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概要編集

てんとう虫コミックス37巻及び、藤子・F・不二雄大全集11巻に収録「かわいい石ころの話」に登場。


このクリームを石に塗ってからよく磨くと、犬のようになって飼いならすことができる。

仮に迷惑だからという理由で遠くに捨てたとしても、帰巣本能により必ず飼い主の元へ戻ってくる。


ストーリー編集

ドラえもんと共に『名犬ラッキー』というドラマを見た、のび太はこれに感動して、居間にいたママに話しかけるが、「犬なら飼いませんよ」と言われてしまった。どうして分かったのか聞くと、『名犬ラッキー』を見ていたことを言われ、のび太はドラえもんに相談することにした。


そこでドラえもんは「ペットクリーム」を出し、のび太は庭に出て目をつぶり掴んだ石ころに、このクリームを塗って磨くことにした。すると突然、石ころはのび太にじゃれてきたり、後を付いて来たりし、のび太はこの石ころに「クロ」と名付けた。そして公園で遊んでいた幼児達から餌の砂を分けてもらい、水と一緒にクロに与えると夢中で食べ始めた。


だが水を飲んだ後、部屋の隅で小便をし始めたため、止めようと大声を出したのでママがやって来てしまった。しかし何とか隠し通せ、散歩に出かけると獰猛そうな犬に遭遇してしまい、ピンチに思われたが、クロは撃退に成功し犬は逃げ出していった。その後、空地でのび太達は隙を見て土管の後ろに隠れ、それから口笛を吹いてクロに自分達の居場所をしらせ、あのドラマの名場面を再現しようと思ったが、クロはのび太の顔面に突っ込んできたため、のび太は痛い思いをしただけだった。


そしてその後、しずかジャイアンスネ夫にもクリームを分けてあげ、皆はそれぞれ水晶玉、漬物石、庭石をペットにして、スネ夫に至ってはこの石に「サムソン」と名付け可愛がっていた。だが夜になるとスネ夫の家の方から鳴き声が聞こえて来て、翌日話を聞くと、やはり声の主はサムソンで、庭をメチャメチャにしたり、夜通し遠吠えをしていたという。このことでスネ夫は母親からサムソンを捨てて来るよう言われ、仕方なくどこでもドアを借り、サムソンを青森県へ捨てることにした。


しかし五週間後、のび太達の元にサムソンは(摩耗しながらも)帰って来て、のび太としずかはこのことに感動するが、当のスネ夫は抱き着くサムソンの下敷きとなり苦しむこととなった。


アニメにおける原作との主な相違点編集

大山版は1989年7月28日に、水田版は2006年12月8日及び2011年8月12日、2021年5月22ににそれぞれ放送している。


1989年版編集

  • サブタイトルが「ペットクリーム」に変更
  • 『名犬ラッキー』はラッキーが車で連れて行かれ、それを飼い主の少年が追いかけるところからスタートしていて、少年の髪は金色だった。ちなみにのび太が来た時ママは台所にいた。
  • 犬が欲しいと駄々をこねるのび太をドラえもんは「幼稚園児みたい」と言っていて、「それならドラえもんがペットになってよ」とのび太が言って来たので、「僕はペットじゃない!」と反論した。だが「じゃあ代わりに何か出してよ」とのび太に言われ、この道具を出した。
  • のび太は最初、石のことを「石ちゃん」と呼んでいたが、それじゃあ可哀そうだよと、ドラえもんから名前を付けることを勧められ、「クロ」と名付けることにした。
  • 砂を美味しそうと言いながら集めるのび太に、子供達は引き気味になっていて、のび太もそれに気付き笑って誤魔化した。その後、クロは勢いよく砂を食べ過ぎたため、喉を詰まらせてしまい、のび太は水を持ってきた。
  • クロと戦った犬はブルドックで、ドラえもんは怖さのあまり、一人タケコプターで空に逃げてしまった。
  • クロはのび太がいないことに気付くと、寂しさのあまり泣き出してしまった。そして顔に跳びつかれたのび太は、痛さのあまりクロを叱ったが、ドラえもんからこれから少しずつ教えていけばいいと言われた。
  • ジャイアンとスネ夫は半ば脅す形でドラえもんからクリームを分けてもらっていて、ドラえもんもちゃんとかわいがることを条件にクリームを分けてあげた。
  • ジャイアンは漬物石に「がんた」と名付け、一方スネ夫は灯篭に「ロッキー」と名付けて、「アイデアの違いだね!」と自画自賛している。ちなみにがんたからは漬物の香りがしていたので、皆は少し引いていた。
  • スネ夫は「この石を捨てないと僕が捨てられちゃうんだよ!」と言って、ドラえもんとのび太にもロッキーを運ぶのを手伝ってもらっている。
  • ラストでのび太達は楽しそうに自分達の石の話をしていて、これにスネ夫だけは「僕はもう懲り懲りだね。あんな石のペットなんて!」と言ったが、その時ロッキーが帰って来た。これに3人は感動しスネ夫のことは忘れロッキーに駆け寄ったが、当のスネ夫は助けを求め続け、最後には気絶してしまった。

