概要
「レジェンド・オブ・ミシカ」は、2006年7月14日~2014年9月7日に東京ディズニーシーの2代目レギュラー・デイタイム・ハーバーショー(昼間恒常)として公演されていた水上ショーである。
「ミシカの伝説」という架空の伝説に基づいたストーリーで繰り広げられるのが特徴。
出演者はなんと約130人だったという。
また、大小さまざまなバージ(船)や2種類の水上バイクなどが登場し、中心に固定されるキーバージは最高で18メートルの高さにまで到達する。
***
2001年9月4日(東京ディズニーシー・グランドオープン日)から2006年5月7日まで公演されていた、ポルト・パラディーゾ・ウォーターカーニバルの後継ショーとして始まった。
また、初日の2006年7月14日は「東京ディズニーシー5thアニバーサリー」の初日でもある。
2004年7月にポルト・パラディーゾ・ウォーターカーニバルで導入された「手話パフォーマー」は、当ショーでも継続された。
ただし開催日時が限られており、実質場所もフォートレスエクスプロージョン横とあまり目立つ場所ではなかったこともあって知る人は少なかった。
***
2009年2月4日から同年2月13日の期間は休演された。
天候などの理由に拠らない、まとまった期間の休演は、ポルト・パラディーゾ・ウォーターカーニバルを含めても初のことであった。
***
2013年6月19日に、翌年2014年9月7日をもって上演終了との公式発表があり、ファンの間に激震が走った。
当ショー終演から10年が経った今日(2024年9月7日)でも、後継(3代目)となる昼間恒常の水上ショーは発表されていない。
またこのショーの終了直後より、メディテレーニアンハーバーの改修工事が2015年2月末まで行われた。
ストーリー
遠い昔、ドラゴンやユニコーンなど伝説の生き物たちは、豊かな地球と無限の空を自由に行き来していました。
彼らの美しく素晴らしい姿によって、埋め尽くされる空。
ドラムのリズムによって人間と神話の生き物が共に踊り、地球と未知なる世界は喜びに満ちた時を過ごしていました。
しかしある日、人間は争いを始めリズムを奪い合い、ほどなくしてハーモニーは失われてしまいます。
リズムとハーモニーが失われた事により、生き物たちは神秘の世界であるミシカに戻り、再び人間がハーモニーと共に仲間として戻って来るのを待ちます。
心優しい生き物たちは、人間と楽しく踊り、ひとつになる時を待ち焦がれます。
希望を胸に、伝説の生き物たちは『古代のカギ』を残していきます。
人間達の準備が出来たとき、彼らを招き、ミシカへの門が再び開けられるように。
そして何百年も経った今、世界中を旅したディズニーの仲間達が、リズムとハーモニーと共にこのラグーンに集まります。
みんなで力を合わせてミシカの魔法の世界の門を開くために!
