「素晴らしい結果を期待させてもらう。私は甘くないぞ」
プロフィール
人物
アイドルマスターシャイニーカラーズの舞台となる283プロの社長。経営、渉外、営業と多岐に仕事をこなしているため社内で姿を見かけることは少ない。「私は甘くはないぞ」が口癖。
歴代の社長達と同様、真っ黒のベタ塗りで描かれている。
厳格で紳士的な性格だが、風野灯織のモーニングコミュによると自分用にイチゴアイスを購入したり、チワワと目と目で会話していたり、アイドルがW.I.N.G.で優勝すると感極まって泣いてしまったりなど、どこか「甘くない」男と断言はしきれないような一面もある。
業界内ではその手腕を知られているようだが一方で、3周年記念特別コミュにおいてはコピー機のトナーの交換に手間取るなど不器用な面も見せている。
年齢は40代後半、体格は長身でがっしりしており顔立ちはダンディで彫が深い。(アイドルマスター 新シリーズ 制作発表会より制作プロデューサーの高山祐介氏の発言)
また、2.5周年記念特別4コマ漫画30話によると顎髭を生やしているようだ。
W.I.N.G.編の開始直後などプロデューサーの一人称視点で彼について語られる際は、尊敬の念が込められた描写が多い。
一方天井の方も前述の4コマのセリフから分かるように、プロデューサーに並々ならぬ期待と信頼を寄せているようで、特別コミュ『283プロダクション ─某月某日、面談─』では彼のプロデューサーとしての姿勢とは何たるかを知ることが出来る。
過去
シナリオイベント『きよしこの夜、プレゼン・フォー・ユー!~お客様の中にサンタはいらっしゃいますかSP~』(2019年冬)では彼の過去が語られている。
かつては彼も若いながらヤリ手として業界にその名を轟かせたプロデューサーで、あるアイドルのプロデュースに携わっていた。
売れることが彼女を『(芸能界で)生かす』ことになると信じ、元々は女優志望だった担当アイドルに天井は「足に合わせるんじゃない、靴に合わせるんだ」というプロデュース方針でダンスに特化したスタイルを強いた。(そのアイドルに女優の才はまるでなく、歌唱力も当時のレコーディング担当から『(上手いと思わせるように)収録には本当に苦労した』と言われるレベルだった)
当初は天井の方針に反発し「こんなの私じゃない!」とスタジオを飛び出したりもしたが、しかし彼に従わないと売れないと分かると従順になり、その後は天井の手腕により彼女は大ブームを起こし、海外進出も決まり空港にはマスコミが押し寄せるほどの人気アイドルとなる。
────しかし、海外進出の日であるクリスマス。そのアイドルは空港に現れなかった。
そして自分を探しに空港近くの神社に来た天井に対し、彼女は「もう履けない、合わせられない」と吐露して天井のプレゼントされたダンスシューズを彼に返すとその場を去り、電撃引退という形で彼の前から姿を消してしまった。
この一件は相当なスキャンダルとなったようで、スポンサーや関係者筋は天井が上手く収めたものの、283プロは活動を休止せざるを得なくなってしまう。
その経験以来、天井は毎年クリスマスの午後6時に「過去の幽霊」の訪いを受け、約束の神社で待ち続けていた。
そしてこの時の後悔に対し「答えを求めて」283プロの新社長に就任、「アイドルが持つ本来の個性の重視」を理念とし20数年ぶりに283プロを再出発させた。
『283プロダクション -某月某日、面談-』ではプロデューサーと面談を行う天井社長は「……だが、アイドルは着せ替え人形ではない。それだけは決して忘れないことだ」とのアドバイスをしている。
これはかつて、「靴に合わせることを強いた自分の失敗」を踏まえてのものなのかもしれない。
シナリオイベント『明るい部屋』(2020年冬)では七草はづきの亡き父とは親友同士で、ずっと閉じられたままだった女子寮の一室はかつてはづきの父が書斎(?)として使っていた敬意も明らかになった。
