「でももう、あのときのちっぽけなあたしじゃないわ」
概要
原作漫画第二部、旧作アニメRに登場する。
ブラックムーンを陰で操るワイズマンに心の闇をつけこまれて洗脳されたちびうさの悪堕ち・大人化バージョン。
誕生の経緯
原作
月の王女の特徴である額の三日月マークが現れず、セーラー戦士にもなれずに「偽の王女」という噂を流されたちびうさは、静観を続ける母のネオ・クイーン・セレニティの愛情を疑っていた。
ブラックムーンから母と世界を救おうとして出会った過去の母・月野うさぎにも過去の父・地場衛にべったりなことで嫌われたと思ってしまい、止めに一人ぼっち同士と思っていた親友のセーラープルートが父キング・エンディミオンを愛していると知って絶望。時空の狭間から暗黒の世界に漂着してワイズマンに迎えられた。
旧アニメR
ちびうさの潜在能力を利用しようとしたワイズマンが彼女が一人になったタイミングで接触。超能力で彼女の記憶を読み、ちびうさが銀水晶を持ち出した際になぜか消滅してしまったことでブラック・ムーン一族の一次攻撃が成功したと知ると、その罪の意識を利用し力を求めるよう誘導する。誘われるままブラックムーンの前線基地に連れられたちびうさは、両親と未来の内部太陽系戦士の記憶を辛く当たられるという記憶(転んでも手を差し伸べない、誕生日パーティーをすっぽかす)へ歪められ、強い憎しみの意思で邪黒水晶の力を受け入れる。回りに現われた黒いリボンに包まれ真っ黒な裸体のように変化すると身体が急成長し、ちびうさはブラックムーンの新幹部・ブラックレディへと変貌した。
ワイズマンの命で現代へ向かい暗黒ゲートを開くため自らの力で邪黒水晶を急成長させるも、異常を察知したセーラームーン達が現われ、戦闘になる。その際セーラームーンと同行していたルナPが勝手にブラックレディの元へと動き出す。ブラックレディはそれを唯一の味方として抱き締めて受けいれる。
その態度から彼女の正体に気付いたセーラームーンは元に戻そうと幻の銀水晶と愛の力で、「手を差し伸べなかったのは自らの力で立ちあがってほしいから」であることや「30世紀の両親達は用事で行けなかっただけで、後日誕生日パーティを開いてくれた」という本当の記憶を思い出させる。しかしすかさず現われたワイズマンがその場で再洗脳を行い元に戻すのは失敗。彼女は立ち去ってしまう。
母への劣等感による容姿
「早く大きくなりたい」というコンプレックスと月野うさぎへの対抗心を反映してか、暗黒のエナジーでうさぎ達の年齢を少し上回る色気たっぷりな姿に変身した。
「体は大人、頭脳は子供」の逆コナン状態。
目つきは冷たく、ガラス玉のような瞳を持つ。チャイナドレス風の黒いキャミワンピース、赤いシースルーブラウス、ワインレッドの羽衣のようなストールをまとい、サテンのハイヒールを履いている。
ブラックムーンの証として同じ上下反転した黒い三日月を額に浮かべ、邪黒水晶のピアスもつけている。
ブラックムーンの異端者
ブラックムーンの証を身につけ、暗黒の女王をも自称するが、これはプリンス・デマンドの后を意味するものではなく、そもそもブラックムーン(デマンド)に対し忠義がない。
原作ではワイズマンの代行者あるいは代弁者とでも言うべき立場となっており、はっきりと彼に忠誠を誓っている。この態度にワイズマンの邪視の影響がどこまであったかははっきりしない。ワイズマンも「わたしのかわいいブラックレディ」と歪んだ愛情を注ぎ、彼女を導く者として望むまま力を与えている。
旧作アニメではワイズマンの真の目的も知らないまま洗脳されいいように利用されているだけで、ブラックムーンの他のメンバーとも関わりがない。そばに寄ってきたルナPをたった一人の理解者として迎え入れ、武器として使用している。
なおデマンドとしても、彼女はとてつもない執着を抱くネオ・クイーン・セレニティの娘ではあるがノータッチである。(特に原作では)デマンドは全知全能の神にも等しいネオ・クイーン・セレニティだからこそ手に入れたいのであり、その娘に特別な感情を抱かないのは当然と言える。
反抗と更生
原作
実質900年越しの反抗期であり、タキシード仮面を洗脳してセーラームーンから奪おうともした。
セーラームーンの「過去の幻の銀水晶」を奪い、所有する「未来の幻の銀水晶」との接触による時空を超えたパワーで世界を滅ぼそうとしたが、プリンス・デマンドにその企みを横取りされる。
そして世界を救うために時間停止の禁忌を犯したプルートの死によってセーラーちびムーンに覚醒した。
旧作アニメR
邪黒水晶で作り出した結晶状の前線基地の最奥にてセーラー戦士たちと対峙したブラック・レディ。世界を憎む彼女は暗黒ゲートを通して自身にダークパワーを注ぎこむことでその身ごと世界を破壊しようとするもネオ・クイーン・セレニティの姿を借りたセーラームーンとタキシード仮面が命を顧みずダークパワーの中で必死に説得、20世紀で感じたふれ合いの日々を思い出し、セーラームーンたちに抱き抱えられながら元のちびうさに戻る。そのまま未来の銀水晶を手に戦う意思を決め、セレニティの姿へと覚醒する。
なお、ちびムーンへの変身は次作のSに持ち越された。
余談
原作者の武内直子監修のPCエンジン版ゲームでは、旧作アニメのダーク・キングダムのアイテムだった黒水晶は、地球国で開発された邪黒水晶のレプリカであることが判明。
邪黒水晶と異なり、黒水晶は正しい心の持ち主のみが使うことができ、地球国の王子であるプリンス・エンディミオンの魂を持つ地場衛に力を解放された。
ちびうさは「幻の銀水晶」を操るセレニティの娘であると同時にエンディミオンの娘でもあるため、邪黒水晶を操ることができたことを示唆する内容となっている。(しかし邪黒水晶を誰よりもうまく扱えたのはワイズマン、あるいはサフィールであることには留意)
関連イラスト
関連タグ
逆玉ちびうさ…こちらは悪堕ちではないが、美少女戦士セーラームーンSuperS第31話でうさぎと年齢を入れ替えられた状態である。原作でも登場する。