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CV:私市淳朝比奈省悟などとの兼役)


人物像編集

皇帝直属の騎士団・ナイトオブラウンズの一員で、地位は『ナイトオブテン』。マントの色はオレンジ。

『ブリタニアの吸血鬼の異名で広く知られている人物で、本人の自称は「殺人の天才」。

専用の搭乗機はパーシヴァル。直属の部隊として『グラウサム・ヴァルキリエ』隊を率いている。


非常に好戦的かつ残虐な性格であり、「命は尊く最も大事なもの」だときちんと認識はしているのだが、だからこそそれを奪う殺人や破壊、及びそれらを合法的に行える戦争そのものに至上の快楽を見出している完全にヤバい人。その一方で、この手のキャラには珍しく自分の戦果や功績に対する執着も強く、自分より手柄を立てて認められたり、名を広めた相手には露骨に敵意をむき出しにする。

戦いにおいては、とにかく相手を嬲り殺すようなやり方を好んでおり、特に自身の機体のメイン武装であるドリル型エネルギー武器『ルミナスコーン』を直接相手のコックピットにねじ込んで、「お前の大事なものはなんだ」と言葉で相手の恐怖心を煽りながらトドメを刺す外道極まりない手法がお気に入りな模様。また、場合によっては平然と味方を武器や盾として利用する下衆である。


他にも思想としては、いかにもブリタニアの貴族らしい差別意識を持っており(作中の台詞からするに純血主義者かそれに近い考え方)、ナンバーズ出身でありながらナイトオブセブンに上り詰めたスザクに対しては、露骨に偏見を持って見下しており、出会い頭にナイフを投げつける程に険悪である(スザクを嫌う理由は後述する)。

更に捕虜にされていたカレンに対しては、醜悪な言動でセクハラまがいの行為をしていた。戦場でもナンバーズの命を奪う行為に特に喜びを見出しているのが窺える。


その一方で、ゼロの本当の狙いがトウキョウであると瞬時に把握して、自分を増援としてトウキョウに送るようにナイトオブワンのビスマルクに進言したり、蜃気楼の絶対守護領域の弱点を見抜いて、あえて隙を見せてそれを突破したりと、情報分析力や戦術眼やそれらに基づいた判断力はかなり高く、「双貌のオズ」でレオンハルト・シュタイナーからは「狡猾な狩人」と評されている(尤も、そのような面でも無ければいくら実力至上主義のブリタニアとはいえ、こんな人物がラウンズになれる筈もないが)。


このように、あらゆる意味で「ブリタニアの負の側面」を濃縮したような人物であり、それ故に敵は勿論だが、味方のブリタニア軍内やラウンズ内でも彼を快く思わない者は多い。上記の通りスザクとの仲は最悪で、スザクと仲が良いナイトオブスリーのジノも、自分より年下ながらラウンズになった事へのやっかみもあるのか「家柄だけのお坊ちゃん」と見下しており、基本的には誰に対しても人当たりの良いジノの方からも冷たくあしらわれている。他にも小説版によると、シュナイゼルの副官であるカノンからも「最悪の男」呼ばわりされて嫌われている(シュナイゼルの方は「時にはああいう男も必要」と一応はフォローしていた)。

一方で、後述する理由からビスマルクには頭が上がらないらしく、スザクと睨み合っていた際には、ビスマルクに制止されて渋々従っている。


とまあここまで色々と書いてきたが、一言でまとめるとぶっちゃけその言動やビジュアルは、完全にただのチンピラか、世紀末でヒャハーしているようなモヒカンそのものな人物である(上記した通り、決してそれだけに収まらない狡猾な面も多々あるが)。

作中では、スザク達お馴染みのメンバーに次いで新たなラウンズとして登場したものの、視聴者からの評価は「分かり易い噛ませが来た」だの「こいつ死ぬな」だのと、まあ散々なものだった。

また、彼が率いるグラウサム・ヴァルキリエ隊が、非常にハレンチな格好をした女の子の部隊だった為に、むしろ「ヴァルキリエ隊のおまけ」扱いされていた始末である(まあ結局、そのヴァルキリエ隊の登場も一瞬だったのだが)。


合衆国軍とブリタニアの戦争では、黒の騎士団のナイトメア部隊を楽しそうに嬲りながら活躍していたのだが、途中でゼロの本当の狙いがトウキョウであると分かった為に、ビスマルクに自ら進言してヴァルキリエ隊と共にトウキョウに向かう。

そして第二次トウキョウ決戦においては、ゼロの操る蜃気楼をヴァルキリエ隊にハーケンで拘束させて攻撃し、絶対守護領域の弱点を突いてゼロを後一歩のところまで追い詰めるが、脱出したカレンの駆る紅蓮聖天八極式の介入によってそれを阻止される。

