概要
都内の下町の一角にひっそりとたたずむ、錦木千束たちの職場。表向きは何の変哲もない小さな和風喫茶店だが、その正体はDA(Direct Attack)の支部。
しかし、DAの本部とは明確に気風が異なっており、リコリスとしての任務こそ請け負っているものの、大抵は町内の手伝いといった地域に根ざした活動が主になっている。
たまに請け負うリコリスの任務についても、千束の信条に基づいて殺傷はNGとなっており、ターゲットは生きたまま捕縛。DAには直接引き渡さず提携しているクリーナーに現場修復のついでに引き渡している他、明確に殺害指示が出ているターゲットを匿うケースもある。
それゆえDA内では異端として快く思われておらず、はみ出し者の島流し先、いわゆる左遷支部のような扱いとなっている。
情報共有に関してもその距離感が目に見えており、第1話で本部がハッキングを受けたことを知らされず、第6話においてもリコリスが襲撃された件は伝達されたもののそれ以外の情報については極秘と対応が悪い。
それでも支部の端くれとして存続や活動が黙認されているのは、ミカと千束がDAにおいて無視できない信用と影響力を持つ存在だからに他ならない。
事実、設立直後は上層部からの刺客部隊により何度も襲撃されたらしいが、ミカと楠木司令による交渉の元、何とか自治を勝ち取る事ができた模様。
現在では千束の実力と不殺主義が当てにされることも多く、特に犯人の生存が要求される任務で召集される特殊部隊でもある。
普段は喫茶店としての営業を行っており、馴染みの常連客たちを招いたボードゲーム大会を定期的に開催したりするなど、アットホームな雰囲気に包まれている。その一方で、DAの要請による高強度の任務にいつでも対応できるよう、店の地下に防音設備を施した射撃場や武器庫を備えるなど、平素からしっかりとした態勢を整えている。
店員
店舗
東京都墨田区にある錦糸町駅の北口下町のなかに建てられている。
ステンドグラス調の窓やよく手入れされた花々で飾られた木造の店構えである。
店内の装いは和風を基調としており、店員の制服も和服に雪駄となっている。
フロア自体はあまり大きくないものの、ステンドグラスから差し込む日当たりは良好であり、加えてカウンターや小上がりの座敷席、階段を上がった中二階にあるテーブル席など、さまざまな客層に対応している。
店の裏には着替えのための更衣室やメニューを作るキッチンなどがあり、クルミが自身のマシンを設置している押し入れもこの一角にある。
そのほか、更衣室からつながる店の地下には、防音設備を施した屋内射撃場や、狙撃銃やショットガン、多量の弾薬などを備蓄した武器庫を備えており、DAの要請による高強度の任務にいつでも対応可能な態勢をとっている。
営業
定休日を除いた週6日営業で、主に日中を営業時間としている。また、食事を出すタイプの店ではないことから、昼前後の客足は閑散としている。
店の宣伝用にSNSアカウントも開設しており、定期的に更新している。しかし、これは千束の希望を店長のミカが承諾し、常連客向けの内容を発信しているものであり、ミカ自身はこの店がDAの支部の仮の姿であるという観点に基づいて、広く知られることのない静かな営業を望んでいる。
そのような営業スタンスをとっていることから、来店客は地域の人々からなる常連がほとんどであり、店長のミカや看板娘の千束とも顔馴染みになっている。
店ではしばしば、閉店後などに常連客を座敷席に集めてボードゲーム大会を開催したり、開店中にもかかわらずまかないを来店客にも振る舞ったりするなど、ホームパーティーのような企画が巻き起こることもしばしば。
店員と客が水入らずで交わることができるアットホームな店の雰囲気は、馴染みの常連客たちから愛されるものとなっている。
また、喫茶店としての営業以外にも、コーヒー豆の配達や地域の保育園や日本語学校への活動支援といった社会貢献も積極的に行っており、いわゆる「地域の何でも屋」的な側面も有している。
DAの支部としての活動
喫茶店の営業と並行して、店の本来の役割であるDAの支部としての任務もしっかりと受け持っている。
