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堕落天使

だらくてんし

1998年に彩京が放ったアーケード格闘ゲーム。独特な世界観と繊細なグラフィック、戦略性の高い操作などで根強い人気を誇る。
目次 [非表示]

ストーリー

西暦2000年。大地震を伴う地殻変動により、都市は外界から完全に隔絶された。全ての機能の停止した街はゆっくりと荒廃し始め、やがて無法地帯へと変貌を遂げたその街は、人々から皮肉をこめて「EDEN」と呼ばれるようになった。そして時は流れ、西暦2010年。


特徴

隔絶された都市を舞台としているだけあって、全体的に退廃的、フィルムノワールな作風(ゲーム画面的な意味でも、ストーリーやキャラ設定的にも)である。格ゲーらしからぬ、静かで悲壮感漂うBGMなども特徴的。

また何処かで見かけたようなキャラが多いが、これにはちょっとしたワケがあるので後述する。


背景の広がりを感じさせる世界観とは裏腹にストーリー面は非常にあっさりしている。本来は「ストーリーモード」が実装される予定であり、例えば結蓮・結蘭の設定はその名残であるとのこと。他にも基板内に没キャラクターのデータが残っているなど、本来はもっとボリュームのある作品になるはずだったことが窺える。

これらについては開発に参加した児玉光生が、「制作期間が短く人を十分に集められなかったため、納得のいく出来にはならなかった」と振り返りつつ、思い入れのある作品だと語っている。


基本的にはオーソドックスな2D格ゲーであるが、チェーンコンボとも言える「ラッシングコンビネーション」や、構を変えることにより技の動作が変化する「スイッチング」(いわゆる裏ニュートラル)、無敵時間のある前ダッシュ「エスケープダッシュ」や、その派生技の「エスケープアタック」、挑発で相手のゲージを下げるなどの特殊な仕様もある。

全体的にキャラクターの動作の癖が強く、キャラクターバランスも安定して使いやすいキャラと使い手の技量に大きく左右されるキャラとに大きく分かれている。また、キャラによっては致命的なバグなども見られる。


緻密なドットによる、小さなアクセサリーが揺れる様子や指先の動きまで作り込まれた滑らかなアニメーション、リアルで美麗なキャラクターデザインなど、グラフィックの評価が非常に高い。


人気声優を多数起用した、豪華なキャスティングも特徴の一つである。


コアな人気を誇りながらも基板の出回りが芳しくなかったため、家庭用ひいては現行機種への移植が長らく望まれていたが、2019年に、新要素の追加や没キャラクターの復活、バランス調整などをした上で「完全版」としてexA-Arcadia基板に移植されることが発表。2022年稼働開始を目標に開発が進められているとされていたものの、2023年時点でも大きな動きはない。移植・開発作業は、彩京ブランドを保有しているゼロディブの親会社であるシティコネクション(クラリスゲームス)と、exA-Arcadia TEAM EXA-AM6が手がける。

ちなみに2019年にはオリジナルサウンドトラックがシティコネクションから発売されており、同じく彩京が手がけた格闘ゲーム『バトルクロード』との同時収録となっている。