(東京ディズニーシー(R) レジェンド・オブ・ミシカ 2011(CD)より)
ストーリー構成
当ショーは全6章+時期変わりエンディングの計7つで構成されている。
【公演15分前から】
メディテレーニアンハーバーの中心に、キーバージが固定される。
また、BGMも専用のものになる。
2006年7月19日~2007年3月31日
曲名 | 歌手 |
---|---|
Umoya | ミリアム・ストックリー |
Adiemus | アディエマス(カール・ジェンキンス) |
Kayama | アディエマス |
2007年4月1日~2007年12月31日
曲名 | 歌手 |
---|---|
Umoya | ミリアム・ストックリー |
Kayama | アディエマス |
Hymn | アディエマス |
Adiemus | アディエマス |
Sabancaya | ミリアム・ストックリー |
Rainsong | ミリアム・ストックリー |
Umoya | ミリアム・ストックリー |
kayama | アディエマス |
【第1章】
《プロローグ》
「ダイヤモンドの女神」が「レジェンド・オブ・ミシカ」の開幕を告げる。
【第2章】
《ミシカ・オープニング / バージ・ファンファーレ / ザ・レジェンド・パート1》
「ミシカの伝説」に伝わる、過去の出来事が語られる。
ここで、以下の伝説の生き物(幻獣)をかたどったバージ(船)が登場する。
以下、伝説の生き物などの呼称は公式に準じる。
【第3章】
《ザ・レジェンド・パート2 / トゥ・ザ・ランド》
ミシカの門を開くため、ディズニーキャラクターたちがラグーンに集う。
ディズニーキャラクターたちはそれぞれの精(精霊)に扮する。
ミッキーマウスはキーバージから、彼以外は先ほどのバージから登場する。
終盤で、フォートレス(プロメテウス火山の前にある要塞)から、赤いドラゴンの水上バイクが描く隠れ文字「love」を見る事ができた。
【第4章】
《ランド・セレブレーション》
リズムとハーモニーを取り戻すため、ゲスト(観客)を巻き込んで手拍子をする。
また、ディズニーキャラクターたちが各エリアで陸地に上陸する。
そのため、エリアによってキャラクターごとに若干異なる煽りがされる。
序盤にフォートレスから、当時のディズニーシー最大の隠れミッキーを見る事ができた。
この隠れミッキーは、白いヒッポカンポスのような水上バイクが描くため、強風などでカイト(凧)が飛ばせ無い場合にのみ、耳の位置を変えて2バージョン見る事ができる。
ただし、ブラヴィッシーモ!終了後の工事でメディテレーニアンハーバー内が狭くなっていた期間は、必ず2バージョン見る事ができた。
【第5章】
《ゴッデシーズ / ファイナル》
人々の心がひとつとなったとき、ダイヤモンドの女神が再び現れる。
彼女が世界へ向けて歌い始めると、澄んだ歌声に導かれて5人の女神が蘇った。
彼女たちの美しい歌声が海と陸に響き渡り、ミシカの生き物たちを呼び戻す。
この生き物たちはオーディオアニマトロニクスを使用して作られており、火を噴いたり翼を動かしたりと、リアリティのある動きをする。
登場する生き物は以下の通り。
名前 | 見た目の公式呼称(一般呼称) | 属性 | 司るもの |
---|---|---|---|
Magicus(マジカス) | ドラゴン | 土 | イマジネーションの世界 |
Aerius(エリウス) | ユニコーン(ユニサス) | 天 | 願いをかなえる |
Aquatica(アクアティカ) | ヒドラ(ヒュドラ) | 海 | 夢を与える |
Ashin(アシン) | フェニックス | 火 | 謎を解く |
全てのキャラクターとバージが集結し、フィナーレを迎える。
【第6章】
《フィール・ザ・ラブ》
固定エンディング。
最後に出て来た生き物たちが帰還していく。
【エンディング】
時期によって異なる曲が流れる中、キャラクターが乗った生き物をかたどったバージ→キーバージの順で帰還していく。
期間 | 使用された曲 | 変更理由 |
---|---|---|
2006年7月14日~2008年4月7日 | Sea of Dreams | 初演当時の曲 |
2008年4月8日~2009年4月14日 | The Dream Goes On | 東京ディズニーリゾート25thアニバーサリーの一環 |