そのまま紅蓮と交戦するも、機体の最終調整が終わっておらず、最大出力の60%しか出せない状態の紅蓮のスペックをフルに引き出して、機体を完璧に操るカレンに為す術もなく圧倒され、切り札であるゼロ距離のヘッドハーケンも完封されてしまい、自分がカレンに向けた煽り文句を逆にカレンから放たれて逆上するも、そのままゼロ距離幅射波動で機体ごと内部から吹き飛ばされ、自分がナンバーズに命を奪われる現実を受け入れられないまま死亡した。


初登場から僅か3話での退場であり、彼がラウンズの中では最初の戦死者になる。

事前の大方の予想通り、いっそ清々しい程に見事なまでのかませ犬だった。


しかしぶっちゃけ彼だけに限らず、ラウンズのメンバーは結局作中ではその殆どがかませ犬扱いで終わっており、その中でも彼は戦闘では普通に活躍したり、出力60%ながらも第九世代機である紅蓮聖天八極式にある程度は張り合ったりと、これでも普通に優遇されている方である。

少なくとも機体すら映されずにスザクに瞬殺されたトゥエルブのモニカや、フォーのドロテアよりは遥かに優遇されている(むしろ「何故この2人ではなく、こいつに尺と労力を割り振ったんだ?」ともファンからは疑問符を上げられているが)。


余談編集

漫画『双貌のオズO2』にて、パーシヴァルが開発される前はヴィンセントに乗っていた事が判明した。白ロシア戦線で活動した際に使用した機体であるらしい。

エリア24に立ち寄った際のささいな情報から、総督のマリーベルが何を企んでいるのかを察するなど、情報分析力の高さが改めて描写されており、上記の通りレオンハルト・シュタイナーからは「狡猾な狩人」と評されている。


また、本国では流血を好む貴族として悪名を広めていたが、ビスマルクに征伐されたのを契機に皇室に忠誠を誓うようになった経緯も明かされており、皇室すら基本的には全く敬わずに傍若無人に振る舞う彼が、ビスマルクの指示には比較的素直に従うのはこういった事情もある模様。

また、意外にも部下に対してある種の面倒見もあるようで、第二次トウキョウ決戦において部下のマリーカ・ソレイシィが不安を抱いている本心を見抜いて、「命の奪い合いに集中しろ、できないなら出撃は認めない(要約)」と発破をかけていた(その後の結末は勿論変わらないが)。


また、スザクを嫌っている理由は外伝漫画及び『ロストストーリーズ』によると、当初は「面白い奴」として興味を持っていたようだが、初めての共同戦線となったEU攻略戦の際に、『生きろ』のギアスが発動したスザクが自身を無視して狙っていた大将首を含めた敵を全滅させ、あまつさえ正気に戻った際にその時の記憶が無いが為に、ルキアーノの手柄と誤解した事によってプライドを傷つけられたことから「二度と肩を並べて戦う事は無い」とまで嫌うようになったという経緯である。


劇場版では、ラウンズに就任したスザクに挨拶代わりとしてナイフを投げて出迎えており、どうやらこのスタイルついては単純にスザクが嫌いなだけでなく、本人なりの腕試し兼流儀である模様。大方の流れや作中での立ち位置や結末は変わらないものの、何故か率いていた部下が全員野郎に変更されている(ルキアーノ関連では最大の見せ場なのに……)。しかもその内1人が、マリーカの兄のあのキューエルだったりする。

そして、野郎共に遠慮は無用とばかりに全員まとめて紅蓮に殺された。


これらすべてを踏まえれば、最もブリタニアの弱肉強食に忠実な一方で命は万人に一つしかない平等なものであることを誰よりも理解しているからこそ、貴族らしく主君や国に捧げる尊さを重んじる一方で、それを奪うことの喜びを悦楽としている良くも悪くも流血を好む貴族らしい思考と命に対する独特の美学を持っていることがうかがえる。


関連タグ編集

コードギアス ナイトオブラウンズ

紅月カレン 枢木スザク ジノ・ヴァインベルグ アーニャ・アールストレイム

ビスマルク・ヴァルトシュタイン ドロテア・エルンスト ノネット・エニアグラム モニカ・クルシェフスキー ヴァルキリエ隊

かませ犬


グリード・カークウェイングラン・カークウェイン:彼が戦死した七年後に現れた旧体制復権派の騎士。性格、趣向共に似通っているように見えるが、この二人は実際の能力は皆無に等しく、ルキアーノのような独特の美学もない正真正銘のチンピラで、貴族のドラ息子共。実力と独自の美学を持つルキアーノとは決定的に違う。


マンジェロ:残虐な人格破綻者にして、自身の専用機『ハードコーン』なるドリルを扱う等、幾つかの共通点がある。

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