概要
CV:夏目響平(アニメ版)
『THE iDOLM@STERシリーズ』では、アイドル育成シミュレーションのプレイヤーを「プロデューサー」と呼びならわしている一方で、作中に登場するプレイヤーの分身としてのプロデューサーを指す呼称も、作品ごとに生み出されてきた。
『アイドルマスターシャイニーカラーズ』に登場する「プロデューサー」も例に漏れず、『シャニマス』の略称から「シャニP」(あるいは283プロから283P)と呼ばれている。
いわゆるプレイヤーのアバターではあるのだが、ゲーム本編ではいちキャラクターとしてかなり明確な人物像が設定されている。詳細なプロフィールはゲーム中で明示されていないものの、登場時の描写を統合することである程度推測できるようになっている。
アイドルのカードに姿が写り込んでいたり、283プロに入社する以前の経歴が示唆されていたりと、従来の『THE iDOLM@STERシリーズ』のようなプレイヤーの分身・自己投影と言うよりは「シャニPという一人のキャラクター」として受け止めているプレイヤーも多い。
ただしアイマス全体のファンフォーラムなどでは他のアイマス作品同様「シャイニーカラーズのユーザー及びファン」という意味でも使われており、前述の283P等の呼称と併用されてもいる。
人物像
283プロダクションに所属する新人のプロデューサー。ゲーム中の「プロデュースコミュ」「イベントコミュ」にて主人公視点を務める。アイドル同士の関係性が主題となる「サポートコミュ」には、一部を除き基本的には登場しない。
アイドルとの出会いを描く「W.I.N.G.編」でのプロデュース開始時には、入社して数ヶ月でようやく憧れていたアイドルプロデュースに携われる――とのモノローグがあるため、プロデューサーとしての業務ははじめての経験だと思われる。(田中摩美々のファン感謝祭編では283プロに入社しての数ヶ月の研修期間中、取引先に『山のように雷を落とされた』とも語っている)
なお、プロデューサーになる前は別の職業に就いた描写があり、経緯は不明だが、天井努に憧れて283プロに転職している。
初対面やスカウトの時点では敬語を使ったりもするが、プロデューサーとアイドルという関係になってからは、最年少の小宮果穂から最年長の緋田美琴まで基本的に敬称なしの名前呼び、口調も敬語ではなく砕けたもので話している(同僚の七草はづきや天井社長に対しては敬語)。
年齢は不詳だが、中学ないしは高校生時代に、小学生当時の浅倉透と出会っており、彼女が283プロに所属するキッカケにもなった運命的な記憶を残している。当時のプロデューサーがとったある行動の片鱗は、杜野凛世の【ふらここのうた】でも垣間見ることが出来る。成人組から飲酒に誘われたり、大学を出ているのを匂わせていることから22歳以上であることは確定する。
24歳の美琴とも対等に接し、初対面の際美琴が「君が、プロデューサー?」と質問した事も踏まえ、年齢は24歳以上ではないかという推測も有り、それを肯定した場合、24~28歳位となる。
後に、推しの子コラボ第二弾で追加されたMEMちょとのW.I.N.G.編の冒頭コミュにて25歳のMEMちょと同世代と語っていた為、25歳前後である事が判明した。
八宮めぐるの【小さな夜のトロイメライ】では友人との同窓会後の場面が描かれ、オフの時間を過ごす一人の青年としての一面も描写されている。
風野灯織との会話では食事面での栄養の偏り、体調を崩した時の大崎甘奈との会話では独り身を示唆しており、月岡恋鐘の【秋空ばくちづさんで】ではオフに日常品を一人で買いあさっていた事から、現在は一人暮らしの独身と推測される。
また、桑山千雪の【ハッピー・アイ・スクリー厶】にて、結婚について語れることはないと言っていることから結婚経験もないと考えられる。
実直かつ誠実な人柄が伝わってくると同時に、言動の端々から滲み出す彼の過去(人生経験や人格の根幹部分、あるいは女性関係等)に妄想を逞しくしているプレイヤーも少なくない。
外見
複数のアイドルのプロデュースカードに姿が写り込んでおり、断片的な情報が集積されている。ちなみに、しのざきあきらのコミカライズ版では三つ揃いのスーツを着こなす好青年として登場している。
身長