主な依頼は違法な武器・薬物の密輸ルートの解明や、脅威が予想されるなかでの重要人物のエスコートといった高強度なものが多い。また、メインのリコリスである千束の能力を評価される形で「迅速かつ最小の被害で作戦を遂行し、なおかつターゲットを生きたまま確保する」という厳しい条件を求められることもある。
DA本部のような豊富なバックアップを期待できる作戦とは違い、最低限の計画と自前の装備のみで挑むことが多いものの、クルミとミズキによる手堅いサポート、そして千束とたきなのバディが見せる圧倒的な戦闘能力のもとに、いかなる任務も確実に遂行している。
また、千束とたきなのバディを作戦地域まで運ぶ喫茶リコリコの社用車(スバル・フォレスター)も、小火器程度の被弾ならものともしない防弾仕様になっている。
メニュー
喫茶店としてコーヒーをメインに出しているものの、付け合わせのスイーツは団子やおはぎといった和風のものを中心としている。
この組み合わせはかつてミカがDAの訓練教官として働いていた際に、同機関の料理人が作る和菓子を気に入り、店を開いた折に自身の好みであるコーヒーと合わせてみたという彼自身の趣味によるものである。
実際に、軽やかな風味のアメリカンコーヒーとあんこを使った和菓子の相性は高い評価を受けており、店長のミカも客に対しては自信をもってこれらのセットをおすすめしている。
火にかけてゆっくりと時間をかけて抽出するタイプの直火式エスプレッソ。
スペシャルメニューとしてバニラアイスと合わせたアフォガートも出されており、その上等なコーヒー豆とアイスの組み合わせは高く評価されている。
純粋にコーヒーとして楽しむ以外に、カフェイン濃度を当てにして、締め切りを間近に控えた常連の漫画家や作家たち、そしてリコリスとして夜間の任務にあたる際の千束やたきながしばしばエナジードリンク扱いで飲用することもある。
炙りたてを提供してくれる、つぶあん入りの2本のモナカ。
かじった際に皮の粉が口元に付着しないように円柱状になっている。
こしあん、桜、抹茶、つぶあんの4つの味が楽しめるおはぎのセット。値段は600円。
こしあん・つぶあんの甘みや桜の花のほのかな塩味と香り、抹茶あんのほろ苦さなど、いずれのおはぎもコーヒーとの相性を異なる角度から楽しめるような工夫がされている。
- 宇治抹茶かき氷
小豆や寒天、バニラアイス、フルーツなどをトッピングした抹茶味のかき氷。
クルミが一気に平らげ、そのままたきなにおかわりを頼んでいる。
予告動画では千束とミズキが『宇治抹茶ミントかき氷』を紹介しているが、本品にミントを加えたものなのか、あるいは同じものであるかは不明となっている。
- 錦木千束スペシャルエレガントパフェ
第8話で登場。栗きんとんや黒蜜、小豆、ソフトクリーム、抹茶アイス、白玉など、さまざまなトッピングがなされたゴージャスなパフェ。値段は1200円。
千束の気分次第でさらにゴージャスになるため、喫茶リコリコの経営を苦しくする一因にもなっている。
第8話で登場。寒い季節にぴったりな、ホットチョコをたっぷり使ったパフェ。値段は1200円。
その何ともいえない衝撃的なビジュアルでSNS上で超絶的な話題を呼び、経営難だった喫茶リコリコを黒字に回復させた人気メニュー。
なお、提供開始からしばらくしたのちに、発案者のたきながSNS上での評判を見てショックを受けたことから即座に提供を取りやめ、現在では幻のメニューとなっている。
その他
- 喫茶店としての経営はあまりうまくいっておらず、DAからの助成金を受けながらも収支はカツカツであった。その主な原因は、店長のミカの方針によるこぢんまりとした常連客中心の営業はもちろん、千束が用いる非殺傷弾のコストや任務の際のターゲットの保護費用と現場の復旧費用、そして千束が気まぐれに行う出血サービスメニューの大判振る舞いなどが挙げられる。
- アニメ公式Twitterアカウントに加え、喫茶リコリコのTwitterアカウントが開設され作中とリンクしており、作中での写真やメニュー・店舗の内装・外観が紹介されている。
関連イラスト
公式設定資料
ファンアート
関連動画
おしえて!『リコリス・リコイル』③:「喫茶リコリコ」ってなに?
関連タグ
リコリス・リコイル DirectAttack リコリス(リコリス・リコイル)