概要
ワグネルとは、ワーグナーのロシア語読み。本記事ではロシアの民間軍事会社について解説する。
登場したのは、2014年のクリミア半島でのロシアの侵攻及びその後のドンバス紛争からで、そこからアフリカの国々やシリアでロシアの意向に沿って暗躍していると言われている。
それを調査しようとしたジャーナリストが何者かに殺害されるといった黒い噂や疑惑が取り沙汰されている。
名前の由来は創設者のドミトリー・ウトキンの無線のコールサインとされており、ワーグナーの記事にあるように、ナチスのイデオロギーの要素が見受けられるので、白人至上主義やネオナチの結びつきが指摘されている。
ウクライナ侵攻以降の動き
長引く戦闘による戦死者の増大に伴う兵員の不足に対して、ロシア連邦軍のように徴兵による動員が出来ないため、何と幹部が刑務所に赴いて恩赦による減刑と釈放と引き換えにウクライナで戦う戦闘員を募集するという漫画やアニメもしくはハリウッド映画の様な事を起こしている。
一見囚人にとっては有利なように見えるも、まともな訓練も受けずに前線に送られて、危険な任務につくことでの戦死と捕虜になった場合の裏切り者扱いでの処刑という救いのない展開に陥ることになる。
因みに人数が多いためか、生き残った囚人はそれなりに居る模様。だが生き残って恩赦を与えられた元囚人兵達は、帰国後に新たな犯罪行為に手を染めるという事例が後を絶たず、ロシアの治安は更に悪化している。結果、囚人→囚人兵→恩赦で釈放→再犯で逮捕→再度囚人兵…というパターンすらある有り様。
メイン画像のプリゴジン氏が募集を行っている動画が投稿されている。
ワグネル反乱
ウクライナ侵攻も含めてロシア連邦の傘下同然の振る舞いが目立つPMCだったが、2023年6月23日に突如ロシア軍に対する反乱を起こし、その影響でロシア連邦では一時厳戒態勢が敷かれる事態になった。これは西側諸国も含む全世界を騒がせる大事件となったが、ベラルーシ大統領のアレクサンドル・ルカシェンコによる仲介もあり、この反乱自体は本格的な全面戦争に発展する前に収束した模様。
しかしながら、ワグネルの攻撃でロシア軍にも被害が出ており、特に航空機が多数撃墜され死者を出している。
なお2023年6月25日現在の情報によると、ロシア正規軍との確執が武装蜂起の背景にあるのではないかとのこと。また、アメリカ政府の分析によると、プーチン露大統領もワグネルの武装蜂起計画を事前に把握していた可能性があるらしく、もしこれが事実なら、あのプーチン氏をして反乱を止められなかったことから、政権上層部での足並みの乱れや内部対立が発生している可能性もあり得るとの見方を示している。
その後事態は終息したかにみえたが、プリゴジンを含む幹部数名が乗っていた飛行機が墜落し、乗員乗客全員が死亡した。なおこの墜落は、ロシアによる暗殺ではないかと疑われている。
アフリカでの活動
反乱によりウクライナ戦線から外されたワグネルであったが、アフリカ等では依然として活動を続けている。
だが2024年7月、マリ共和国で現地武装勢力の襲撃を受け、80人以上が死亡するという大損害を出している。それぞれ違う派閥の武装勢力から連続で攻撃を受けたこと、武装勢力が入念な準備をしていたことなどが理由とされている。
関連イラスト
タグの殆どがエフゲニー・プリゴジンのイラストが多い
関連タグ
ロシア ウラジーミル・プーチン おや、誰か来たようだ 私兵 おそロシア ウクライナ侵攻 民兵 傭兵 戦争屋 ワグネル反乱
武装親衛隊:ナチスドイツの軍事組織。独裁者の私兵である事とウクライナ侵攻の際のロシア連邦軍との不協和音の状況が、正規軍のドイツ国防軍と対立している状態に類似している。