園田智代子の【ちょこ色×きらきらロマン】のコミュ『階段・段差・縮まる差』でのやりとりや、白瀬咲耶の【真紅一輪】では身長175㎝の咲耶がハイヒールを履いて並んでもまだ背が高い記述があり、さらに具体的には西城樹里の【とびっきりジンジャー】や市川雛菜の【HAPPY-!NG】、摩美々の【アバウト-ライト-ナイト】など、いずれも160㎝台のアイドルと並んで頭一つぶん高い彼の姿(うち2枚は後ろ姿の全身)が描かれており、有志の分析から概ね180cm台後半と推察されている。
公式4コマ漫画シリーズの第353話にてとうとう目元以外が概ね描かれ、身長についても180㎝台説が補強される形となっている。
なお、アニメ版のシャニPに関しては絵作りの理由からゲーム版よりは明確に身長が低いキャラとして制作しているとまんきゅう監督から明言された。
服装
【とびっきりジンジャー】の演出では白いトレンチコートを着用しており、幽谷霧子の【白・白・白・祈】では彼女にそのコートを貸していたりすることから「白コート」の愛称で呼ばれることも。
甘奈の【似合うかな?】のTrue Endでは甘奈に「元はいいんだからスーツ姿以外も見てみたい」と言われるなど、複数のアイドルからスーツ姿の印象が強い様子が窺える。甘奈の口ぶりから察するに、他者にじゅうぶん好印象を与え得るイケメンである模様。
内面
様々なアイドルをプロデュースしW.I.N.G.優勝へ導くことから、完全無欠の有能プロデューサーかのように語られることもあるが、仕事でのミスも人並みにしており、所謂秀才タイプ・努力の人。自分ごとで感情を表に出すことはあまりなく、かなり穏やかな人柄であることが窺える。
特にその低い自己評価をアイドルたちに指摘されることも多い。アイドルに責められようとも反論することは稀で、大体の失敗は自身に責任があるとしてアイドルたちのメンタルケアに回ることが多い。そんな姿勢を透には「責任感強すぎ系プロデューサー見参」「マイナスな結果は全部俺のせい★」と揶揄されてしまうことも。
ただ、社会関係や礼儀に関してはしっかりとしており、アイドルが失礼などを働いた場合はやんわりとたしなめることもある他、自虐的な態度をとるアイドルには本気で怒ることもあるなど、人のために怒り・泣き・喜ぶ人物。熱血教師気質とも。体育会系なところがあり、一部アイドルからは「暑苦しい」とも評されている。またそのためか、合理的・理論的な思考には理解が及ばないこともある。
一方で、上記の「暑苦しい」と言われて拒絶されることにトラウマめいた反応を見せることも有り、作中でも度々普段の彼からしたら過剰な反応を見ることが出来る。園田智代子の【トコハレ☀コメディ】ではそれもあって、とある特集から負のスパイラルに陥ってしまい、他者に対して臆病になってしまった一幕も。
また少し心配性なところもあり、特にG.R.A.D.編ではその心配性からアイドルとの関係がギクシャクしてしまうこともあった。
アイドル達の感情を優先し過ぎるが故に、自分自身の事や自分に向けられる感情(悪意や好意を含めて)に対して無頓着で鈍感な面があり(これは自己評価の低さも一因と考えられるが)、初期の凛世に対する対応や、過労で倒れてしまうといったマイナス面として表れてしまうこともある。
自己評価の程度とは裏腹に、クリーニング屋の奥さんから柿を、精肉店の店員さんからはかぼちゃを、畳店の旦那さんからは長芋を譲り受けるなど、商店街の方々からの心象はとても良い模様。
樋口円香の【ギンコ・ビローバ】ではプロデューサーという肩書きに恥じないよう身の丈以上に背伸びして振る舞っており、「スーツを脱いだら、そんなにできた人間じゃないからさ」と語っているなど、プロデューサーという立場が彼の自己評価を最低限下支えしているとも取れる。
円香のプロデュースにおいては、とある理由から非常に厳しく接してくる彼女からのあらゆるシニカルな暴言に対して、落ち込んだり逆上したりする素振りすら見せない鋼のメンタルが話題になった。
しかし後日実装された円香の【カラカラカラ】にて、彼女のそっけない塩対応を夢にまで見ており、とある分岐の中では疲れからコップを割って落ち込んでしまうほどには悩んでいるなど、彼も人並みに傷つくこともあるのだということが発覚した。
摩美々に仕掛けられるイタズラには些細なものでも「ま、摩美々ーーっ!」とノリ良く叱ることが多く、内気で大人しい櫻木真乃、霧子、大崎甜花の3名には強気な姿勢で安心させるスタンスを取ることが多いなど、アイドルに合わせて心地よくなる距離感で接していると思われるところがあり、結構なコミュニケーション強者。自己評価の低い灯織、逆に常にポジティブな恋鐘には「俺は灯織の(or恋鐘の)ファン第一号だからなっ!」などという励まし方をする場面も。
