概要
高校時代から演劇活動を開始し、高校卒業後は画家を志望して東京藝術大学を受験するも落第。故郷に戻るのが嫌で文学座に裏方として入団し、4年後に役者へと転身。しかし29歳の時に自動車事故に巻き込まれ片目を失明する。
1963年、芥川比呂志らと共に「文学座」を退団し、「劇団雲」旗揚げに参加。
1970年、黒澤明監督作品『どですかでん』で浮浪者の父親役に起用され、映画やテレビドラマからの出演オファーが増えた。
1975年、「演劇集団 円」に設立メンバーの一人として参加。別役実作や、蜷川幸雄演出の舞台作品に数多く出演。
1970年代頃までは自身の演じる役が子供に言いにくかったが、『ウルトラマンタロウ』にてわずか3話のみの登場だったが、スキー事故で降板した東野英心に代わり第51話から最終回まで防衛チーム・ZATの二谷一美副隊長役のオファーを受けた際、初めて子供に言える役をもらえて嬉しかった、と述べている。
気の弱い男性役・不当に虐げられる役・詐欺師・道化役まで幅広く担当。特異な風貌から不気味な悪役も数多く演じており、『宇宙刑事ギャバン』の魔女キバのように男性でありながら妖婆役を演じることもあった。
日活ロマンポルノにも多数出演している。本人曰くスケジュールが合う限り何でもオファーは断らなかったと話している。深作欣二監督に重用され、伊丹十三作品には常連出演した。
2000年代ではアニメ『プリンセスチュチュ』にドロッセルマイヤー役で声優として出演したほか、2004年に名画座「自由が丘武蔵野館」にて特集上映“大怪優 三谷昇”が開催された。
2008年に長く所属していた「演劇集団 円」を退団してフリーランスとなり、舞台を中心に活躍。2015年、第50回紀伊國屋演劇賞・50回記念特別賞にて男優賞を受賞した。