――「僕」は、善と誠実を信じる。けれど「オレ」は……悪逆をこそ愛する
プロフィール
真名 | ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド |
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クラス | アサシン(ジキル)/ バーサーカー(ハイド) |
性別 | 男性 |
身長 | 175cm |
体重 | 60kg |
出典 | 『ジキル博士とハイド氏』 |
地域 | 欧州 |
属性 | 秩序・善・地(ジキル)/ 混沌・悪・地(ハイド) |
好きなもの | 人の善と誠実(ジキル)、悪逆(ハイド) |
嫌いなもの | 悪逆(ジキル)、人の善と誠実(ハイド) |
設定担当 | 桜井光 |
ILLUST | 中原 |
CV | 宮野真守 |
人格の移行に伴い肉体さえ変化する、二重存在者。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
メインシナリオでは、第1部4章『死界魔霧都市 ロンドン』にて生前の姿として登場。
死をもたらす魔霧を晴らすためモードレッドと手を組み、市街を調査していた。
真名
小説『ジキル博士とハイド氏』の登場人物にして主人公、『ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド』――もしくはそのモデルとなった人物。自身の欲望を達成するための思いつきを実行した小説版(原作)の設定ではなく、1990年アメリカミュージカル版の設定が適用されており、人間の人格から「悪」を切り離す薬を発明することで、人類の平和に役立てようと研究を行っていた。効果を確かめるために自分で薬を使用したところ、自分の中の「悪」が具現化し人格を顕してしまい、やがて殺人を行って最後には自滅した。
Fate世界ではかつて実在した人物であり、医学や科学に精通した優秀な青年。かの名探偵シャーロック・ホームズやその相棒とも知己であり彼らの捜査に協力した。しかし、ホームズの協力者として数々の事件に触れていく中で「犯罪界のナポレオン」と呼ばれる存在に気付く。そして彼の悪のカリスマに魅せられてしまったジキルは自らの悪性に打ち勝とうと独自に研究を重ね、善悪の心を分離できる霊薬を開発した。しかし、ジキルはそこから生まれた「ハイド」の凶暴性を次第に制御できなくなり、最終的には小説と同様に服毒自殺を選んだ。
なお、彼の研究には時計塔植物科のアーシェロット家、そしてかの「犯罪界のナポレオン」が裏で手を回して援助・助長していたのだという。
人物
【ジキル】
一人称は「僕」。
誠実で理性的な善人――本来の人格。物事を深く考えるのが長所でもあり短所。
穏やかな見た目に反して正義感が強く、生前は「人間の内に潜む悪」に苦悩し、立ち向かった。
【ハイド】
一人称は「オレ」、または「俺様ちゃん」。
道徳心なき快楽主義者――「悪」の人格。反射的に全てを傷付けようとする悪意の反英雄。
ジキルの心に悪が潜んでいたのか、悪に乏しいジキル故に「この程度で済んだ」のかは不明。
アサシンのクラスでの現界のためか、ジキルはハイドを制御し切れずにいる。
けれどそれも、いつしか決着が付くだろう。善と悪の闘争の結末が……ちなみに以前の記憶は朧気なようだが、以前の召喚の折に失ったマスターのことは覚えているようである。
能力
狂気に飲まれ殺戮を繰り返したことからバーサーカー、"ジキル"の状態ではサーヴァントとしての気配を遮断出来る事からアサシンに適性がある。
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』ではバーサーカーとして召喚。⇒関連記事を参照。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | C+ | E | A+ | E | C | C |
保有スキル
気配遮断(A) | アサシンのクラススキル。自身の気配を消す能力。サーヴァントとしての気配を断つ、隠密行動に適したスキル。完全に気配を断てば発見する事は不可能に近くなるが、いざ攻撃態勢に移ると『気配遮断』のランクが大きく低下してしまう。 |
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無力の殻(A) | 精神と肉体がジキルの状態である間は三種の固有スキルが発動せず、能力値も落ち込み、サーヴァントとして感知され難くなる。通常の聖杯戦争であれば有効に働くスキルではあるのだが……『FGO』ではあまり効果的には使用されない。 |
怪力(B) | ハイドの状態で真価を発揮するスキル。魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性。一時的に筋力を1ランクアップさせる事が可能。持続時間はランクによる。 |
恐慌の声(A) | ハイドの状態で真価を発揮するスキル。聞く者の精神を弱らせる声を響かせ、対象に精神攻撃を行う。これのみ、バーサーカー時には確認されていないスキル。 |
自己改造(D) | ハイドの状態で真価を発揮するスキル。戦闘に特化した形態に自己の肉体を改造する能力。今回はアサシンとして現界している為、本スキルのランクは低く、あまり有効も働かない。僅かに手足が長くなっているかどうか、程度。バーサーカーとして現界した際に本スキルが発動すれば、『狂化』スキルによって強化されたパラメーターに相応しく、およそ人間には見えない狂獣の姿へと変化するだろう。 |