相手に合わせた態度の変化を見せる彼だが、内面を掴み難い相手は苦手な様で、何を考えているのか分かり辛い芹沢あさひや透、独自の価値観で行動する雛菜のプロデュースでは当初苦戦する描写が見られた。特に独特な世界観を持つ霧子とのコミュでは、彼女に寄り添って奇天烈な行動を採る事も度々あり、「霧子を相手にする時のシャニPはおかしい」と言われたりもする。(ゲームをプレイすれば分かるが、真乃、そして霧子と接する時は他の26名とは明らかにテンションが違う)
自分を慕う凛世に対して、当初は朴念仁のごとき対応が見られたものの、凛世の【水色感情】では自分の知らない側面を持っている凛世のことを真摯に理解しようと努めるなど、複数の「プロデュースコミュ」を経てプロデューサー自身も心理的に成長している様子が見られる。
ハロウィンワールドでは異世界に迷い込んでしまっても冷静に現状を把握し、場に順応し、出会った相手を気遣うなどかなり沈着冷静な姿を見ることも出来る。
多忙を極める生活のため、栄養の偏りや運動不足を指摘される、あるいは自覚することがしばしばあり、アイドル達とのコミュにより(一時的の可能性はあるにせよ)改善されることも多い。
灯織の【ひとりじゃない夜のこと】では灯織から「半分ここ(283の事務所)に住んでるようなものじゃないですかプロデューサーは」と皮肉を言われ、苦笑いするシーンもあった。
技能
料理は出来るものの、忙しさからなかなか作ることが出来ず、出来合いのもので済ませることが多い。
腕前自体は普段から料理をしている甘奈が「めっちゃ美味しい」と太鼓判を押すレベル。
ゲーム内の「営業」システムではアイドルたちに差し入れのマフィンを持たせることでモチベーションを高めるといったことができるが、このマフィンはゲームシステム上の都合だけではなく実際にプロデューサーが作っている模様。そのご機嫌なクッキング姿は上述の【ギンコ・ビローバ】で見ることができる。
智代子の2019年クリスマスプレゼントスペシャルコミュでの本人の発言によると、出来にはあまり自信がないようで、周囲の評価に反して相変わらず自己評価は低い。
乗用車でアイドルを送迎している他、マイクロバスを運転していることから少なくとも中型免許は持っている様子。運転は静かで丁寧らしい。作中ではレクサスをモデルとした社用車を写した背景も存在する。
好物
ブラックコーヒーをよく飲んでおり、好物であると考えられる。大崎甘奈の【ないしょのスイーツ】では限定のコーヒー味の砂糖に興味を示すなどもしている。「プロデューサーと言えばコーヒー」というイメージを持つアイドル(とプレイヤー)も多い模様。
多くのアイドルとのコミュでプロデューサーに対する関係性を象徴するアイテムとしてコーヒーが登場し、さらに七草姉妹の父で天井社長の親友だった人物の好物(しかもプロデューサーそっくりの性格な仕事人間)でもあるなど、283プロにおける物語の舞台装置的な役割を果たしている。
また、スコーンを作ってきた黛冬優子とのやり取りから、少なくとも甘党ではないことがわかる。コーヒーをブラックで愛飲しているのも、味覚に合うからかもしれない。
ただ、アイドル達と一緒に甘い物を食べる描写もあるため『苦手』ということはないらしく、基本的に好き嫌いなく何でも美味しく食べられる模様。
同時に前述の摩美々のイタズラによる「だだ甘コーヒー」や、ハロウィンコミュの「超すっぱいプチケーキ」など極端な味付けで悶絶しているあたり、極めて真っ当な味覚の持ち主である。
口癖
プロデュース中に発生する「モーニングコミュ」の最後には、選んだ選択肢がNORMAL・GOOD・PERFECTのいずれであったかを示す「会話への手応え」が表示されるが、PERFECTを選んだ際の(よし、楽しく話せたな)という決まり文句は、一部コミュでのシュールさからインターネット上ではネタにされることが多く、二次創作によっては彼の口癖の様に扱われる場合もある。
また「ははっ」という笑い声をよく多用している。
名前は翼?
鈴木羽那はホーム画面会話では「名刺に翼ってったから親近感が湧いた」と言っている。
また、霧子の【廻・廻・娩・淘】ではヤンデレ幼馴染となった霧子が「翼くん」と呼んでくる。
この事から下の名前は「翼」かも知れないが、2024年時点で公式からの発表はない。