2006年版編集

  • サブタイトルには「ペットとの再会!感動のラスト!!」の文も追加されている。
  • 番組を見てドラえもんも「山を越え川を渡り、何百キロも離れたところから飼い主の元に帰ってくるなんて」と、感想を言っている。
  • ドラえもんものび太と一緒に自分の分の石も磨いたが、それが「チュー」と鳴いたため、慌てて逃げ出した。でもすぐに戻って来て、石の名前を「クロ」にしたらと提案している。
  • ママは怒ってのび太の部屋に来た際、顔を真っ赤にして頭には角を生やしていた。またこの時、クロがうろうろし出したため、2人は隠れるようジェスチャーでそのことを伝えている。
  • クロは空地に着いた際、穴を掘るのに夢中で周りが見えていなかったため、のび太達はこの隙に隠れることにした。ちなみにのび太は口笛を吹く際、手も使っている。
  • しずかは空地に通りかかったことで、ドラえもん達に会った。そして以下の2バージョンも同じ表現となっている。
  • クロはこの後、しずかの水晶玉と散歩をした際、犬を撃退していて、撃退した後はしずかの水晶玉にすり寄られ赤くなっていた。ちなみにこの時、犬は飼い主の男性と散歩中で、この光景にドラえもんは「ペットは飼い主に似るって言うけど、クロはのび太くんよりよっぽど頼りになるね」と言っている。
  • スネ夫とサムソンはその後、家の庭でキャッチボールやフリスビーをして遊んでいたが、サムソンが庭に穴を開けたり、灯篭を倒したりしてしまい、スネ夫はそれらを元に戻すのに手を焼いていた。更に晩御飯の時もサムソンが駆け回ったせいで、床が抜けてしまったり、骨川家が傾いてしまったりして、スネ夫は母親から怒られることになってしまった。
  • サムソンを捨てたのは、吹雪が吹き荒波が立つ崖で、スネ夫はボールをサムソンに拾ってくるよう投げ、その間にどこでもドアを閉じた。そしてスネ夫とどこでもドアがなくなっていることに気付いたサムソンは、汗を流しながら崖から遠吠えを上げていた。
  • ラストにはジャイアンも一緒にいて、スネ夫はサムソンがいなくなった悲しさから、我慢できず大泣きしている。ちなみにのび太は「あそこなら餌の心配はないしさ」と言ってスネ夫を慰めようとしていた。