自己変容(B+) | 「自己改造(D)」が変化したスキル。詳細不明。 |
宝具
密やかなる罪の遊戯(デンジャラス・ゲーム)
- ランク:C→C+
- 種別:対人宝具
- レンジ:−
- 最大捕捉:1人
「どうなっても、知らないよ……」
「『密やかなる罪の遊戯(デンジャラス・ゲーム)』――来た来たァ!遊び〜ましょ〜ォ!!」
ジキルからハイドへ、ハイドからジキルへと変身する霊薬。
ジキルとして活動している時の彼はサーヴァントとしての能力を一切持っていないため、無力である代わりに探知もされないが、この霊薬を服用すれば「反英雄・ハイド」へと覚醒し、凶暴な獣人へと変貌する。ハイド時は三騎士クラスにも比肩する近接戦闘力を得る。
詳細は該当記事を参照。
シナリオでの活躍
モードレッド、アンデルセンと並ぶ第1部4章のキーパーソンの1人であり、また本章の時間軸であるAD.1888年の人間でもある。ロンドン市街のアパートに居を構えており、自宅を拠点にモードレッドと協力してロンドンを冒す“魔霧”の正体と原因を探っていた。モードレッドを介して主人公たちと出会い、事件解決のために協力していく。
第1部最終章『冠位時間神殿 ソロモン』でも援軍の1人として登場。モードレッドによるとサーヴァントなのか生者なのかあやふやな状態らしい。
メインシナリオでの縁からか、イベントでも度々モードレッドと一緒に行動している様子が描かれている。基本的にはジキル状態で登場することが多く、ハイドが登場する際は何かしらのサプライズで登場する場合が多い。また、「ジキルからハイドになる」のではなく「最初からハイドがジキルのフリをしていた」という名目でシナリオが描かれることも。イベントでは特有のノリでシナリオが描かれるからか、意外にも「ハイドに苦悩するジキル博士」という描写は現状少ない。
ゲーム上での性能
ランクは☆3で、荊軻以降ようやく登場した二人目の☆3アサシン。しかし、普通のサーヴァントとは一線を画す“クセ”を持つサーヴァントであるため、運用が難しい。
まずカード配分が《Quick:2/Arts:1/Buster:2》と、ランサー型の変則タイプ。
スキルは、「怪力 B」(3ターン攻撃力UP)・「恐慌の声 A」(スタン付与率UP+敵1体をスタン状態)・「自己改造 D」(3ターンクリティカル威力アップ)と、決して使い辛いわけではなく、状況に応じて使い分ければそれなりに戦える。
宝具は『密やかなる罪の遊戯』。
詳細は同項目にもあるが、この宝具を使う事でジキルからハイドへと変身する。
変身後はクラスがバーサーカーへと変化し、スキル効果も2重に入るようになる。
もちろん聖杯戦線でも使用することができ、その場合はアサシンとして参戦した後バーサーカーにクラスチェンジさせるといった戦法を取ることができる。誰が言ったか脱法バーサーカーである。
ちなみにセリフもモーションもジキルとハイドで変わるという、文字通り“一騎で二騎分のサーヴァント”を制作する労力が掛かった仕上がりになっている。宝具解放の演出もかなり凝っており、特にハイドに入れ替わった後のジキルの苦渋に満ちた影の動きは秀逸。
「自己改造 D」は強化クエストのクリアで「自己変容 B+」へランクアップ、【ジキル時に限りNP増加】の効果が追加。早期の宝具の解放やオーバーチャージ上げを狙いやすくなった。
関連人物
ジキル
第1部4章にて共闘関係にあったセイバー。
カルデア内でもしばしば「今日も顔色が悪い」等と因縁を付けられる間柄だが、イベントや幕間の物語などでよく共演している。真面目な委員長になぜか懐いているヤンキー少女のような関係。
夜通し話が続けられる程度には、学者系サーヴァントたちと相性がいい。
因みにバベッジとは第1部4章で共演し同郷のイギリス出身である。
『TYPE−MOONエース』掲載の短編小説にて、生前交友があったと明かされた名探偵。
事件の調査に度々協力してもらっていたらしい。
『TYPE−MOONエース』掲載の短編小説によれば、霊薬研究に協力していたとされる。
カルデアでは、彼の事を警戒している様子。
この世界で契約したマスター。
絆を深めるたびハイドに飲まれそうになりながらも、今度こそマスターを守りたいと思っている。
モードレッドと中の良い彼女とも第1部4章やマイルームで関わりがある。
なお、マイルームの反応から彼女の唸り声の内容がある程度分かる模様。
モードレッドの同僚達からはジキルは彼女の保護者として扱われている。
そのためか、円卓カジノにジキルが勤めていたりと準メンバーのような立ち位置。
ハイド
「この世全ての悪」を背負い体現する彼は、ハイドにとって憧れの対象である。なお、ハイドは元々が反転した存在の為アンリマユの泥の中でも平気でありむしろパワーアップまでしていた。
同じ人間を慕った同士とも言える存在。
しかし、ハイドと2人が出会った時はハイド以外は正気を失っていた。
同じ二重人格者であり、コラボイベント『空の境界/the Garden of Order』で交戦した。
あちらからは「二重人格者の先輩」と見られている。
「自分を肯定してくれた真のマスターと言える存在」……と言えば聞こえはいいのだが実際は泥に汚染させたら勝手にハイドが出てきて勝手に忠誠を誓っただけである。
余談
原作よりも霊基が不安定な彼だが、ジャック・ザ・リッパー(狂)や茨木童子の例を見る限り、以前バーサーカークラスで現界した際にはハイドの狂気とバーサーカーの狂気がマイナス×マイナス=プラス理論で打ち消し合って人格が安定していたのかもしれない。