概要
長いキャリアで様々な作品を撮っているが、代表作から「サスペンスの巨匠」と紹介されることが多い。銀熊賞・銀獅子賞の受賞歴がある一方でゴールデンラズベリー賞に5回ノミネートされるなど毀誉褒貶が激しいものの、世界中に信者を持つ。『スカーフェイス』のように公開時は酷評されたが、後に再評価された作品もある。
アルフレッド・ヒッチコックの熱烈なフォロワーであり、『愛のメモリー』は『めまい』の、『殺しのドレス』は『サイコ』の、『ボディ・ダブル』は『裏窓』のオマージュといわれる。
来歴
1940年9月11日生まれ、ニュージャージー州ニューアーク出身。イタリア系。幼少期はペンシルベニア州フィラデルフィアで過ごす。
大学卒業後はニューヨークで活動。1963年『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティ』に着手するも、後に作られた『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタン/BLUE MANHATAN2・黄昏のニューヨーク』の方が先に公開される(1968年、第19回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞)。
1970年、ワーナーブラザーズに招かれハリウッドに移住。ジョージ・ルーカス、フランシス・フォード・コッポラ、スティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシといった(後の)そうそうたるメンバーと知り合いになるも、依頼された映画をクビになってしまいニューヨークに戻る。
1973年の『悪魔のシスター』、1974年の『ファントム・オブ・パラダイス』が評価され、頭角を現す。
1976年、再びハリウッドに戻り、スティーブン・キングの小説を映画化した『キャリー』が大ヒット。監督としての地位を築く。
1987年、『アンタッチャブル』でショーン・コネリーにアカデミー賞助演男優賞をもたらす。
1996年、後にトム・クルーズの人気シリーズとなる『ミッション:インポッシブル』の1作目を監督する。
2007年、『リダクテッド 真実の価値』で第64回ヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞を受賞。
作品
『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタンシリーズ』1968年,1970年
『御婚礼/ザ・ウェディング・パーティ』1969年
『悪魔のシスター』1973年
『ファントム・オブ・パラダイス』1974年
『愛のメモリー』1976年
『キャリー』1976年
『フューリー』1978年
『悪夢のファミリー』1978年
『殺しのドレス』1980年
『ミッドナイトクロス』1981年
『スカーフェイス』1983年
『ボディ・ダブル』1984年
『Wise Guys』1986年
『アンタッチャブル』1987年
『カジュアリティーズ』1989年
『虚栄のかがり火』1990年
『レイジング・ケイン』1992年
『カリートの道』1993年
『ミッション:インポッシブル』1996年
『スネーク・アイズ』1998年
『ミッション・トゥ・マーズ』2000年
『ファム・ファタール』2002年
『ブラック・ダリア』2006年
『リダクテッド 真実の価値』2007年
『パッション』2012年