概要
ひょんなことから異世界に召喚されてしまった便利屋の青年・サイトウとその仲間が繰り広げる冒険と日常の物語。よくあるチート能力は一切存在せず、主人公は元の世界で培った能力と努力で異世界を生き抜いていく。新キャラ達のやけに掘り下げられたバックボーンの細かさ等に定評がある。
web漫画サイト『ComicWalker』をはじめ、ニコニコ静画などのweb漫画サイトにて連載中。
そして、テレビアニメ化の決定が発表された。2023年1月からAT-X、TOKYOMX、サンテレビ、KBS京都、BS日テレにて放送された。
スタッフ
監修:桝田省治
監督:窪岡俊之
シリーズ構成・脚本:猪原健太
キャラクターデザイン:たなべようこ
音楽:大隅知宇
音響監督:今泉雄一
アニメーション制作:C2C
ストーリー
現代社会で便利屋として働いていた青年・サイトウ。ある日トラックに轢かれかけた彼は、次の瞬間異世界に召喚されていた。剣と魔法の世界で剣も魔法も使えない彼は、かつての便利屋としての経験・技術を活かし、パーティのサポート要員として奮闘する。
登場人物
サイトウのパーティ
- サイトウ(職業:盗賊)
(CV:木村良平)
本作の主人公。本名は斎藤玖郎(くろう)。
ある日異世界に召喚されてしまった便利屋の青年。元の世界で「そこそこ便利だが替えの効く存在」として社会に位置付けられた経験から、やや自信のない部分がある。しかし持ち前の器用さと人柄の良さにより周囲からは慕われている。結構モテるが朴念仁。
戦闘ではあまり貢献できないものの、便利屋としての技能により鍵開けや罠解除で活躍する。それ以外でも調理師免許を持っていたり暗記が得意だったりする。実は戦闘時にも、
- 敵に合わせた武器をラエルザへ供給する
- 盾を使ってラファンパンを敵から守る
- 呪文を暗記してモーロックの詠唱を支援する
といった具合に全員をうまくフォローしている。そのため一度風邪で休んだ時はパーティが全滅寸前になるまで追い込まれ、一刻も早い復帰を望まれる事態となっていた。本人は時々自分を「役立たず」と勘違いしているが、今やパーティになくてはならない存在である。
- ラエルザ(職業:重戦士)
(CV:ファイルーズあい)
重厚な鎧と武骨な大剣を装備した女性。特異体質で異常に筋力が強い。(後述のリリーザと同じ「巨神の民」の血統?)
かなりの美人だが、駆け出しのころにゴブリンから受けた右頬の傷を気にしているためよく兜で顔を隠している。最近は素顔を晒すことも多くなり、黄金乃勇者杯編でリリーザと戦った際には、リリーザによって兜を弾き飛ばされ、便乗した司会のライチによって多くの観客に素顔を晒される。
また、鎧に隠れているがスタイルはかなりいい(アニメでは更に巨乳要素も追加されるが、原作ではそこまででもない平均的な大きさ)。因みにロングヘアー。
戦闘ではバリバリ前衛のパワーファイターで、性格も口調も男勝り。
実はサイトウにベタ惚れであり、初期の頃はサイトウには気づかれていないものの、他のメンバーにはバレバレという状態が続いていた。本人も好意を隠してはいるが、彼が絡むと大体挙動不審のポンコツ乙女に変貌する。
マデラカクエスト編以降はサイトウもラエルザにはっきりとした好意を抱くようになっており、黄金乃勇者杯編ではリリーザに顔を晒されたラエルザを勇気づけるために観客に向けて「とくと見ろ!大迷宮で最も強く、最も美しい女!大魔導師モーロックの娘、ラエルザ!!」と叫ぶサイトウだったが、直後に(あれでは観客全部に聞こえないだろうからサイトウの口元に自分を近づけろとモーロックに指示した)ローガスの杖が、サイトウの口元でサイトウの声を真似て「このオレ便利屋サイトウの女だ!」と言ったことで、ラエルザは自信を取り戻している。
- ラファンパン(職業:神聖魔術師)
月光妖精。神聖魔術師として、仲間の治癒や攻撃の補助を行う。ただし、緊急事態以外の治療は有料で、仲間からも金貨を徴収する。
- モーロック(職業:魔術師)
(CV:チョー)