2011年版編集

  • 冒頭にはそれぞれの愛犬とハグするブロンドヘアーの女の子と少年がイメージされていて、のび太はドラえもんに抱き着き、ドラえもんも「ごろにゃーん!」と甘えていたが、すぐ我に返り「何これ?」と言っている。またのび太は「名犬ラッシー」をDVDで見て感化され、ドラえもんはのび太に言われて後から視聴し、「何百キロも離れた所から飼い主に会いに帰ってくるなんて、感動した!」と大泣きしていた。ちなみにDVDの本編は少し長めに映っていた。
  • のび太は「石に好きも嫌いもないよ」と言いながら目をつぶり、石を掴んだ。
  • 砂場の砂を見てのび太が「美味しそう」と言ったので、ここにいた子供達がびっくりするという1995年版と同じような演出がなされた。
  • ママが来た時クロが鳴いたので、のび太は伏せをするよう言い、ママもクロに気付きジーッと見つめたが、クロが我慢しきったことでバレずに済んだ。
  • クロを散歩させた際、愛犬を抱いて散歩していた女性達は、クロを見てびっくりしていた。
  • クロは犬に口の中に入れられてしまったが、その中で大暴れしたことで撃退できた。ちなみにこの時、犬は飼い主の男性と散歩中で、クロは犬を撃退後、のび太からもう喧嘩はしないように注意されている。
  • 2006年版と同じく、クロは空地に着いた際、穴を掘るのに夢中で周りが見えていなかったため、のび太達はこの隙に隠れることにした。
  • クロはしずかの水晶玉と会った際、照れて赤くなっていて、これにドラえもんは「ペットは飼い主に似るって言うからね」と2006年版と似たことを言っている。
  • ジャイアンは漬物石に「つけ坊」と名付けている。
  • スネ夫は2006年版と同じようにサムソンと庭で遊んでいたが、駆け回った際に池にかかった橋も破壊していた。更に夜には遠吠えがうるさかったため、スネ夫は母親から近所迷惑だから何とかするよういわれてしまい、窓を開けて名前を呼んだが、これにより部屋などが破壊されてしまった。
  • スネ夫は2006年版と同じやり方でサムソンを捨てたが、捨てた場所はどこか遠くの大岩が点在する高原で、投げたのはフリスビーだった。またサムソンが高速道路を移動して人々に驚かれながらも、必死にスネ夫のもとに戻ろうとしたり、スネ夫が寂しそうな顔をしたりする場面が描かれている。
  • 皆が集まっていたのは空地で、2006年版でのび太が言っていたセリフはドラえもんが言っている。また皆は感動の再会に涙を流していたが、スネ夫は「感動してないで助けて」と言っていた。

2021年版編集

  • 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトル画面では、しずかは左側から石を見ていた。
  • ドラえもんとのび太が見ていたテレビ番組は『忠犬ヒチ公』というものだった。そのため犬の名前も「ヒチ」で、飼い主も大人の男性だった。
  • のび太がやって来た時、ママは台所で皿洗いをしていた。
  • 餌の砂は工事現場の男性からもらった。またのび太はクロにママには見つからないように忠告している。
  • ドラえもん達が出くわした犬はいつものび太を追いかけている犬だった。
  • しずかが来た時、クロはのび太の服に小便をかけてしまった。
  • 皆は公園でペットを見せ合いっこしていて、スネ夫は原作と同じだが、しずかは「クリス」、ジャイアンは「つけごろう」と名付けていた。そして皆はそれぞれ自分の愛犬とじゃれ合ったり、競争させたりして楽しい時間を過ごした。ちなみにスネ夫はサムソンにリボン付きの服も着せていた。
  • 一週間後、皆は空地に集まってそれからスネ夫の家で遊ぶ相談をしていて、そこにサムソンが帰って来た。これに感動する一同だったが、スネ夫は「感動してないで誰か助けて」と助けを求めていた。ちなみにサムソンを捨てた場所は遠い山奥としか言われていなかった。

関連タグ編集

ドラえもん ひみつ道具 ドラえもんのエピソード一覧


ムードもりあげ楽団おおかみ男クリーム:同じく水田版で3回アニメ化されたエピソード。


ペットロック:1970年代に流行ったおもちゃ。外部リンク


オヤジ・ロック:「藤子不二雄」(藤子・F・不二雄)による短編読み切り漫画。

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