概要
てんとう虫コミックス第43巻及び、藤子・F・不二雄大全集17巻に収録「ネコののび太いりませんか」に登場。
この中に入ってなりたい動物の姿を思い浮かべると、その動物に変身することができる。
ストーリー
下校中のび太達は空地で箱の中に捨てられた子猫を発見するが、ジャイアンは犬を、スネ夫は血統書付きの猫を、しずかはカナリヤをそれぞれ飼っていることからダメとなり、のび太はママがうるさいからということで断念。そしてジャイアンとのび太はスネ夫が箱を開けようとしたことや、気が付いたことを責めだし、スネ夫は責任を取って箱を閉め始めたが、可愛そうに思ったのび太はそれを止め、自分が飼うことを宣言。
だが帰宅するとやはりドラえもんからママがどんなに怒るかを言われ、それは分かっているが「ママの動物嫌いは極端すぎる」「犬や猫の可愛さを知らないからだ」「動物と付き合う楽しさを教えてあげたら」を主張すると、ドラえもんもこれに感心。しかしのび太がそのための道具を出してと頼んできたので、呆れ果ててしまいずっこけてしまった。
のび太は何とかするよう迫ったが、この騒ぎを聞いてママがやってきてしまったため、のび太はとっさに子猫をドラえもんの口の中に隠した。押し入れの中を覗かれたり、定規で天井を突かれたりしたが何とかバレずに済み、ドラえもんはこの猫がどんなに利口で役に立つかを見せることを提案。
そこで「動物生まれかわりタマゴ」を取りだし、のび太がこれでこの猫に変わりいいところを見せることにし、本物が物置に隠れている間、手紙を持ってきて見せたが、驚かれ追い出されてしまった。更に本物の方も見つけられてしまったので、茂みに隠れていたドラえもん達はタケコプターで上空へと避難し、あの様子ではとても飼ってくれる見込みがなかったため、他の飼い主を探しに出ることに。
だが訪ねた先の女性から「あんまり可愛くない」といわれ、ドラえもんはこれは見本で飼ってくれるなら可愛い本物を持ってくると説明するも、猫は嫌いと言われダメだった。早くしないとあの子猫がママにひどい目にあわされるかと品パイになり、急いで飼い主を見つけ出そうとし、その頃やはりママは猫を探すのに必死になっていて、居間の方で声がしたので急行したが、かけっぱなしにしていたアイロンから煙が出ているのが発覚。
何とか火事にならずに済み、ママはお礼にミルクをご馳走し飲んだら出て行く言ったが、猫が美味しそうな表情をしていたため一瞬気が緩むもすぐに我に返りすぐ出て行くよう言った。だがその時、部長の奥さんが訪ねて来たためもてなしたところ、彼女が猫好きだったためこの猫のおかげで場を盛り上げることができた。
一方ドラえもんは本来の飼い主のお爺さんを見つけ、大事な鉢植えを壊したため怒って捨ててしまったが、可愛がっていた孫に泣かれてしまい困っていたことを明かされた。その頃野比家では部長の奥さんが帰って行ったが、ママもこの猫を気に入っていて、追いかけまわしてしまったことを謝り、キャットフードを買いに上機嫌で出かけて行った。
その後ドラえもん達は帰宅し、ドラえもんが本物を返しに行っている間にのび太は元の姿に戻ったが、上機嫌で帰ってきたママにこのことを伝えるとショックで寝込んでしまった。そこでドラえもんはのび太にしばらく身代わりをすることを提案し、のび太は再び猫の姿になったが、ママは中々帰って来ないのび太に怒り始め、帰ってきたらうーんと叱るとまで言い出したため、のび太はドラえもんに何とかする助けを求めたが、ドラえもんは困り果ててしまった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1990年9月7日に、水田版は2006年6月9日及び、2017年9月15日にそれぞれ放送している。
1990年版
- サブタイトルが「動物生まれ変わりタマゴ」に変更
- スネ夫は自分ちのネコを毛の色が白で目がブルー、カッパーのオッドアイと説明していて、血統書付きかどうかは言っていなかった。またのび太が子猫を飼うと宣言した際、ジャイアンは本当に大丈夫か確認していて、説得してみる言われるとしずかは子猫に「可愛がってもらうのよ」と言って頭をなでている
- ママは部屋を物色した際、定規で天井を突いてはいない。
- ドラえもんとのび太は終始茂みの中に隠れていて、タケコプターは使っていなかった。また尋ねた先の女性から猫嫌いだと言われた際のび太は「嫌いなら最初から紛らわしいこと言わないでくだないね」と文句を言っていて、ドラえもんが慌てて口を塞いだ。
- ママは煙が出ているアイロンをスプレーで消している。
- ドラえもんは尋ねた際でクロの本来の飼い主を見つけている。
- ラストでネコになったのび太は、食事が抜きになると聞かされ暴れ出してしまった。
2006年版
- サブタイトルには、「ネコネココネコネココネコ」の煽り文句が追加されている。
- 子猫はドラえもんの口の中で動き回っていて、尻尾が口からはみ出していた。そして途中で鳴いてしまいママに怪しまれたが、のび太がドラえもんはネコ型ロボットだからと誤魔化し何とか押し通した。またママは1990年版と同じく定規で天井を突いてはいない。
- のび太は最初、間違ってカラスも思い浮かべてしまったためネコとカラスが混ざった生き物になってしまった。
- ドラえもんとのび太はタケコプターで飛行中に会話をしていて、最初に訪ねた家の女性は眼鏡をかけていなかった。
- ママは部長婦人からネコの名前を聞かれ、とっさに「クロ」と答えている。
- ラストでママは帰って来ないのび太に怒る一方で、猫になったのび太には猫なで声で甘く接していて、のび太はキャットフードを食べることになってしまった。
2017年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルではドラえもんは少し口を開けていて、ママは左端の方にいたため視線は右側を向いていた。
- ドラえもんとのび太は茂みではなく家の陰に隠れていて、2006年版と同じく屋根には上らずタケコプターで飛行中に会話をしていた。
- ママは台所で子猫にミルクを与えていた。
- ドラえもんとのび太はその後も飼い主を探し続けたが、アパートでは無理と言われたり、のび太が犬に吠えられたりしてダメで、この後訪ねた家では勘違いからドラえもんが連れて行かれそうになってしまった。このため本来の飼い主に会ったのは夕暮れ時になっている。
- 少しではあるが、ママが高価なキャットフードを買う場面が描かれている。
- ラストではママは、猫ののび太を膝の上に乗せ背中をなでたりしていた。