魔術師の老人。伝説級の魔術師でパーティの中でもずば抜けてレベルが高く、高度な攻撃魔法を扱える。
物忘れが激しく老人ボケをしており、仲間を忘れたり、魔法の詠唱忘れることもあるため、サイトウに詠唱の補助をしてもらわなければ役に立たないことも。
それ以外でもややだらしない面が目立つが、要所要所で年長者としての責任感や威厳を見せる。実はラエルザの養父で、異世界に召喚されたサイトウを助けた存在でもある。
エルフと神官パーティ
- フランリル・リル・アーリル(職業:戦士)
(CV:青木瑠璃子)
魔法が使えないため、格闘家としてダンジョンに挑むエルフの女戦士。素早い動きで相手を翻弄し、急所を的確に突くような戦闘を得意とする。
ラエルザと互角に戦う実力を持ち、ラエルザのことを度々ライバル視するが、かなり仲がいい。
- ニニア・カールセンハート(職業:神官)
(CV:田所あずさ)
フランリルとパーティを組んでいる神官職の女性。戦いでは主に防御力向上や素早さ向上など、魔法でフランリルをサポートしている。
「魔力消費を抑えるため」と嘘をついて傷口を舐めながら回復魔法を使うなどの特殊な性癖がある。(フランリルは困惑している)
重魔法戦車パーティ
- ギブングル(職業:魔術師)
(CV:相馬康一)
ドワーフの魔術師。ドワーフにしては力がなく、一族の中では魔力適性が高いため魔術師になったが、実際は戦闘能力も非常にたかく物理攻撃と魔力攻撃両方の使い手。モーロックに師事していたらしいがモーロック自体が記憶を忘れており、更にボケているため事あるごとに「誰じゃっけ?」「いい加減思い出してあげろよモーロックさん」というコントじみたやり取りを目の前で見せられる。
兜の中に子犬の「ペモ」を飼っている。斎藤のパーティには最も友好的。
凸凹パーティ
- リリーザ・ラッセンポップ(職業:戦士)
(CV:花守ゆみり)
華奢で可憐な少女のような容姿と小さな体で大きな斧を振り回す女性。ラエルザと同じく特異体質で筋力が強い。(神々の眷属と言われる「巨神の民」の血統とのこと)
「魔獣狩り」の異名を持ち、大きな魔獣も難なく倒す。
上記の「巨神の民」の血統のおかげで剛力を発揮しているものの、力に体格が見合わず、長生きできないとされている。母も祖母も同じ体質だったが、30歳を待たずしてこの世を去っているようだ。そのため、黄金乃勇者杯編でラエルザと対峙した際には、「余程の無理をしなければ、剛力で寿命を縮めることはない」ラエルザを、心の中で秘かに羨んでいた。
- ギーブル(職業:盗賊/魔術師)
(CV:田所陽向)
リリーザとパーティを組んでいる筋肉質なガタイのいい男性。一見、戦士のように見えるがレンジャーである。
盗賊の技と魔術師の魔法が使え、リリーザからは「どっちもいける」と評される。
慎ましく優しく知性的(という、本人曰く「リリーザとは正反対」)な人が好みであり、全部当てはまるサイトウに惚れる。
アルエクス
- アルエクス王(職業:勇者→アルエクスの国王)
(CV:森功至)
サイトウらが暮らす国の同盟国『アルエクス』の国王。普段はヨロヨロと歩く見た目相応の老人だが、実は元勇者で今もなお作中最強と言える実力を有する。
作中では魔王ドルグに苦戦する国軍に業を煮やして(王冠を落としたことに気付かないまま)単身で出撃。その辺で買った剣一つで、魔王ドルグの首を持ち帰った。
また、地下迷宮編の最後に再び登場し、キスルギの頼みを聞いて魔女ラーヴェラを救う。
黄金乃勇者杯編ではキスルギに大会への参加を依頼していた。
- 大臣(職業:アルエクスの大臣)
(CV:中西怜郎)
アルエクス王の側近にふさわしい実力を持った魔術師。アルエクス王や魔王ドルグの事情を知っている数少ない者の一人。
- 魔王ドルグ(職業:魔王→アルエクスの軍団長)
(CV:千葉繁)
魔界から地上に攻めてきて、人間の国を支配した魔王。アルエクスにも攻め込んで苦戦させていたが、単身で出撃した国王に敗北。その後は国王に気に入られて話し相手として(首だけのまま)側に置かれるが、軍団長が国王不在の折に反乱を起こして大臣に鎮圧されたため、その後任に任命される。
