概要
ヒュッケバイン009が改修され、型式番号と機体名称の変更を受けたもので、名称は「エクストラ・ヒュッケバイン」の略。系譜的にはヒュッケバインMk-ⅡとヒュッケバインMk-Ⅲの中間に位置する。
主なパイロットはリョウト・ヒカワ。
後のMk-Ⅲの開発に先立ち、AMボクサーやAMガンナーといったAMパーツとのフィッティングを調整するために用意された機体で、それぞれと合体し「エクスバインボクサー」「エクスバインガンナー」という形態を取ることができる。
動力炉は009同様、一般的なプラズマ・ジェネレーターを搭載。そのためトロニウム・エンジン搭載型のMk-Ⅲほどの出力は持たず、ボクサー・ガンナーの性能をフルに活かすことはできないが、それでも調整次第ではそれに迫るほどの能力を発揮するなど、秘められたポテンシャルは高い。
武装はMk-Ⅲとほぼ同じだが、ヒュッケバインMk-Ⅲトロンベ同様マルチトレースミサイルの代わりにテスラ・ドライブを背部に搭載しており、飛行が可能。
メカニックデザインはカトキハジメ。アニメにおいてもエクスバインの一部シーンの原画はカトキ氏自身が担当しており、スタッフロールにもきちんと原画担当者としてクレジットされている。
初出はアニメ『スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター』STAGE 08「凶鳥の眷属」にて(詳しい登場の経緯については後述)。
月のマオ・インダストリーがメキボスらの襲撃を受けた際、リョウトがテスト運用中のこれを起動させ応戦。リオと共にAMパーツを使いこなし、辛くもこれを撤退させた。
後にゲーム版『OG』シリーズにおいても登場することとなる。
登場の経緯
アニメ『ジ・インスペクター』はゲーム『スーパーロボット大戦OG2』を原作とした作品で、上述の登場エピソードもゲーム版の第23話「第三の凶鳥」を元としている。
原作ではヒュッケバインMk-Ⅲが登場する場面なのだが、この頃スパロボでは某版権作品の機体に類似した外観のヒュッケバイン系列機が急激に世間の目から遠ざけられられるという、所謂「ヒュッケバイン問題」が取り沙汰されており、本アニメにもそれを登場させることが難しくなっていた。そこで新たに、意図的にそれとは似ない外観を持つこの機体をデザインし、代打として登場させたといわれている(なお同様の経緯で、同作にはMk-Ⅲをガーリオンのパーツで偽装(?)した「ガーバイン」なる機体も登場している)。
なおこの機体の元ネタとなったのは、『スーパーロボット大戦α』に登場したヒュッケバインEX。こちらは009ではなく008L(ブラックホールエンジン搭載型の初代ヒュッケバイン)の改修機だった。
エクスバインもこの元ネタの設定を一部引き継いでおり、同様に作中で「ヒュッケバインEX」のコードネームで呼ばれたり、「当初開発を進めていた頃の機体色は赤だった」という設定があったりする。寺田プロデューサーはXでヒュッケバインシリーズの開発が凍結されたとき、コードネームのヒュッケバインEXからエクスバインに名前が変わり、色も紺色に戻されたと明かしている。マオ社が内緒で開発を続けていたらしく、凍結命令が不服だったのだろう、とのこと。
後にヒュッケバインの系譜を一旦仕切り直すという意味を込めて本機を作られた事が寺田氏とカトキ氏の対談で判明した。理由としては、αシリーズの時点でヒュッケバインシリーズは多くのバリエーションが登場したのでこのまま行くといずれインフレを起こす可能性があると危惧したためとのこと。
ゲームへの登場
アニメ放映後にリリースされた『第2次スーパーロボット大戦OG』にて早速デビューを飾る
……と思いきや、本作ではいきなり他の系列機と共にガリルナガンに破壊され、唯一修復可能な状態で生き残った本機はエクスバイン・アッシュに改修される(後にさらにエグゼクスバインへと生まれ変わる)。そのため、エクスバイン自体をプレイヤーが操作できる機会は無かった。
その後、外伝作『スーパーロボット大戦OGダークプリズン』劇中にて2機の追加生産が語られ、アクションゲーム『スーパーロボット大戦OG INFINITE BATTLE』に疑似的に参戦、続編『スーパーロボット大戦OGムーン・デュエラーズ』にてようやく操作可能な機体として日の目を見ることとなる。
頭部アンテナが長く赤いカラーの2号機「タイプL」、エクスバイン1号機と同じ青いカラーの3号機「タイプR」の2種類が存在し、それぞれエクスバインボクサー・エクスバインガンナーへと換装が可能(一方、AMパーツ未装着状態での出撃は本作ではできない)。
スペック
分類 | 試作改造型パーソナルトルーパー |
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型式番号 |
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全高 | 21.6m |
重量 | 55.5t |
動力 |
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基本OS | TC-OS |
MMI |
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開発 | カーク・ハミル |
製造 | マオ・インダストリー社 |
特徴
ヒュッケバインでありながらV字アンテナが廃されており、Mk-Ⅲの設計コンセプトが「小型・高性能化されたSRX」だった事を受けて頭部ゴーグルもSRXのそれを模したバンプレゴーグルになってる。
それまでの系列機とは明らかに異質なこのデザインの理由は、まず間違いなく上述の通りであろうと思われる。
バックパックから伸びる翼状のウイングはX字型に折り畳むことも可能。
バリエーション
ヒュッケバインEX
『スーパーロボット大戦α』に登場するパーソナルトルーパー。エクスバインの元ネタとなった機体。パイロットはイルムガルト・カザハラ。
EOT技術を採用したヒュッケバインのタイプ008Lの改良型(ベース機の違いがエクスバインとの最大の相違点)。出典のみに登場する機体で、後の『OG』シリーズには存在しない。
詳細はヒュッケバインEXを参照。
アッシュ
『第2次スーパーロボット大戦OG』に登場するパーソナルトルーパー。詳細はエクスバイン・アッシュを参照。
アッシュはフランス語の「H」にあたり、また「不死鳥は灰(Ash)の中から蘇る」という意味を込めたダブルネーミングである。
別の意味で似てると言ってはいけない。
アニメで颯爽と登場した機体がいきなり改修され、別の機体として生まれ変わった事に、多くのファンは驚かされた。
エグゼクスバイン
アッシュを更に改修して開発されたスーパー・パーソナルトルーパー。ブラックホールエンジンとトロニウム・エンジンを同時搭載し、念動兵器技術までもが盛り込まれた、ヒュッケバインシリーズの集大成とも呼べる超高性能機。
開発コードは「ダブルEX」「Mk-X」など。名称はEX(エクス)が二つである事に加え、シリーズ通算六番目のモデルである事から名称に「ゼクス(6)」が添えられている。
やはり別の意味で似ているとは言ってはいけない。
詳細はエグゼクスバインを参照。