概要
毎日放送とイースト(現:イースト・エンタテインメント)の共同制作番組で、TBS系列局などで1983年4月7日から1990年4月5日まで放送された。司会は大橋巨泉。
放送時間は当初木曜22:00-22:54に放送されたが、1984年10月4日から木曜20:00-20:54に変更された。
レギュラー解答者は石坂浩二、ビートたけし、ケント・ギルバート(ネギルバート)、チャック・ウィルソン(ケチャック、けち・やくお)ら。
クイズそのものは「世界各国の珍商売、珍しい物の値段を現地通貨でいくらか当てる」という至ってシンプルな内容であったが、日本では想像もつかないような商売(実行すれば食品衛生法違反や霊感商法で逮捕されるようなものも含む)や当時知られていなかった珍品が問題になるためなかなか分からず、飽きがこない内容となっていた。
問題に採用された商品、サービスには以下のようなものがある。
クイズ概要
問題に対して解答者はフリップに解答の金額を書きこみ提示する。
巨泉司会の番組においてはよく見られた事だが、彼の好みがルールに取り入れられるという形になっており、本番組ではゴルフの用語がルールとして用いられていた。
見事的中させるとホールインワン賞となり、大型トロフィーの授与とともに世界一周旅行がプレゼントされる。ホールインワンではないものの近い金額だった場合、ニアピン賞となり、小型トロフィー(ホールインワンでもらえるトロフィーの縮小)が授与される。これを十本集めればホールインワン獲得と同等の扱いとして世界一周旅行がプレゼントされた。ニアピン賞となるかどうか微妙な解答の場合、仮のニアピン賞となり次に近い答えを出した時にニアピン賞が与えられた。
正解からあまりに遠い金額(原則2ケタ以上外れた金額)だった場合ロストボールとなり、ニアピンの小型トロフィーを一本没収される。番組中期からは没収される小型トロフィーがない状態でロストボール相当の大外しをやらかした場合、デビル人形が回答席の前に置かれる。デビルがいる時にニアピンを決めた場合にはロストボールを逆向きに適用して、小型トロフィー授与の代わりにデビルを一本回収する。
これらの成績は毎回リセットされるのではなく司会者席の背後にキープされ、次の出演回に引き継がれる。
デビルが誕生したのはビートたけしがニアピンを一本も持たない状態で難問が出された際、取られるニアピンがないのをいいことにいい加減な回答を乱発したことが原因である(デビルの顔はたけしに似せて作られていたため、特にたけしに対しては効果抜群だった)。
なお、上述のニアピンを十本集める事でホールインワン賞と同等の扱いになるのと同様に、デビルを十本集めてしまった場合にも、対応するルールとして黄金のデビルがある事になっていたのだが、達成者が現れる事は無かったため、どのようなものになっていたのかはついにわからないままだった(このため、実物は製造されなかったらしい)。なお、本当に黄金のデビルが登場してしまった場合、達成者はホールインワン賞の『世界一周旅行がもらえる』というルールを逆向きに適用して、自費で世界一周旅行を視聴者プレゼントにするというものだったらしい。
その他
- 第10回『アメリカ横断ウルトラクイズ』の第7チェックポイントであるロサンゼルスにおいて、福留功男が出題時の巨泉のコールをパロディにしたことがある。実は該当特別番組は、初期を除いてはこの番組の真裏に当たる番組であった。
- 巨泉はレギュラー解答者など親しい間柄の解答者には気さくに接していた。一方で井森美幸のようなおバカキャラのタレントに対してはざっくばらん、ぞんざいな扱いをすることも多かった。ただ視聴者や回答者にわかりやすくする目的からか、おおよその換算率を提示するとはいえ、あくまでも現地通貨で回答するというルールのため、珍回答が出やすいシステムだった事は確かである。
- その井森美幸はアメリカの豪邸の値段を当てる問題で「7千兆ドル」(放送日に番組内で使用された1アメリカドル=140円の換算率では98京円)と言うアメリカの国家予算の数千倍にもなる金額を書いた。これには司会の巨泉も他の回答者もすっかり呆れ返ってしまい、日本円への換算を担当するアシスタントに至ってはあまりにも高過ぎて計算を拒んだばかりか、困り果てた様子で「天文学的数値です。」とまで言う始末であった。たがこれでも井森本人にしてみればわざと珍回答をしたわけではなく、本気で考えてのものだったようであり、理由を説明しようとしていたが、その内容は聞いた者を余計に呆れさせるものでしかなかった。なお、この番組史上最高の珍回答はよほどの衝撃になったらしく、同じく巨泉が司会を務めていたクイズダービーに井森が出演した際にも、『恐怖の7千兆ドル』と引き合いに出した紹介していた。またこれ以外にも井森美幸は幾度かアシスタントから巨額過ぎるという理由で計算を拒まれる回答をしている。
- 井森美幸以外にも巨額過ぎる回答をした者はいるのだが、どうやら計算を拒ませる所まで行った者は流石にいない様子。
- 逆に安く書いてしまう例ももちろんあり、ケント・ギルバートやチャック・ウィルソンは高頻度で安過ぎる回答をしていた。このため先述の『ネギルバート(値切るギルバート)』『ケチャック(ケチなチャック)』『けち・やくお(恐らくケチャックからさらにもじった)』といったアダ名がつけられることとなった。
- 番組史上最も安く書き過ぎた回答者として、松崎しげるがセネガルからの出題に際して25CFAフランと書き、アシスタントからは何と「12円50銭です。」と言われた。流石にこれでは安く書き過ぎたと本人も思い、1桁上げて250CFAフラン(125円)と訂正したが、正解は500萬CFAフラン(250萬円)と、この程度の訂正では何も意味が無いという程の大外しであり、当然のロストボールだった。
- ナレーターの小倉智昭は巨泉をネタにすることも多かった。また、お色気ネタでは妙にテンションを上げまくっては巨泉の怒りを買ったり、糞真面目なナレーションをした時は巨泉から心配されたりしている(ただし巨泉の「ネタ」要素もある)。
- 1986年4月3日放送の特番『春のスペシャル決定版・テレビまるごと大集合』では巨泉が同じく司会を務めていた『クイズダービー』のレギュラー解答者(当時産休中だった竹下景子を除く篠沢秀夫、山崎浩子、はらたいらの3人)によるクイズダービーチームが、石坂・たけしに番組の常連ゲストだった里中満智子を加えたHOWマッチチームと「HOWマッチ」で対抗戦を行った事があった。
関連タグ
クイズ番組 毎日放送 大橋巨泉 石坂浩二 ビートたけし 小倉智昭
クイズダービー - 同時期に放送されていた巨泉司会のクイズ番組。
風雲!たけし城 - この番組で紹介された「PHOTON」と言うゲームが番組誕生のきっかけの一つになった。
たけしの戦国風雲児 - 巨泉に似た刀鍛冶屋がゲーム中に登場。「はうまっち」と言うセリフも使用している。
及川ヒロオ - 番組内のVTRにおける吹き替え声優の中でも強烈な印象を残した。