地下迷宮編では大臣と一緒に参戦……したのだが、キスルギの不意打ちでバラバラに斬り刻まれ、重傷の大臣の魔法で二人で脱出。終盤でキスルギを捕縛し、殺そうとするものの、甥のターレフォンがキスルギの舎弟をやっていたため甥に免じて見逃す。その後は大臣と共にキスルギを連れて帰還し、国王に会わせた。
黄金乃勇者杯編では、アルエクス王の親衛隊長ルードルグ卿を名乗って大会に参加。キスルギとの再戦を望んでいたが、カドレアとの試合でカドレアを追い詰めるも、最後に油断して、落ちてきた剣で首を落とされ敗北。キスルギとの再戦は叶わなかった。
忍者パーティ
- キスルギ(職業:異国の忍者)
(CV:笠間淳)
- ラーヴェラ(職業:魔女)
(CV:斎藤千和)
- プリマス(職業?:キスルギのサポート)
(CV:井澤詩織)
- ターレフォン(職業?:キスルギの舎弟)
(CV:田島章寛)
- アベレス(職業?:キスルギの舎弟)
(CV:東條達也)
国家公認勇者パーティ
- カインズ・ラックイン(職業:国家公認勇者)
(CV:松岡禎丞)
- ライチ(職業:魔術師)
(CV:芹澤優)
- モンティール・プーイット(職業:僧侶)
(CV:本多力)
魔界関連
(CV:山崎たくみ)
- 左手の悪魔/右手の悪魔
(CV:武虎)
(CV:日野聡)
- 子狼
(CV:咲々木瞳)
砦の七士騎(旧・原色の七士騎)
- タンゼント・マキータ(職業:勇者)
(CV: )
100年前に存在した王国最強の迷宮探索隊『原色の七士騎』のリーダーを務めていた勇者の少年。メンバーであるカドレアやローガスとは共に蛇の魔王と戦った仲間同士で、ローガスのことは兄のように慕っていた。
ちなみに作中に登場するレモンによく似た果実『タン・マキの実』の由来は、かつてタンゼント・マキータが大迷宮内で力尽きていたところで、神の御使いからタン・マキの実を恵まれて復活したという逸話がもとになっている。
- カドレア・ドルトハート(職業:聖騎士)
(CV: )
- ローガス・メイフ(職業:魔術師)
(CV: )
- イグラム・レオンティガー(職業:闘士/酒場の店主)
(CV: )
- ヴェイズナー・セロスト(職業:戦士/魔術師)
(CV: )
- レイス・エスピーダ(職業:弓兵)
(CV: )
- ラーティル・プーイット(職業:神官)
(CV: )
モンプイの兄。
その他
- メヴェナ
(CV:大橋彩香)
道具屋で働く少女。様々な武器や道具の扱い・目利きに長けており、職業柄サイトウとは気が合う人物。ガラクタを高値で売ろうとした客に嵌められたとみせかけて、そのガラクタの本当の価値を見抜き十倍以上の利益を得るなど、商売上手な一面を持つ。
少なからずサイトウに好感を抱いているようで、サイトウと会うたびにラエルザから嫉妬の視線を向けられている。
- ドンバイン
(CV:清水健祐)
- 時を操る魔術師
(CV:伊瀬茉莉也)
- 蛇の魔王
(CV: )
かつて人間界を荒らしていた大蛇の魔物。頭と下半身は大蛇、首から腹にかけては4本腕の女性の姿。
国営大迷宮となっている大迷宮の奥深くに潜んでおり、過去に王国から派遣された迷宮探索隊「原色の七士騎」と死闘を繰り広げた。決戦では次々と敵を倒して孤立したタンゼントの心の隙間につけ込み、肉体をなくした彼の魂が宿った黄金の鎧を奪い、「首なし騎士」に宿る形で冒険者たちを襲うようになるも、抵抗するタンゼントの残留思念によって何度か妨害されている。特に弱った人間の生命力を好み、戦闘で疲弊した冒険者を襲っている。
関連動画
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TVアニメ『便利屋斎藤さん、異世界に行く』PV
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