あらすじ
とある別荘地に、一台の車がやってくる。夏の休暇を別荘で過ごそうというショーバー一家だ。夫妻と、息子が一人と、犬が一匹。
通りすがりに隣人のベーリンガーに挨拶をするが、そこにはベーリンガーとともに白い服を着込んだ見知らぬ二人の男がいた。
別荘につくと、夫ゲオルクと息子はヨットでセーリング、妻アンナはキッチンで食事の準備を始めた。そこへ先ほどの白服の一人が訪ねてくる。ベーリンガーからの使いでやってきた、卵をわけてほしい、と。
アンナは快く卵を渡すが、男は落として割ってしまう。礼儀正しい男に怒るに怒れないアンナ。しかし携帯電話を水没させられ、苛立ちが募っていく。
そこへもう一人の男が現れる。ずうずうしく家へあがりこみ、ゲオルクのゴルフクラブで勝手に試し打ちを始める。
やがてゲオルクと息子がヨットから帰ってきた。ゲオルクが憤慨して男をビンタすると、男は豹変。クラブでゲオルクの足を殴打し、骨を折る。
白服二人は家族を拘束し、家を占拠した。そして明日の朝までに一家を皆殺しにすると宣言。それはゲームとは名ばかりの嬲り殺しだった。
概要
ミヒャエル・ハネケ監督・脚本4作目。
シカゴ国際映画祭1997年監督賞受賞、カンヌ国際映画祭パルムドール・ノミネート。
なんの罪もない家族が二人のDQNによって嬲り殺しにされるという陰惨な内容に加え、犯人が第四の壁を越え観客にメタ発言をする挑発的な演出で、賛否両論を巻き起こした問題作。
カンヌ映画祭出展時は鑑賞者の途中退席が相次ぎ、ロンドンではビデオの発禁を求める運動が起こったといういわくつき。
暴力を扱った内容ではあるが、直接的な描写は見せない構図になっており、それを期待する観客をも裏切る。
そこには、暴力が娯楽として日常的に消費される現代に警鐘を鳴らす監督の意図がある。
日本公開時のコピーは「人間が一番怖い」。
2008年に、ハネケ監督自身でアメリカ合衆国でリメイクした『ファニーゲーム U.S.A.』が公開。
舞台と役者が違うだけで内容はまったく同じ。
キャスト
オリジナル役名 | オリジナル配役 | リメイク役名 | リメイク配役 | リメイク日本語吹き替え |
---|---|---|---|---|
アンナ | スザンヌ・ロタール | アン | ナオミ・ワッツ | 井上喜久子 |
ゲオルク | ウルリッヒ・ミューエ | ジョージ | ティム・ロス | 堀内賢雄 |
パウル | アルノ・フリッシュ | ポール | マイケル・ピット | 三木眞一郎 |
ペーター | フランク・ギーリング | ピーター | ブラディ・コーベット | 勝杏里 |
スタッフ・データ
オリジナル
製作 - ファイト・ハイドゥシュカ
撮影 - ユルゲン・ユルゲス
配給 - シネカノン(日本)
公開 - 1997年5月14日(フランス) / 2001年10月20日(日本)
上映時間 - 108分
製作国 - オーストリア
言語 - ドイツ語
リメイク
監督・脚本 - ミヒャエル・ハネケ
製作 - クリスチャン・バウテ / クリス・コーエン / ハミッシュ・マカルパイン / アンドロ・スタインボーン
製作総指揮 - ナオミ・ワッツ / ヘンガメ・パナヒ / ダグラス・C・スタイナー
撮影 - ダリウス・コンジ
配給 - 東京テアトル(日本)
公開 - 2008年3月14日(アメリカ) / 2008年12月20日(日本)
上映時間 - 111分
製作国 - アメリカ合衆国 / フランス / イギリス / オーストリア / ドイツ
言語 - 英語