概要
東京都世田谷区の町名。世田谷区中央部のやや東寄りに位置し、一丁目と二丁目からなる。
町名としての三軒茶屋は世田谷通り(東京都道・神奈川県道3号世田谷町田線)、国道246号(通称「246」)より南側の地域となるが、商業地は北側の太子堂にも広がり、それも含めて「三軒茶屋の街」と認識されている。
1996年、再開発により太子堂四丁目にキャロットタワーが建設され、三軒茶屋の風景も様変わりした。
大型小売店舗は茶沢通り(三軒茶屋と下北沢を結ぶ区道)の西友三軒茶屋店しかなく、繁華街としての小売販売額は荻窪や北千住などと同レベル。
周辺の学校の学生をはじめ単身生活者が多く、気張らず気軽に住める街となっている。
246と世田谷通りに挟まれた三角地帯は戦後の闇市の痕跡で、三軒茶屋交差点に近い順に「エコー仲見世」、「三茶3番街」、「ゆうらく通り」、「なかみち街」といったゴミゴミとした繁華街となっている。
鉄道の駅としては246の地下に東急田園都市線三軒茶屋駅がある。
かつて東急世田谷線三軒茶屋駅は世田谷通りに面し、すずらん通りがその駅前商店街であった。再開発により現在はキャロットタワーの裏に後退している。
歴史
江戸時代には「太子堂村」だったが、神社・仏閣への参詣ブームで賑わった大山道(246号)と、登戸道(世田谷通り)の追分(分岐)付近に「信楽(後に石橋楼)」、「角屋」、「田中屋(「田中陶苑」として現存)」という三軒の茶屋が並び、「三軒茶屋」と呼ばれるようになった。
1900年頃、三軒茶屋から三宿にかけて数多くの軍事施設が作られ、軍人を相手とする商店が建ち並ぶようになる。
1907年、二子玉川から都心に砂利を輸送するため、渋谷~玉川間に玉川電気鉄道玉川線が設置され、三軒茶屋駅が開設される。
1923年、関東大震災発生。家を失った都心の人々が三軒茶屋周辺に流入し、人口が急増。
1925年、玉川電気鉄道の下高井戸線(後に世田谷線)が開業。
1932年、荏原郡の町村は東京市に編入されて世田谷区となり、「三軒茶屋」は正式な町名となった。
1942年、玉川線は東京急行電鉄の路線となった。
1945年、東京大空襲で壊滅的被害を受ける。敗戦後、246号と世田谷通りの間の三角地帯に闇市が形成された。
1951年、月賦百貨店「緑屋(後にクレディセゾン)」(太子堂四丁目)が開店。
1969年、246号上に首都高速3号渋谷線が建設されることになり、玉川線が廃止となる。世田谷線が孤立化する。
1977年、東急新玉川線(後に田園都市線に統合)が開通し、246号の地下に三軒茶屋駅が開設される。
1985年、「緑屋」跡地が再開発され、「ams西武(後に西友三軒茶屋店)」が開店。
1990年、栄通りにライブハウス「三軒茶屋Heaven's Door」が開店。
1992年、246号沿いの三軒茶屋映画劇場が閉館し、周辺(三軒茶屋二丁目)がサンタワーズとして再開発される。
1996年、世田谷線三軒茶屋駅周辺(太子堂四丁目)が再開発され、キャロットタワーが開業。地下道で新玉川線三軒茶屋駅と連絡される。
2007年、茶沢通りを本拠とする地元資本のディスカウントストア「モリ」が店主の高齢化により1月31日をもって廃業。
2008年、栄通りを本拠とする地元資本のディスカウントストア「セキゼン」が10月1日に破産申告。
2014年、三軒茶屋シネマが閉館し、三軒茶屋からは映画館が消えた。
現在、三角地帯を再開発して高層ビル2棟を建設する計画が進められている。
関連タグ
株式会社ゲームフリーク : かつてキャロットタワーに入居していた
フィクション作品のキャラクター
波多野憲二 : 漫画「モンキーターン」の主人公。三軒茶屋出身という設定
渋谷凛:「アイドルマスターシンデレラガールズ」のメインキャラ。太子堂にある花屋が実家という設定。
外部リンク
三軒茶屋どっと混む(三軒茶屋商店連合会)
三茶しゃれなあど(三軒茶屋銀座商店街振興組合)
Wikipedia(三軒茶屋)