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九九式双発軽爆撃機

きゅうきゅうしきそうはつけいばくげきき

大日本帝国陸軍航空隊が運用した軽爆撃機。 開発時の呼称はキ48。略称・呼称・愛称は九九(式)双軽、ヨンハチ、金魚など。連合軍のコードネームはLily(リリー)。開発・製造は川崎航空機。
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同じく九九式の名を冠する機体に海軍脚がかわいい艦上爆撃機や義兄弟ともいえる陸軍の襲撃機がある。

(名前に双発と入っているので大丈夫だろうが)混同に注意。

概要編集

開発編集

1937年(昭和12年)12月、大日本帝国陸軍はそれまでの主力であった九三式双発軽爆撃機の後継機としてキ48の試作を川崎航空機に命じた。要求事項は、

最大速度480 km/h以上

航続力6時間以上

爆弾搭載量400 kg以上

前方と後方の上部、下部に旋回機銃を装備

エンジンは中島製のハ25を2基装備(双発)

などというもので、爆弾搭載量や航続距離よりも戦闘機並みの速度と運動性能が重視され、低空での地上部隊の支援や反復攻撃による飛行場や敵機の地上撃破に重きが置かれた。


…つまりは爆弾はそれ程積めなくて良いし足も短くていいからスピードが出て低空をスイスイ飛べる爆撃機は作れない?という要求である。

試作の指示を受けた川崎では土井武夫技師を責任者として設計に着手し、1939年(昭和14年)7月に試作1号機を完成させた。

審査の結果、水平尾翼の振動など以外は概ね良好な結果を収めたの、1940年(昭和15年)5月に九九式双発軽爆撃機として制式採用された。

機体は全金属製で、前型の九三式双軽では固定脚だったが引込脚が採用された。

爆弾倉を有する機体前方は太く設計されているが、後半部から急激に細くなっており、この「くびれ」の段差部に下部銃座が設置されているのが外観上の特徴となっている。


九九式双軽はくびれが可愛いのよ、くびれが。

運用編集

対ソ戦を意識して開発された本機だったが、太平洋戦争中は中国戦線のみならず南方本面にも積極的にへも派遣された。シンガポール攻略戦では地上攻撃前にセレター飛行場を空襲し戦いの火蓋を切り、重油タンクが噴き上げる黒煙を背景に飛行する写真は有名である。その生産数の多さから陸軍の関係するあらゆる航空作戦に投入され、当初想定されていなかった運用にも対応し、全戦線で活躍した。


ただし、戦局が劣勢になると速度に重きを置いて開発された本機も、P-47P-51といった高性能化した敵戦闘機に容易に捕捉されるようになり、帰還率が大幅に低下していった。この時期の爆撃機(攻撃機)の自衛武装としては少なくとも12.7ミリクラスの旋回機銃がスタンダードになりつつあり、本機の7.7ミリ×3という自衛武装は如何にも心許なかった。

大戦末期には機首に800キロの炸薬と信管を装備した特別攻撃機に改造された機体も存在する。

勿論帰還は想定していない改造であったが、余りにも成功率が低いことから結局は元の爆撃機の形態に戻されている。

それでも、陸軍航空隊の主力軽爆撃機として夜間空襲等で終戦まで活動し続けたのだった。

「空飛ぶランチュウ」の評価編集

本機は制式採用されて以来、熟練度を問わない素直な操縦性や発動機の稼働率の高さから、実戦部隊では好評をもって迎えられた。九七式重爆撃機等の大型機が運用できない小規模な飛行場でも発着が可能で、陸軍航空隊あるところ常に本機の姿があったと言っても過言ではない。地上部隊からは「困った時に鞍馬天狗のように飛んできて敵の陣地を潰してくれる」と評価された。

また、背面飛行や宙返りといったアクロバットも可能で、飛行第八戦隊の林四郎曹長は実際にホーカーハリケーンの攻撃を宙返りで回避したという。…どうして日本の機体はこういう話ばっかりなんですかねぇ。

但し爆弾の搭載量が少ないのが(開発時の方針ゆえ仕方なかったが)玉に瑕。500キロという爆弾搭載量は海軍の単発の九七式艦上攻撃機(800キロ)以下で、自衛武装も貧弱で損害も大きかった。

2000馬力級の発動機がこの時期に実用化されていれば速力、航続距離、自衛武装、搭載量のバランスが取れた機体が生まれていたであろうが、これは野暮な話だろう。

そのような機体を帝国陸軍が手にするのはもう少し先の話である。


対するアメリカ軍の本機に対する評価はかなり低く、爆弾搭載量が少ない上に、防御火器が貧弱、燃料タンクに出火対策がされていない、主翼直後の胴体中央部(くびれ)に被弾すると一気に炎上する機体構造になっている、と脆弱な存在であるとされている。

諸元編集

キ-48-II


乗員4名
全長12.88 m
全幅17.47 m
全高4.32 m
翼面積40.0 m2
総重量6,750 kg
自重4,550 kg
最高速度505km/h(高度5,600m)
上昇時間5000mまで8分30秒
実用上昇限度10,100m
航続距離2,400km
発動機中島ハ-115・1,150HP ×2
武装八九式旋回機関銃 ×3(前方旋回・後部上方旋回・後部下方旋回)・爆弾300~500kg

関連タグ編集

大日本帝国陸軍 陸軍航空隊 爆撃機

九九式艦上爆撃機…同年採用の海軍の艦上爆撃機。脚がかわいいのよ。

九九式襲撃機…同い年の脚がかわいいシリーズその2。本機も地上部隊にとってなくてはならない存在だった。

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