概要
アンデス山脈に沿って広域(ベネズエラ西部、コロンビア北部、エクアドル北部、ペルー中央部、ボリビア北部)に分布するヘラクレスオオカブトの代表的な亜種。
学名は「Dynastes hercules lichyi」。
亜種名はベネズエラを拠点に研究活動を行っていたフランス人の蝶類研究者、ルネ・リシ氏に因む。
頭角先端は強く湾曲し、先端の突起がヘラ状になるのが最大の特徴。頭角中央の突起は1〜2本。
胸角は原名亜種と比較すると細く、上翅の色はオリーブ色〜飴色。
体毛は黄褐色をしている。
原名亜種と比較して角より体の方が比率が大きな体型をしており、同サイズの原名よりも横幅も勝る。
そのため人気の高い原名亜種と比較してアンバランスと評されることが多い。
しかしその迫力に魅力を感じる者も多く、根強い人気を誇っている。
雌雄に共通して小楯板はツルツルしている。
雑誌『ビー・クワ63号』によると、エクアドルでは雨期などにより前後するものの12〜4月にかけて発生し、コルカという木の樹皮を削って樹液を吸っている姿が確認されている。
標高500〜2000mに生息し、1500m前後の地点がもっとも個体数が多いとされる。
野外では原名亜種に次いで大きい170mmの個体が確認されており、エクアトリアヌスと隣接する地域の個体には特徴が中間の個体が得られることで知られる。
また、大型化することや原名亜種より安価に買うことができ、他ヘラクレス亜種同様温厚な性格であり飼育しやすいため外国産カブトムシの入門種となっている。
2022年現在飼育下での最大記録は180.7mm。
メディアでの扱い
生息範囲が広いため、昆虫図鑑をはじめメディアにて写真や映像が使われるヘラクレスオオカブトは本亜種であることが多い。
ダーウィンが来た!
2007年8月に放映された『カブトムシの王者!ヘラクレスオオカブト』ではオキシデンタリスやネプチューンオオカブトと共に登場、戦いを繰り広げた。
なお、リッキーとオキシデンタリスは同じエクアドルのヘラクレス亜種だが生息域が微妙に異なる。
2021年1月に放映された『ヘラクレスオオカブト 謎の大集結!』にて登場したヘラクレスオオカブトも本亜種である。
甲虫王者ムシキング
ヘルクレスリッキーブルーを参照。
この名称で登場した影響か、リッキー=青いヘラクレスと誤解されがちだが、本亜種に限らず青い上翅の個体は稀に出現する。
なお、原名亜種扱いのヘルクレスオオカブトは1億枚突破記念まではこの「リッキー」に近いグラフィックになっている。2006ダイナミックスタンドで超必殺わざ変更に伴い原名亜種に近くなった。
カブトクワガタ
本作のヘルクレスオオカブトのモデルは本亜種が採用されている。
カラーは黄色、黒、ブルー。
関連タグ
カブトムシ ヘラクレスオオカブトヘラクレスオキシデンタリス ヘラクレスエクアトリアヌス ヘラクレスレイディ