り、やがて幾度も姿を変え「凶鳥の末裔」としての運命を背負ってゆくこととなる……。
ゲーム内での活躍
スーパーロボット大戦α
設定上の初出作。ゲーム本編には登場しない。
リン・マオが本編開始前のPTXチーム時代に搭乗していた機体とされ、その後はデータ収集機として本作のリアル系主人公機・ヒュッケバインMk-Ⅱの開発の元となった。
スーパーロボット大戦OGシリーズ
第1作目『スーパーロボット大戦OG』に登場。DC戦争の時にイルムガルト・カザハラの搭乗機としてハガネに配備され、L5戦役まで運用された。
GBA版の「OG」ではイルムがグルンガストに乗ってからはリュウセイ編では専属パイロットが不在となる(キョウスケ編ではリョウト・ヒカワが搭乗しているが、OGSでは彼の専用機が用意されておりやはり専属パイロット不在となる)。必殺技がなく、バルカン砲以外は全て換装兵器なので最終的にはリープ・スラッシャーをむしり取られて倉庫行きになってしまうケースが大半と思われるが、「分身」による回避力に優れ、換装武器の積載量では008Lに勝るため、武器改造費に余裕のある周回プレイ時などは本機で無双してみるのも一興だろう。
次作『OG2』『OG外伝』では登場しなかったが、その間に再びテスト用機体としてマオ・インダストリーに回収されエクスバインに改修されていた事が、同作のTVアニメ版『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』で明らかとなった。
続く『第2次OG』では、ヒュッケバインシリーズ全機が破壊されるという惨事の中、本機だけが何とか復旧可能な状態で生き残り、更にエクスバイン・アッシュへと改修される。そして遂には……。
スペック
分類 | 汎用型試作パーソナルトルーパー |
---|---|
形式番号 | RTX-009 |
全高 | 19.8m |
重量 | 60.4t |
動力 | 核融合エンジン(αシリーズ)、プラズマ・ジェネレーター(OGシリーズ) |
フレーム | Hフレーム |
基本OS | TC-OS |
開発 | マオ・インダストリー社 |
開発者 | カーク・ハミル |
所属 | 地球連邦軍 |
武装
OG1では換装武器の搭載容量を示す「Wゲージ」が全機体を通して非常に高く、これら以外に様々な換装武器を乗せて遊ぶことができる。
- バルカン砲
本機唯一の固定武装。ちなみにヒュッケバインの頭部には砲身がデザインされておらずどこから撃っているのかは不明。
- ロシュセイバー
刀身を重力波で形成する非実体剣。自軍入り時点ではかなりの高威力。
- ブーステッド・ライフル
実弾を発射する、射程と威力に優れたライフル銃。本機をベースに開発されたR-1のものと同じ。
- リープ・スラッシャー
扇型のパーツを空中に射出して円盤を形成し敵機を攻撃するブーメラン状の(おそらく)誘導兵器。
空間を跳躍して敵を強襲することができる設定だが、OGS以降この設定がオミットされたのか跳躍演出がカットされている。
OG1では換装武器となっており、高い性能を持つが故に中盤以降機体が充実してきたらむしり取られる事が多い。