概要
南蛮にある烏戈国(烏滸族)の王とされ、作中においては諸葛亮の南蛮征伐に登場する。
兀突骨が率いる兵隊は、藤甲と呼ばれる藤の蔓に油を染み込ませてものを鎧状に編んで乾かしたものを着込んだ藤甲兵である。
この藤甲は剣はおろか弓矢も効かず、またそのような装甲に反して軽く河を渡す際は、浮いて移動することが可能、と作中において最強と言っても過言ではない軍団である。
すでに6度敗北を喫した孟獲に替わりに蜀漢軍と対峙して、孟獲とは打って変わって蜀漢軍を蹂躙して、苦戦を強いたのであった。
事態を重く見た諸葛亮は一計を案じることとした。この藤甲の製造方法に着目し、この最強の装備が唯一火に弱いことに気付いたのである。
諸葛亮は部下の魏延に命じて、わざと敗走と見せかけて盤蛇谷に誘い込み、予め用意していた地雷に着火して、兀突骨共々部下ごと焼き殺して部隊を消滅させてしまった。
その後に蜀漢軍は消滅した兀突骨部隊に化けて孟獲を誘い出して、捕らえることに成功した。
人物
身長は十二尺(276~289cm)とされ、全身が鱗で覆われており、生きた蛇や猿の脳味噌を生で食べていたとされる。さらに毒水を飲んでも平気というまさに化けものである。
名前の珍妙さと合わさり、一部ファンからは大変に人気が高くなっている。
余談
製造法は不明だが、「藤甲鎧」そのものは実在していたらしく、動物を狩る際に使っていたと言われている。
兀突骨そのものは架空の人物だが、一説にチワン族の族長がモデルとされる。チワン族は温厚な農耕民族であり決して蛮族ではないが、それが三国志演義でこのような野蛮人のように描かれたのは中世漢民族の中華思想・異民族蔑視を反映したものではないかと推測される。
横山光輝の漫画「三国志」でも、見た目や体格自体は他と変わりないが岩山に開いた穴に住み、蛇や猿の脳味噌を貪り食うなど、いかにも蛮族といった描写をされている。
ながいけんの漫画「神聖モテモテ王国」にて、主人公達が孔明と周瑜に扮し三国志ネタでナオンを釣りモテようとしたが、相手が兀突骨のファンだったため「孔明大っ嫌い」と言われてしまった。
さらに「ごっ兀突骨ぅ? なぜそんなマニアックなキャラを―――」、「アリの巣みたいな穴ん中で暮らしてて出てきたとたん孔明に燃やされるような成長性E(超ニガテ)のキャラですよ?」とまで言われている。
三上小又の4コマ漫画「ゆゆ式」では、「歯にはさまった小骨とか見えちゃう…小猿の」というボケに対し、「兀突骨な感じ?」と言われていた。
兀突骨という名のバンドグループが存在する。