また、時折彼ははづきの父の墓参りに出向いているようで、そこでの描写と同シナリオにおけるはづきとプロデューサーのやり取りから、彼の親友(はづきの父親)はプロデューサーに似た人柄の人物だったと示唆されている。
事務的光空記録による増補
公式コミカライズ作品の『事務的光空記録』によって、ゲーム中の過去がより詳細になった。
当時はまだプロデューサーであった天井は、若くして相当実績重ねる新進気鋭のプロデューサーだった。
だが、己の才覚と実績に増長し職場の人間関係を徹底的に軽視した結果、先輩プロデューサーに自身のプランを盗用された挙げ句、窓際部署へと左遷された。
本来ならばここで自省し心機一転を計る……と思われたが、天井は逆に「自分を愚弄したヤツラ全員を見返してやる」と悪い方向で反骨心に火が点き、直後に自身のプランを盗用した先輩プロデューサーから「厄介者払い」とばかりに八雲なみを押し付けられたが、彼女の女優としての秘めた才覚を見抜くと、彼は〈伝説のアイドル〉の役を演じさせる形で八雲なみのプロデュースを開始した。
当初こそ「自分を愚弄したヤツラを見返す手段」としてしか彼女と接していなかったが、八雲なみの偽りながらも確かなアイドルの姿と、望まぬ現状に苦悩する心情を知る内、いつしか彼女を「パートナー」としても見ている己の変化に気付いた。
だが、「手段」と「パートナー」のどちらにも傾かない中途半端な態度を示して以降、八雲なみは彼への不信感に支配されてしまい、それを察した天井は「これが最後のライブ(だから君の好きなような演出・内容にしても構わない)」 と労いの計画を立てたのだが、それを知った上役(部長あるいは社長と推測)が「まだ稼げる以上、そんな勝手は許さん」としてストップを掛けた……。
会社・企業内の不可抗力ながらも、この件で八雲なみの綱渡りの精神が破綻、過去の悲劇と相成るのだった。
その他
プロデューサーからの通称として「海馬(社長)」と呼ばれもするが、それは中の人繋がりで『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の登場人物・海馬瀬人にちなんだもの。彼も高校生の身でありながら社長として勤めており、その影響で「283プロは海馬コーポレーションの子会社だ」とネタにされている。
あるいは中の人繋がりキャラで、社長業(ヘリオスエナジー社)もこなしているTIGER&BUNNYのネイサン・シーモア/ファイヤーエンブレムを思い浮かべる人も多いだろう。
……しかし2021年4月5日、はづきの妹である七草にちかの登場と同時に天井社長の過去が明るみに出るにつれ、次第に彼を取り巻く重い事情が浮き彫りになっていった。
- 失った担当アイドルの事を想い、20数年に渡ってクリスマスの度に「約束」の為、神社を訪れていた(約束の詳細な内容は2023年の時点では不明)。
- プロデューサーに対し「かつての自分」と「亡き親友」を重ねて見ている節がある。
- 亡き親友の部屋を10年に渡り当時そのままの形で保存(その部屋のあった建物は現在283プロの個室女子寮に)。
- 再出発させたプロダクションに亡き親友の娘を事務員として雇った(後にその妹までアイドルに)。
- 失踪したアイドルの直筆の本音が書かれた白盤(印刷の入ってないサンプル版)をずっと手元に保管していた。
挙句の果てに、かつて自身が犯した過ちが巡り巡って亡き親友の娘を苦しめ、プロデューサー自身も望まぬ形で彼の業を再現しかける事態にまで発展してしまった。
これらの結果、最近では「海馬ネタで笑っていた頃に戻りたい」との声が聞かれるようになってきている。
また、上記の事態が描かれたコミュの実装がよりによって4月5日だった敬意から「これは天井社長が始めた物語だろ」なる新しいネタが生まれている。
一方で「天井社長の過去は拙い後付け設定」 として、白い目で見るユーザーも少なからずいる。
