マーサ(DQ5)
どらごんくえすとふぁいぶのまーさ
SFC版のグラフィックでは緑色の髪であったが、リメイク版以降は黒髪になっている。『小説 ドラゴンクエストⅤ』では長い黒髪の女性として描かれており(メイン画像参照)、それを意識したのか映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と『ドラゴンクエストウォーク』でも似たようなデザインとなっており、さらに緑のドレスを着ている。現在に至るまで正式な公式絵が存在しないキャラクターである。そのため、媒体によってデザインが異なる。
元々は魔界と人間界を繋ぐ門を守るエルヘブンの民。
エルヘブンの民は4人の長老以外は門番としての能力をほとんど失っているが、彼女は長老たち以上にエルヘブンの血を色濃く受け継いでいる。
またモンスターと心を通わせる能力を持っており、息子である主人公や孫である女の子にも受け継がれている。更に彼女はモンスターを人間にする能力をも持っているようであり、魔界のジャハンナの町の住民は大半が元モンスターである。設定だけなら歴代ドラゴンクエストシリーズの中でも上位のチート能力者といえる。
リメイク版ではパパスとの出会いのイベントがある。
一目惚れしたパパスと運命的な出会いを果たし、彼女もパパスに惚れて、お互いにまだ知り合って間もない相手と結婚を決めた上、反対意見を押し切った上でパパスと結婚。その後グランバニアで暮らした。
やがて主人公を産んだが、主人公が赤ん坊の時に魔界の門を開かせミルドラースが人間界に侵攻するための足掛かりを作るため光の教団の魔物によって魔界に誘拐されていた(opでは突然咳きこんでパパスに心配されるシーンで病弱であるかのような素振りがあり病死したとプレイヤーに誤認させるためと思われる)。パパスは幼少期の主人公には「産まれてすぐに亡くなった」と嘘をついた。
物語の終盤、いのちのリングを通して初めて息子とコンタクトを取る。
息子に魔界に来ないよう進言するが、主人公はそれを振り切って彼女が幽閉されている魔界の最奥、エビルマウンテンにまでやって来てしまう。
しかし再会の喜びもつかの間、ミルドラースを完全に封印しようとした彼女は逆にミルドラースに雷で撃たれて命を落としてしまった。(リメイク版ではさらにゲマにも攻撃されている)
そしてそんな彼女の魂を最愛の人が出迎え、二人は息子とその家族に対して温かな言葉をかけ、天へ召されてゆくのだった。その時間は30年近くに渡った。
小説 ドラゴンクエストⅤ
エルヘブンで暮らしていた少女時代の彼女のエピソードが存在し、スライムナイトのピエール(※当時はただのスライムだった)や、後にイブールとなる少年イーブとのやり取りが描かれている。
また、原作と異なりしっかりとミルドラース戦に参戦しており、そこでミルドラースの封印を試みている。
最期も、雷に打たれて死ぬのではなく力を使い果たして息絶えるという展開になっており、原作よりも活躍の場が増えたといえる。
ドラゴンクエスト ユア・ストーリー
独自の設定として、エルヘブンの民ではなく天空人ということになっている。
原作同様魔界の門を開きミルドラースを召喚できるため、ゲマによって誘拐され、結界に閉じ込められていた。
この作品のゲマは、ウルノーガのごとく彼女の身体から魔界の門を開く力を奪取することができるのだが、それには長い時間をかけて力を蓄える必要がある。
終盤、ついに力を蓄えたゲマによってマーサは殺害され、魔界の門は開かれてしまった。
そしてそれは、この「世界」を文字通り消し去ってしまうとんでもない存在を呼び出してしまうのであった。
ちなみにマーサ自身も「『今回の』ミルドラースは世界を消し去る力を持つ」という核心に迫った助言をしている。これは世界の真実に気づいていた発言といえる。