古代中国
古代中国で五帝と呼ばれるカテゴリーは大きく分けて二つある。太古の聖王とされる「三皇五帝」のうちの「五帝」と、「五方上帝」である。
三皇五帝のほうの五帝の詳細については当該項目を参照。
「五方上帝」のほうの五帝は「五方天帝」「五方天神」ともいい。東西南北と中央の天を司る天空神である。
五行に対応する五色の名を冠した呼称を持つ例もあり、それぞれ「青帝(蒼帝)」「白帝」「赤帝」「黒帝」「黄帝」という。
五方上帝および五つの色の名を冠した「帝」には三皇五帝メンバーが割り振られるほか、独自の名があてられることもあった。
三皇五帝メンバーの当てはめ例
方角 | 個人名 | 従者 | 色 | 天体 | 二十八宿(星座としての四神) |
---|---|---|---|---|---|
東方天帝 | 太昊伏羲 | 勾芒 | 青帝 | 歲星 | 東方七宿(青龍を形作る) |
南方天帝 | 炎帝神農 | 祝融 | 赤帝 | 熒惑 | 南方七宿(朱雀を形作る) |
西方天帝 | 少昊金天 | 後土(后土) | 白帝 | 太白 | 西方七宿(白虎を形作る) |
北方天帝 | 顓頊高陽 | 玄冥 | 黒帝 | 辰星 | 北方七宿(玄武を形作る) |
中央天帝 | 黄帝軒轅 | 蓐收 | 黄帝 | 鎮星 | なし |
独自の名
『礼記』「大伝」につけられた鄭玄による注釈では「六天説」に基づき、以下の固有名が与えられ、五帝を統べる上位者として「上帝北辰耀魄宝(昊天上帝)」が設定された。この場合「太微五帝」と総称される。
- 蒼帝霊威仰
- 赤帝赤熛怒
- 白帝白招拒
- 黒帝汁光紀
- 黄帝含枢紐
前漢時代の末から流行した「讖緯書」に書かれた「感生帝説」の説明でもあった。神話時代の聖王たち、各王朝の祖たちは天上の「帝」による「感応」によって生まれるというもので(緯書では「聖王」視された孔子も黒帝による感応で生まれたとされる)、これらの「天帝」をあらためて一種の人格神、精霊とする事で説明をつけたものと言える。
鄭玄の注に対してなされた孔穎達による疏(解説)によると堯は「赤」、舜は「黄」、夏の禹は「白」、殷の湯(湯王、天乙)は「黒」、周の文王は「蒼」の「帝」の「精」によって生まれたとされる。
現代の作品
ロード・トゥ・ドラゴン
メイン画像。アクワイアのアプリゲーム『ロード・トゥ・ドラゴン』に登場する国家ワノクニにおける役職。
幻獣契約クリプトラクト
『幻獣契約クリプトラクト』作中における「幻獣戦役」の功労者たち。「暁の五帝」とも呼ばれる超強力ユニット。無料で入手できるが育成困難なエンドコンテンツ的位置にある。
パズル&ドラゴンズ
ゲーム中の五属性、火・水・木・光・闇ごとに設定されており、それぞれ「焔帝」「氷帝」「嵐帝」「輝帝」「冥帝」という。