その最たる理由はにちかよりも早く登場した黛冬優子の存在にあり、彼女は自らの苦い過去と「アイドルとして大成したい」思い から、アイドル活動する際は『Straylightのふゆ』の仮面を自ら被り演じる=自発的に八雲なみの悲劇を再現している上、プロデューサーはその事実を知っても天井社長に相談せずにその状況を容認・継続している。
もし、天井社長の過去がサービス開始と同時に決定していたら、彼が冬優子の行動を見逃さないし、仮に彼女自体を見逃してもプロデューサーに彼女の動向を尋ねるなりして彼女のスタンスに気付き、自身の過去を明確に伝えそれを諌める(あるいは黛冬優子の設定そのものが違っていた)だろう。
しかし、当の天井社長は悪い意味でプロデューサーを信頼して所属アイドルの動向を半ば放任し、SHHisの登場で漸く放任主義から転換している始末である。
勿論、Straylightのコンセプト的にそうできなかったか、天井社長が「既に自分はプロデューサーではない以上、口出しできない」として抑えていたなどの可能性もあるが、例えそうでも天井社長が冬優子のそれに気付いて、プロデューサーに「彼女の言動に少しでも違和感を覚えたら強引にでも休ませる」などのフォローを入れる描写の挿入ぐらいはできるはずだが、無論そのような描写はほぼない。
上記の状況証拠の多さから、天井社長の過去は後付け設定と考えられ、懐疑的に見られている。
関連タグ
アイドルマスターシャイニーカラーズ 283プロ 社長の系譜 七草はづき
優木せつ菜 - 虹ヶ咲学園元祖スクールアイドル同好会部長。彼女も天井と似たような過ち(仲間の「大好き」を否定しかけた)を犯したものの、途中で自らの誤りに気付き、彼のような最悪の結果を引き起こす前に同好会の廃部と自らの引退で責任を取った。
加藤ツムギ - スクフェスALL_STARSメインストーリー4thシーズンに登場するキャラクター。過度な応援の押し付けにより結果的に推しを潰してしまったのではないかという自責の念を抱えている。
以下の文章にはイベントに関連するネタバレ情報があります。 |
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ただの偶然?天井の意外な特技
杜野凛世のサポートSSR【日を食んで、夜を啜って】(イベント『明るい部屋』の報酬カード)のコミュでは、後に女子寮の隣部屋(上記の亡き親友ことはづきの父の旧書斎。当時、283プロのアイドルのフリースペースへ転用する許可を出していた)を断捨離中だった放課後クライマックスガールズの5名が著名な水墨画を発掘し、いろいろ調べても偽物とは思えないということで大騒ぎになった。
しかしプロデューサーに鑑定に出すことを勧められた天井社長は、この絵は昔お遊びのつもりで自分が描き写したものである、と明かす。このことから天井社長がかなりの画力の持ち主であることが判明した。
なお、どのような経緯で水墨画を嗜むようになったのかや、現在でも続けている趣味なのかは2023年の時点で不明。
283プロや天井を憎悪している斑鳩ルカの母は現在海辺に住んでおり、普段はカモメに餌を与えて過ごしているらしいが、イベント『アイムベリーベリーソーリー』(2021.7.31-)中で月岡恋鐘がCVを担当することになったアプリゲームのキャラである「寡婦(未亡人とほぼ同じ意味)」は、夫の死後海辺に住んでおり、そこでカモメに餌をやる事でこの世に愛を注いでる気分になっていて、その亡き夫は元・画家であるという、偶然とは思えない描写があった(「亡き夫」を「関係を断った男性」と考えれば「水墨画を嗜んでいた天井社長」と「海辺に住んでいるルカの母」、そして天井社長を憎悪しているルカという組み合わせは如何にも意味深であった)。
そしてルカの母は後の───イベント『セヴン#ス』(2023.2.28-)において、上述していたかつて天井がプロデュースに失敗し、自分の心にも深い傷を残すことになってしまった元担当アイドルである八雲なみ本人なのが明らかになった。