2009年4月15日~2011年9月3日 | Sea of Dreams | 上記周年期間の終了のため |
2011年9月4日~2012年3月19日 | It'll Be Magical! | 東京ディズニーシー10thアニバーサリーの一環 |
2012年3月20日~2013年4月10日 | Sea of Dreams | 上記周年期間の終了のため |
2013年4月11日~2014年3月20日 | Happiness Is Here | 東京ディズニーリゾート30thアニバーサリーの一環 |
2014年3月21日~2014年9月7日 | Sea of Dreams | 上記周年期間の終了のため |
本編演出の改変
変更日:2007年4月1日~
・曲の一部のカットやセリフの変更。
これにより、約3分ほど公演時間が短くなった。
・キャラクターたちのセリフの追加。
・キャラクターの船が上陸する配置の変更。
・伝説の生き物(前述)が登場する順序の変更。
・上陸したダンサーの大半が陸上を歩いて退場するようになる。
余談だが、Blu-ray/DVDおよびCDに収録されているのは変更前のものである。
特別編
マジカル・ファンタジー・パーティ
企業などによる貸し切り営業である「マジカル・ファンタジー・パーティ(マジカル・イブニング・プライベート・パーティ)」の際に特別に実施される。
・普段昼間に行われているショーを夜に開催する。
・ダンサーやキャラクターの上陸が基本的に無い。
という特徴があり、開催前の挨拶以外は事前のリハーサルが必要なためにあまり実施されていない。
【過去に開催された内容】
・開催前にセレモニーバージ(メイヤーバージ)で主催団体の長などが挨拶に登場。
・途中でキーバージに主催団体の特別ゲストが登場。一曲歌った後に主催団体の代表者と他のバージに乗り移り、ハーバーを一周して下がっていく。
・ミシカの伝説に登場する生き物たちが出てきた後に、セレモニーバージで主催団体代表者等が出てきて挨拶。第6章の曲から最後まで一緒に参加して先頭で帰っていく。
・ショー終了後に流れる曲(Sea of Dreams)の代わりにセレモニーの曲が流れ、セレモニーバージで主催団体代表者等が出てきて挨拶してから別の曲と共に帰っていく。
年越しカウントダウンイベント
- ニューイヤーズ・イヴ・セレブレーション2007
・レジェンド・オブ・ミシカの変更版が行われた。
・スペシャルゲストとしてMISIAが登場し、「Sea of Dreams」を歌う。
・新年直後の花火の音楽は「Light Up the Sky」
- ニューイヤーズ・イヴ・セレブレイション2008
・2007年同様、レジェンド・オブ・ミシカの変更版が行われた。
・ダンサーの上陸は無し。
・両パークでの25周年を迎える年へのカウントダウンということで、カウントダウンが通常の20から25になった。
・新年直後の花火の音楽は「Light Up the Sky」
- ニューイヤーズ・イヴ・セレブレイション2009
・2007年同様にレジェンド・オブ・ミシカの変更版が行われた。
・2008年同様にダンサーの上陸は無い。
・両パークでの25周年開催により、カウントダウンが通常の20から25になった。
・新年直後の花火の音楽は両パーク共通で「魔法の鍵~The Dream Goes On」
別名・表記ゆれ
関連タグ
【関連するショー】
2013年の東京ディズニーシー版ハロウィーンショー。
メディテレーニアンハーバーでのハロウィーンのカーニバルが開催される。
この年はミッキーマウスを驚かせようと、ドナルドダックたちが去年仲良くなったスケルトンたちを巻き込んでサプライズパーティーを行うことになった。
カーニバルが始まると「レジェンド・オブ・ミシカ」の水上バイクや、「ミシカの伝説に登場する生き物」の船に乗ってスケルトンたちがやって来る。
続いて、ドナルドダック、チップとデール、グーフィーが呼んできた海賊スケルトン、中米のスケルトン、アフリカのスケルトンがやって来てダンスを行う。
最後にはメディテレーニアンハーバーに集まったゲストも巻き込んで「スケルトンダンス」を踊り、ミッキーマウスを驚かせる。
2020年1月10日から東京ディズニーランドで開催された、ミニーマウスが主役のスペシャルイベント「ベリー・ベリー・ミニー!」の一環として公演された。
ミニーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちが繰り広げるレビューショー。
ラテンスタイルに始まりロマンスやクラブなどのシーンに合わせて、これまでパークで行われてきたエンターテイメントの音楽やコスチュームとともに、さまざまなスタイルを披露する。
約25分のショー内でミニーマウスが10着の衣装を着用するのが特徴。
当初は3月19日までの開催予定であったが、新型コロナウイルスによる影響で2020年2月28日に繰り上げて終了した。
こぼれ話
正式に公演が始まって最初に迎えた土曜日である2006年7月15日。
雷雲接近の影響を受け、「レジェンド・オブ・ミシカ」は公演中止となった。
この時パーク中央にあるプロメテウス火山の背後に稲妻が何度も見え、ショー開始直前だけではあるが短い通り雨が降った。
雷雲が通過した14時30分過ぎ、5月7日に終了したショーである「ポルト・パラディーゾ・ウォーターカーニバル」の衣装を身にまとったミッキーが登場。
MISIAの「Sea of Dreams」が流れるハーバーをゆっくりと「キーバージ」に乗って周遊した。
ただしこれはこの日限定のものではなく、「レジェンド・オブ・ミシカ」の雨天バージョンの準備が出来ていなかった為であり、その後もしばらくは雨天キャンセル時に同内容のグリーティングが行われた。
~*~*~*~*~*~
2011年3月11日、東北三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東日本大震災が起きた際、この時丁度ショーのクライマックスシーンが公演されていた。
当然ショー自体は地震発生後途中で公演中止となり、アナウンスでは「ショーの途中ですが、システム不具合により、中止させていただきます」と案内された。
しかしこの時はショーどころの問題ではなく、パークのある舞浜地区は震度5弱の地震に見舞われパニック状態であった。
また、揺れによりスピーカーが折れる、駐車場の液状化現象などの被害があった。
ちなみに、ランドでも丁度「ジュビレーション!」の公演がスタートし、最初のフロートがホーンテッドマンション前を通過中に地震が起きた。
その後、パレードは中止となった。
~*~*~*~*~*~
そして迎えた最終日、最終公演が公演された2014年9月7日。
ゲスト(観客)たちは開園と同時にメディテレーニアンハーバーを埋め尽くし、通路を塞ぐ一歩手前というほど集結していた。
しかしこの日は朝から雨風が強く、時折大粒の雨と強風が吹き荒れるという悪天候に見舞われる。
この悪条件の中、果たして無事に開演されるのかと心配されていた。
だが開演30分ほど前になると雲が切れ始め、最後には青空までもが顔を出すという奇跡が起った。
先週までは風が強くショー中の幾つかの要素がカットされる短縮バージョンだった中で、最終回はほぼ無風であり、どの要素もカットされることの無い完全バージョンで幕を閉じることとなった。
公演中も、観客たちから合いの手や拍手などがあちこちで上がり、通常以上の一体感に包まれていた。
ショーの最後「Sea of Dreams」までもが終わり、ミッキーマウスから「バイバーイ、また、会おうね」のセリフが発せられると、観客からは大喝采が上がる。
鳴り止まない拍手の中、キーバージがアクアダクトブリッジの下をくぐったところでミッキーマウスが再び顔を見せてくれた。
こうして再度上がった歓声と、鳴り止まない大きな拍手の中
「レジェンド・オブ・ミシカ」は真なる伝説となった。
参考資料
名称:レジェンド・オブ・ミシカ
形態:写真集
型番:ISBN:978-4062190190
名称:東京ディズニーシー ザ・ベスト -夏&レジェンド・オブ・ミシカ-
形態:Blu-ray/DVD
型番:Blu-ray:VWBS8779
DVD:VWDS8779
名称:東京ディズニーシー(R) レジェンド・オブ・ミシカ 2011
形態:CD
型番:EAN:4988064128723
名称:東京ディズニーリゾートキッズガイドえほん レジェンド・オブ・ミシカ
形態:絵本
型番:ISBN:13:978-4062187510
名称:公式サイト
形態:サイト
メモ:リンク先のページが消えているため、編集者がコピペしていたメモを参考にしています
名称:Wikipedia
形態:サイト
メモ:まとめてくださった先人たちに感謝を