概要
てんとう虫コミックス44巻及び、藤子・F・不二雄大全集14巻に収録。
店を模したミニチュア型の道具で、付属の看板用紙に店の名前を書いて貼り付けると、ストアがその店に変化し、どんな品物も10円で購入することが出来る。一枚の看板で購入出来る品物は一つだけだが、看板を貼り直せば別の店に変えることが可能。また、映画館や交番等、飲食店や販売店以外の名前を看板に書いた場合も効果を発揮する。
ストーリー
のび太は帰宅するなり部屋にランドセルを置いて、今日発売『小学二年生』を買いに行ってしまった。だが本屋が休みだったために買うことができず、「楽しみにしていたのに」と泣きだしたので、ドラえもんは「明日買えばいいじゃない。一日くらい我慢できないの」と一喝。だがドラえもんもお菓子屋が休みだったためにおやつのどら焼きが買えなくなり、のび太の「一日ぐらい我慢しな」と言われると、「我慢できない！」とのび太と同じことを言い、「十円なんでもストア」と「かんばん」を取り出した。
さっそくドラえもんはこれを使ってお菓子屋からどら焼きを購入し、のび太も続いて本屋にしたこれから先ほどの本を購入。だがこれを読んでいると、パパがやって来てたばこを買って来てくれと頼まれたので、これをたばこ屋にしてタバコを購入し、パパに渡した。すると今度はママが、肉屋が休みだったためにすきやき用の肉を買えずに悩んでいたので、のび太はまたもこれを使い肉を購入しママに渡した。
そしてのび太がこれを持って外出するとしずかと出会い、これから父親と一緒に映画を見に行くことを話された。そこでのび太もこれを映画館にして映画を楽しみ、途中通りかかったジャイアンとスネ夫にバカにされるも構わず見続け楽しんだ。するとそこにしずかが帰って来て、満員で入れなかったことを聞かされると、同じ方法で彼女にも映画を見せてあげた。
そのまま喫茶店にしたこれからおやつや飲み物を出して、しずかと共に楽しむのび太だったが、ジャイアンとスネ夫に目を付けられ奪われそうになると共に追いかけられることになってしまった。そこでのび太はストアを交番にして警官を呼び出し代わって注意してもらうが、これにしずかは「十円で出て来るお巡りさんなんて初めて」と驚いていた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1983年7月29日に、水田版は2018年8月24日にそれぞれ放送している。
1983年版
- 冒頭でののび太が帰宅する場面がカットされた代わりに、本屋に行くも定休日であったことを目の当たりにする場面が描かれている。ちなみにのび太が買おうとした本のタイトルは『テレビサン』で、昼寝を始めたのは、今日一日生きる楽しみを失ったから、一日中寝て暮らそうとおもったからだった。
- ドラえもんがどら焼きを買えなかったのは、売り切れていたからで、これを聞いたのび太はドラえもんを昼寝に誘っている。
- パパは和服を着ていて、お使いを頼んだ際にお駄賃も渡している。またこの後、のび太はすき焼き用の肉を上肉で四人前買っている。
- しずかの父親は細身の体型で眼鏡はかけていない見た目に変更されていて、放送時期が夏だったため、しずかは薄手のドレスを着ていた。ちなみにのび太及びしずかが見た映画は『STAR BOUZU』というタイトルだった。だがかがんだ姿勢で見続けるのが苦だったため、やって来たドラえもんにスモールライトで小さくしてもらい、ストアの中に入って2人は映画を楽しんだ。
- この後出した飲食物は、ストアを喫茶店にして出していて、食べる際は箱をテーブルにしてドラえもんと一緒に食べている。
- 始めにのび太が一人で映画を見ていた時点では、ジャイアンとスネ夫は登場していなかったため、3人が食べ終わった後に現れたのが初登場となる。ちなみにジャイアンはバナナパフェとイチゴジュース、スネ夫はレアタイプのチーズケーキとシナモンティーを注文している。
- ドラえもんもこの場にいたため、のび太と一緒に逃げていて、交番を書いて警官を呼び出す案をひらめいたのもドラえもんになっている。またジャイアンとスネ夫は2人に掴みかかっているところを警官に注意されたが、ドラえもんとのび太も警官にどこの署に帰ればいいのかと、追われることとなってしまった。
2018年版
- のび太が買いに行ったのはゴロゴロコミックで、これが買えなかった際には「全ての生きる希望を失った」と泣き叫んでいる。またドラえもんは呆れながら「一日くらい我慢できないの？」と言っている。
- パパがのび太に買って来てと頼んだのはハガキになっていて、おつりはあげるからと言って100円を渡している。ちなみにパパは1983年版と同じく和服だった。これによりのび太は郵便局にしてハガキを買っている。
- 今回も放送時期が夏だったため、しずかは半そでの服を着ていた。またのび太及びしずかが見た映画は『スター☆オジョーズ』というタイトルで、操縦士のテクニックに姫らしきキャラが「まぁお上手！」と言うものだった。
- のび太は映画を見終わった後、バトミントンセット(スポーツ店)、ポニー(牧場)を出してしずかと遊んだが、しずかの楽器店から出したバイオリンでの演奏に耐えきれなかったため、喫茶店からホットケーキやパフェやジュースを出して楽しんだ。ちなみに食べる際には下にシートを広げている。
- しずかはこれらを食べた後にそろそろ帰らなきゃと言ったため、のび太はストアを銭湯にして一緒に入ろうとしたが、「お一人でどうぞ」と彼女に押され湯舟に落ちてしまった。
- のび太はジャイアンとスネ夫に追われた際、ペットショップから大型犬を出して対抗しようとしたが、この犬がジャイアンになついてしまったため失敗。更に2人がこの犬を使って自分の居場所を探り出したため、再びペットショップから動物を出そうとしたが、手持ちの金がなくなってしまい、それと同時に見つかってストアも奪われてしまった。
- ジャイアンとスネ夫は初めにこれをおもちゃ屋にしておもちゃを出そうとしたが、「や」の文字を小さく描いていなかったために、「もちやさん」になってしまいお餅が出てきてしまった。ちなみに出て来たお餅はジャイアンが美味しくいただいている。
- 今度はスネ夫がちゃんと「おもちゃ屋さん」を書き、最新のゲーム機を頼んだが、100円玉をいれたため跳ね返されてしまい、ジャイアンも1円しか持っていなかったので、スネ夫は両替をしにいったが、この間にジャイアンはのび太に「あっちに10円がいっぱいある！」と騙されストアを取り返されてしまった。
- のび太は2人に追われている最中にしずかと遭遇し、さっきの件を謝ると共に彼女から10円を借りて警官を呼び出した。
