八手三郎(非公認戦隊アキバレンジャー)
はってさぶろう
言わずと知れた通り、公認様の作品を始め『非公認戦隊アキバレンジャー』を制作した原作者そのもの。本作ではアキバレンジャーたちの世界の外にある「番組外現実」の実在の人物と言う設定で、赤木信夫の憧れでもある。元々がペンネームの為か、顔は一切分かっていない。
あらゆる事物に「設定」を追加する能力を持つ。人物は勿論、背景やプロップにも「設定」が存在し、これを自由に追加できると聞くとその規模は神に等しい。
更に人物の記憶にも干渉することができるが、多用し過ぎるとストーリーの前後に矛盾が出やすくなり、且つ登場人物に思い出されれば無意味なためなのか作中では好まれて使っていない。
但し欠点もあり、シナリオ「そのもの」の変更はできない。キャラクターには自我が存在し、設定との相容れで初めてシナリオが完成するため、仮に路線変更する場合でもあくまで「設定」を上手いこと追加して自然な形で誘導する必要がある。導けずに自我が想定外のところへ行ってしまうと制御が一気に困難になるため、汎用性の高い能力を持つ一方で常にハイリスクが付きまとっている。
又、自身の描くシナリオ外の情報は一切分からないようである。これに関しては万が一シナリオ外でアクシデントが発生した場合に備えて現実では不可能な補正を掛けることでカバーしている模様。
番組外現実に存在するといはいえ、自身もキャラクターの一種として世界観に登場することはできるが、これは最終手段としてとっている。
1期
当初は「戦隊オタクと敵が妄想の世界で戦う」という独特な構想を描いていたが、何らかの理由で公認様と同じ路線に変更。そこでストーリー展開にありがちな「新要素」をテコ入れの材料として準備を始める。
まず、アキバレンジャーを妄想から現実で戦うヒーローにするために、「妄想世界と現実世界の間には突破できる壁が存在する」という設定を追記し、第9話にてその境界を完全に破壊させる。その後、「葉加瀬博世はMMZ-01が作動するたびに自身にかかった呪いが進行する」「表に姿を現したドクターZはの父」「敵勢力中のライバルポジションことデリューナイト」という新要素を出現させシリアス性を増加させた。
そして、メインキャラクターに関してもテコ入れを実施。
オタク要素をすっきり除外させるため、第10話にて存在そのものがオタクとも言ってよい赤木信夫を「ペンタゴンに招待されたため引退」させ、「博世の義理の弟で、父を共通の敵として持つ痛さのないキャラ」の都築タクマに交代。残る2人に関しても口調や性格を一新、「妄想ではなく、現実を捉える心を研ぎ澄ます」戦隊に仕上げ、博世は「父からの呪いを持ちつつもアキバレンジャーを信じて出動させる総司令官」にさせた。
一方敵ポジションも「ステマ乙」という俗っぽい名称から「デリュージョン帝国」に変更。怪人もどこかポップなテイストのあった係長を全てリストラさせ、「生命らしさを感じない非道残酷な戦闘マシーン」のモウソボーグに切り替え「人類に本格的に被害を与えようとする組織」に変革させる。
しかし、この刷新を不自然に思ったマルシーナが赤木と偶然鉢合わせ、その内容を赤木が「サンバルカンの3クール目開始に伴ったキャラクター変更」と例え自身の状況と重ねたことで自分らは番組内のキャラクターだと気づくきっかけになってしまう。
赤木はマルシーナと協力してシナリオ外の補正を振り切り、デリューナイトを逃がした3人のもとに駆け付け真実を明かす。順調に事が進んでいた中で想定外の出来事に遭遇した八手は、一旦アキバレンジャー側のテコ入れの取り止めを余儀なくされた。そして、メインキャラクターの殆どが番組内のキャラクターであることを知られた以上番組を続行させるのは不可能と判断し、番組を第12話で打ち切り、最終回に向けたシナリオを描き始める。
最終回に向け壮大な物語を仕上げるため、敵側の設定は据え置きにし、本来の目的に目覚めたドクターZを「デリュージョン帝国の人間」として記憶を無理矢理改竄(しかも2度)。デリューナイトが最終フォームへの強化改造を施すようドクターZに願い出るもマルシーナの邪魔が入ったため、「デリューナイトは日本政府の100倍の危機管理能力を持ち、マルシーナはおろかドクターZをも裏切る」という設定を急遽追加し、彼の死亡フラグを立たせる。
そしてアキバレンジャー側に関しても、彼らが時間稼ぎのために即興で作った伏線を即回収させ、デリューナイトに本位田を誘拐させることで対面を作らせようとする…が、既に世界観に気付いているアキバレンジャーからはまともに相手しようとせず、デリューナイトの発した死亡フラグ発言も耳をふさがれ、挙句倒したと思われていたが生存していたドクターZとマルシーナによりデリューナイトが倒されたという想定外の展開が次々と発生。このままでは思い通りのシナリオが描けないと思った八手は、ドクターZに3度目の改竄を実施。デリューナイトへの一撃を峰打ちとし、「デリュージョン帝国の最終兵器として巨大ロボットのブーメランタイタンを開発した」というコンセプトすら無視した設定を追加し、最終回にありがちな「舞台の最大のピンチ」を創り上げようとする。
このピンチの対抗策としてアキバレンジャー側には「巨大化の機能」を追加したイタッシャーロボを用意させ、どんな手段を使ってもブーメランタイタンにダメージを与えるように描こうとするが、アキバレッドが痛ランチャーを自身に撃たせたことでその展開はお釈迦に。代わりにアキバイエローが投げた空き缶を決め手としてブーメランタイタンを倒させ、飛び出た破片をドクターZに当てようとするもアキバレッドによって回避され、民衆の感謝コールも逃げられてしまう。
