概要
『金田一少年の事件簿』のストーリーのひとつ。
熊本県の天草を舞台にしており、作中の地名はすべて実在のもの。
本誌掲載時に出された真相当てクイズで、この事件では正解者はなんと3名しかいない空前絶後の難問だった。
被害者のとある共通点がある種のミスリードとして働き、犯人を外すと言う事態が生じたのでは、(ネタバレなので詳細は伏せるが)トリックに対して被害者が想定通りに動くとは限らないと言う運任せの部分もあり、逆にその発想は出来なかったからでは、と様々な推測が生じた。
そして何より、金田一は様々な偶然からヒントを得て解いただけで犯人はミスと言えるミス自体はしていない。
本作はアニメ化はされているものの、「金田一少年の決死行」以前の長編では数少ない実写化されていないストーリーである。
最大の理由としては劇中で実在する地名と遺物を使用している事と思われる。
金田一少年の実写版における事件の舞台は連続ドラマ版は撮影の都合上関東、単発SPや映画版ではマーケティングの都合上海外という極端な形を取っている。
だが本作は天草の実在する遺物の秘文が物語の中核を担っている以上、舞台を熊本県天草諸島から動かす訳にはいかないのである。仮に遺物と秘文が完全オリジナルのものなら関東某所に潜伏していた隠れキリシタンの隠し財宝伝説、といった設定改変でドラマ化できたかもしれない。
一方撮影スケジュールに余裕が持てる単発SPで放送するには犯人の動機がそぐわないのではないかとの見方もある。
準レギュラーのいつき陽介が重要ポジションを担うため、松本潤版から山田涼介版までいつき自体が登場しなかった関係上ドラマ化が実現出来なかった…との見方も考えられるが、過去のドラマ版で重要キャラを統合したり、準レギュラーは主要キャラの既知の関係という設定で準レギュラーの初登場回をドラマ化せずして関係性を構築したこともあるためそこまで重要ではないと思われる。
道枝版ではいつきが登場したため、今後続編が作られたらいつきのポジションや設定を変更することなくドラマ化される可能性もあるが果たして…?
あらすじ
天草上島で発見された黄金の十字架には、財宝の隠し場所を表すメッセージが秘められていた。「ロザリオ秘文」と呼ばれるこの暗号に興味をもったハジメは、いつき陽介に誘われるまま、「週刊ケンタイ」の創刊20周年特別企画「伝説の天草財宝発掘同行ルポ」に参加する。
だが、一行が天草に着いた夜、惨劇は起こった。
登場人物
発掘ツアー参加者
- 和田守男:「週刊ケンタイ」編集者でツアーの引率役。いつきとは旧知の間柄。
- 矢木沢亮:古美術商。中田の元恋人。
- 中田絹代:トレジャーハンター。一が過去に財宝を見つけたことも知っている。
- 赤峰藤子:冒険カメラマン。怪力巨乳美女。
- 赤門秀明:東大中退のトレジャーハンター。潔癖な性格で一とは気が合わない。
- 最上葉月:考古学助教授。いつきの元恋人で事件の中でヨリを戻しかける。
- 天堂四郎:現地の案内ガイド。天草四郎を彷彿とさせる美少年。
- 美浦エミリ:ダウジングの名手。ミス研部員で一に気がある。
- 竜崎三郎:1年前立山の財宝発掘に四郎、エミリ以外のメンバーと参加するも落盤事故で死亡。
- 蔵元清正:故人。財宝発掘を生業にする蔵元一族の先代当主。息子は蔵元コンツェルン社長蔵元醍醐。