キャラクター紹介

クール

声 :緑川光

本作の主人公。非合法な仕事も引き受ける何でも屋を営んでいる。名前通りクールな性格で、自身にとっての自由を侵害されることを非常に嫌う。

チキン」と称する、飛び道具と対空に特化した待ち戦法を主体とする格闘スタイルを使う。

後に、待ちを主体とする主人公が彼以外にも登場する事になるが、それはまた別の話

キャッチコピーは「第4区画の黒い翼」

ハリー・ネス

声 :郷里大輔

腕を重火器に改造したアメリカ海兵隊の軍人。現在はEDENの暴動鎮圧部隊隊長。冷静で少々堅物な性格。

技の出がやや遅いものの、起き攻めや投げによる間合い調整などを得意とする。

キャッチコピーは「恐れを知らぬ職業軍人」。

結蓮〔ユイレン〕

声 : 折笠愛

バー「風の魚」の歌姫・・・なのだが。結蘭とは双子である。気さくで女性らしい振る舞いが特徴。

スピードを生かした打撃技を得意とし、初心者向けの性能を持つ。

キャッチコピーは「魅惑の歌姫」。

結蘭〔ユイラン〕

声 : 大谷育江

バー「風の魚」のバーテン見た目は優男だが・・・。結蓮のことは少々厄介がっている。勝ち気で豪快な性格だが、結蓮に比べれば性格は常識的。

タメを利用した関節技を得意とする。

キャッチコピーは「恍惚のバーテンダー」。

タロウ

声 : 園部啓一

緑色の皮膚につぎはぎのある外見が特徴の人造人間。出自に関する記憶はなく、マシュウ老人に拾われ育てられた。素朴かつ温厚な人柄で、結蘭とは仲が良いようである。

高い攻撃力のパワータイプだが、リーチが短く上級者向け。

キャッチコピーは「心優しき人造人間」

鬼瓦寅男〔おにがわら とらお〕

声 : 秋元羊介

空手家。自らの鍛錬に打ち込むあまり、定職につかず浮浪者まがいの生活を送っている。頭にハエが集っており、それぞれに名前をつけるなど変わった感性の持ち主。かつて軍の武術顧問をしており、ハリーの格闘術の師匠でもある。

全ての通常技が必殺技入力によるキャンセル不可という独特の性能である。彼の超必殺技「ドス竜」は「『堕落天使』も、鬼瓦寅男も知らないが『ドス竜』という技の名前だけは聞いた事がある。」と言われるほど有名。

キャッチコピーは「空手バカ!!」

ルチオ・ロッシ

声 : 堀川仁

暗黒街のボス、ワン・タイゼンに暗殺術を叩き込まれた少年。ワンとソリが合わなくなり、彼の元を飛び出しフリーの殺し屋になった。ワンを激しく憎んでおり、またワンからは命を狙われている。

スピードキャラで移動性能が高いが、ジャンプで高く遠く飛びすぎたり、攻撃力の高さゆえにコンボの構成が難しくカウンターを狙われやすかったりと、癖の強いキャラの多い本作でも難しいキャラ。

キャッチコピーは「暗黒街の臥龍」

壬生灰児〔みぶ はいじ〕

声 : 関智一

カルロスによる人間兵器計画「ケースクラス」の唯一の生き残り。実験の後遺症で痛覚を持たない身体になった。「絶望と言う名の地下鉄」「皆殺しのトランペット」といった技名は日本のバンド、BLANKEY JET CITYの楽曲タイトルが元になっている。

痛覚を持たないことを最大限に利用した、無謀とも言える突進技や打撃技を得意とする。

キャッチコピーは「8番目の狂犬」

トリガー

声 : 石井康嗣

本作の中ボス。カルロスの雇った殺し屋。拳銃と体術を組み合わせた独自の格闘術を用いる。下衆な性格。

飛び道具が豊富であり、接近戦での立ち回りが重要となってくる。

カルロス

声 : 小杉十郎太

本作のボス。EDENの不動産王。自分を「神」と称する傲慢な性格。人体兵器開発などを行っており、タロウの出自や、灰児の過去に関わっているようである。また、クールとは何か深い因縁があることが示唆されている。

日本刀を振り回して戦う。攻撃力が高く、リーチも長い上に強力な突進技を持つ。


KOFとの関係

ハリーや壬生灰児など、使用する技やキャラデザインが全体的に『KOF』シリーズに似ている。これは実際にSNKでKOFの開発に携わっていたクリエイターが多く参加しているためであり、イラストを手掛けたもりおかしんいちや、ゲームデザイナーの児玉光生(現在はカプコン傘下のK2代表)などがその代表的存在である。


なお、灰児と喧嘩が強い上に男前な人は特によく似ているが、これはキャラクターデザイナーがSNKから移籍した際にデザイン画を残しており、KOFで採用になったことを知らず灰児としてリファインした、という経緯があるらしい。また、クール、ハリーにもおそらく同様の経緯があると見られている。


『KOF99』あたりでネタにされており、さまざまな部分に影響が見られるほか、とくにウィップの嫌いなものとして「堕落、天使」と直接名前が出されている。

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