生き残ったドクターZは改心させ、娘と和解するシーンに変更するが、ここはアキバレンジャーに受け入れられ、ドクターZの率いる組織は構想通り崩壊した。しかしながらマルシーナがステマ乙のボスとして引き継ぎ、「アキバレンジャーVSステマ乙」という(八百長ともいえる)戦いをキャラクター本人たちが勝手に展開するという、またしても自身の想定外の行為をされる。番組を強引に終わらせるためエンドマーク(「オワリ」)を出現させるがそれすらも破壊しようとしたため遂に痺れを切らし、自身がシーン内に直接登場して左手で画面を塞いだことにより番組は終了した。
結局テコ入れに至った理由は一切明かされていないが、番組内のキャラクターによってストーリーを滅茶苦茶にされた功績は本人にとっては負の遺産の他ない。
2期
〜ネタバレ注意〜
前作と話が全く違う状況で2期がスタートしたアキバレンジャーシーズン痛だが、やはり八手三郎の干渉が原因だった。ただし今回はその原作者としての世界観設定を決める権限をマルシーナに利用されてしまった。
そして八手本人自身は何らかの循環器系の病気で東映附属病院で寝たきりの状態で命が危うくなっている。
ドクターΖを登場させ追いやられてしまったマルシーナは彼に復讐を画策。そんな時、総集編となっていた1期13話、この話のきっかけは八手三郎からDVDが届けられた、つまり八手三郎は自身の世界である番組外現実とアキバレンジャーの物語内における現実世界を行き来できると彼女に気づかれてしまう。そこで同様の入り口が妄想世界にもあるはずだと物語開始前に捜索、下北沢ホヤ戦で現実世界への入り口ができた時に穴が二つあったことに気づきここから番組外現実へと潜入。病室で寝たきりの彼に囁いて2期を開始させるように仕向けさせる。
だが八手が生み出した新キャラツー将軍はマルシーナにとっても目障りな存在で、過去作戦隊ヴィランをリスペクトしてまたもやマルシーナをサブキャラへと追いやってしまう。そこで彼女はバロスwの過去作オマージュ怪人や公認様が登場時に本家スーパー戦隊世界との繋がりができたことを利用し、その歴史を侵蝕しアキバレンジャーの敗北フラグを参考にスーパー戦隊の敵組織たちが勝利するように歴史を改竄。さらにツー将軍に謀反を起こし力を奪い取ってしまった。
結果、彼女の力は妄想世界において絶対的なものとなってしまい、スーパー戦隊シリーズはマルシーナが３７年間主人公として活躍した『スーパーマルシーナシリーズ』へと歴史改変されてしまう。
これを元に戻すためにアキバレンジャーたちはマルシーナに戦いを挑むが、突如プリズムAと名乗る巨大ヒーローが出現、彼が代わりにマルシーナを倒してしまう。
それだけにとどまらず、博世はプリズムAの妹ヒロヨへと変貌、戦隊カフェひみつきちも妹参謀本部へと様変わりしてしまう。
ヒロヨの額にできた謎のプリズムから放たれた光線でモエモエズキューーンの変身機能を封じられてしまったアキバレンジャー一同だったが、そこにこずこずから児童児に記載されたとんでもない情報を知らされる。プリズムAらしきヒーローがシルエットのみ紹介されているがこれは『網かけ80%』と呼ばれている幼児誌などで情報解禁間近のスクープを載せる際に使われる手法。問題は番組放送時間帯、なんとニチアサのスーパー戦隊が秋に終焉となり、あの謎の新ヒーローが主人公の新番組が始まるというのだ。しかも制作は設立しても間もない外資系映像会社『チガウヨープロダクション』。
そこにツー将軍の体を借りた八手が現れる。実はマルシーナが看護師に化けて八手に介入していたのと同時期、チガウヨープロダクションの女スパイも看護師として病院に潜り込んでおり、マルシーナの出入りから八手の世界と非公認戦隊の世界と公認スーパー戦隊の世界が繋がっていた事を知ってしまう。これを利用し、脇が甘い非公認戦隊を侵蝕し、ここからスーパー戦隊の放送枠乗っ取りを画策。
八手はハニートラップに引っかかり、スーパー戦隊シリーズの終了と、空いた番組枠をチガウヨープロダクションに明け渡す契約を結んでしまった。これが異変の原因であり、博世の変貌も続投キャラにさせて続編に見せかけてTV局や視聴者を安心させるのが狙いだった。
一同は協力し、八手は『銀河刑事キャビアン、シャリアン、シャイナーたちでも倒せなかった宇宙艦隊が地球に迫り、プリズムAとアキバレンジャーが共闘する』とVSシリーズの企画を通したことにより、番組終了キャラの身でも変身能力を復活させることに成功。
さらに現れたプリズムAもツー将軍とマルシーナが作ったウーザフォンによる魔法で超アキバレッドも巨大化、自分たちの世界を土足で荒らす余所者を見事撃破しスーパー戦隊の歴史を死守。
そして八手も容態が回復し無事退院した…
が！
変身能力の回復とプリズムAを呼び出すために宇宙艦隊と戦う企画を通した状況で、先にプリズムAを倒してしまった為、アキバレンジャーだけで宇宙艦隊と戦う羽目になってしまった…
監督の田﨑は、オタク戦隊が最終的に戦う相手として何がふさわしいか検討していった結果、知識がありすぎるオタクは自身の世界が番組だと気づくのではないかと発想し、そこでアキバレンジャー対八手三郎の構図に至ったという。
